海洋環境への取り組み

インドネシアのサンゴ再生試験の様子(東京海洋大学岡本准教授提供) インドネシアのサンゴ再生試験の様子(東京海洋大学岡本准教授提供)

鉄鋼副産物で海の環境保全に貢献

JFEスチールは、鉄鋼を製造する過程で生成された鉄鋼副産物(鉄鋼スラグ)の用途開発とその利用拡大に取り組んでいます。鉄鋼スラグには海域環境修復機能があることから、その機能を活かし、海の環境保全に貢献しています。

造成礁と着床具でサンゴ再生を実証

幼生から最大直径35cm(右奥)まで成長 幼生から最大直径35cm(右奥)まで成長

JFEスチールは、白化現象など、さまざまな要因で世界的に衰退しているサンゴ礁の再生技術開発に取り組んでいます。

JFEスチールが開発した「マリンブロック®」は、CO2を鉄鋼スラグのカルシウム成分と反応させ、炭酸カルシウムとして固定化したサンゴ造成礁です。炭酸カルシウムはサンゴの主成分であり、表面の微細な凹凸がサンゴの着生を容易にしています。

サンゴの幼生が固い基盤に着床する性質を利用した着床具も鉄鋼スラグから製造し、幼生を保護し、成長させる技術も開発しました。

この「マリンブロック®」と着床具を用いた実証実験を宮古島のサンゴ礁で行い、サンゴが幼生から産卵サイズに成長するまでの「サンゴ再生サイクル」が完成することを確認しました。

インドネシアでも、東京海洋大学が「マリンブロック®」を用いたサンゴ礁再生試験を始めています。


マリンブロック®上のサンゴと魚群 マリンブロック®上のサンゴと魚群
マリンブロック®上に群生するサンゴ マリンブロック®上に群生するサンゴ

藻場造成で豊かな海づくりと低炭素社会に貢献

マリンブロック®上に繁茂する大型海藻カジメと魚群 マリンブロック®上に繁茂する大型海藻カジメと魚群

藻場(海藻の群落)は、海洋生物の生息場所や産卵場となるとともに、CO2を吸収して酸素を供給するという大きな役割を担っています。

JFEスチールは、この藻場の役割に注目し、「マリンブロック®」の海藻着生機能を活かした藻場造成事業を提案しています。

失われた藻場を再生して豊かな海をつくり、水産基礎生産力向上や低炭素社会に貢献する技術開発に取り組んでいます。


カジメ着生状況(マリンブロック®) カジメ着生状況(マリンブロック®)
カジメ着生状況(比較材) カジメ着生状況(比較材)

担当者の声

写真 スラグ事業推進部 小山田 久美(写真右端)

「マリンブロック®」などの鉄鋼副産物による海域環境再生技術に関する技術をみなさんに知ってもらうことで、グローバルな自然環境の保全に貢献していきたいと考えています。

船舶用バラスト水管理システムで海洋生態系の維持に貢献

JFEバラストエースの船上試験を実施したSAGA PIONEER号(日本郵船) JFEバラストエースの船上試験を実施したSAGA PIONEER号
(日本郵船)

船舶は、空荷時の操船のバランスをとるために、荷揚げ港で船内に海水(バラスト水)を注水します。バラスト水は、荷積み港で船外に排出しますが、その水には荷揚げ港で生息していたプランクトンなどの海洋生物が含まれています。このため、荷積み港周辺の海洋生態系を乱すことになり、国際的な問題となっています。

JFEエンジニアリングは、グループが保有する水処理技術や機械技術、造船技術を活用して、船内に搭載することができるコンパクトで高性能なバラスト水管理システム「JFEバラストエース」を開発、2010年3月に世界最大の処理能力である1,000m3/hまでのIMO(国際海事機関)の最終承認を取得しました。

今後、さらに3,500m3/hまでのモデルを揃え、「JFEバラストエース」の受注・販売を通じて、海洋生態系の維持に貢献していきます。

バラスト水処理フロー図

バラスト水処理フロー図