ユニバーサル造船の商品・技術、研究開発を通じた環境負荷低減活動

ユニバーサル造船の商品・技術、研究開発を通じた環境負荷低減活動

エコシップにより温室効果ガスを削減―次世代船「G(グリーン)シリーズ」

ユニバーサル造船では、国際海事機関での「国際海運からの温室効果ガス(GHG)排出削減」についての審議に対応して、GHG排出量を削減したエコシップの開発に取り組んでいます。2011年7月には、次世代船「Gシリーズ」の第一弾としてGHG排出量を従来船(200,000重量トン型バラ積み船)と比較して25%削減した209,000重量トン型バラ積み船の開発を終えました。

抵抗削減と馬力低減に主眼を置き、船体性能の向上、低燃費機関プラントの構築および実海域性能向上などにより、従来船から燃料消費量を1日あたり10トン以上削減しています。

今後は、これらの技術をタンカーなど他の船型にも適用し、開発を展開していきます。

エコシップ化を実現する商品・技術事例1 船舶の燃料消費を抑制
ハイブリッド過給機電源システム
Point
  • 航海中の発電が可能で燃料消費量を削減
  • 小型船舶へも搭載が可能

ハイブリッド過給機断面図(出典:三菱重工業)

ハイブリッド過給機は、船舶用ディーゼルエンジンに搭載する過給機に小型の高速発電機を内蔵したものです。ユニバーサル造船は、この過給機を用いた発電システムを他社と共同開発しました。通常航海中にこのシステムを利用すれば、ディーゼル発電機を運転しなくても発電でき、燃料消費量削減に寄与します。また、エンジンの排ガスの一部やその熱を利用して発電するターボコンパウンドシステムなどと比べて、必要なスペースが小さくて済むことから、これまで排ガス利用が難しかった小型船舶へも搭載できます。この発電システムは、5月31日に竣工した日本郵船のバラ積み船「SHINKOHO」(新鋼鵬)に世界で初めて搭載されました。この船は、豪州などからの鉄鉱石輸送に従事し、国土交通省の補助と(財)日本海事協会の支援を受けて省エネ効果を検証します。

過給機
圧縮した空気をエンジンに送り込む装置。
エコシップ化を実現する商品・技術事例2 海上運航支援システム
Sea-Navi®
Point
  • 運航の最適化により燃料消費量を削減
  • 航海データのモニタリング
  • 船舶の最適航路、航法を提案

船型や推進性能向上装置の改良とともに、燃料消費量の削減効果が期待できるのが“運航の最適化”の分野です。「Sea-Navi®」は「海のカーナビ」という意味から命名された運航支援システムで、出港前に燃料消費量や定時性、安全性を考慮した航路計画を提案し、航海中は日々変化する海気象予報データに基づいて航路を修正できるほか、計測された航海データは陸上に送信されるので会社にいながら運航状況の把握もできます。

また、船体構造部材の余寿命評価や最適メンテナンスも提案します。

エコシップ化を実現する研究開発事例1 船舶に装備する省エネデバイス

実船に装備された省エネデバイス
(SSDとSURF-BULB)

GHG削減と運航経済性の向上を実現する省エネ装置SSD(Super StreamDuct)とSURF-BULB(Swept-backUp thrusting Rudder Fin with BULB)をほぼすべての船舶に装備しています。

スクリューの前方に装備されるSSDが、船体が前進する際につくり出す渦の力を回収して推進力に変え、また、スクリューへの水の流れを整えることで、従来使われていなかったエネルギーも推進力として利用できます。一方、舵に装備されるSURF-BULBは舵への抵抗を減らす効果があります。

これら2つの省エネ装置を装備した場合、6~13%の推進効率が向上することが確認されており、例えば超大型タンカー(VLCC)が年間300日の航海で10%推進効率が向上すると、GHG排出量は1隻あたり約9,000トン削減できることになります。

エコシップ化を実現する研究開発事例2 性能を向上させた船首形状
~実海域性能向上船型「LEADGE-Bow」「Ax-Bow」~

「LEADGE-Bow」と「Ax-Bow」は、“実海域での運航性能”を考慮した船首形状で、10年以上前から他社に先駆けて開発してきた成果です。これらを採用した船型では、波浪中での船速低下を軽減し、燃料消費量の増大を抑える効果があることから、GHG排出量の削減に貢献しています。

船主の高い評価に支えられて、すでに100隻以上が世界の海で活躍しています。

LEADGE-Bow装備バラ積み

Ax-Bow装備鉱石運搬船