
JFEエンジニアリングでは従来、リサイクル、都市環境、エネルギーなどの分野で環境ビジネスを手がけてきました。こうした技術を活かした環境貢献の取り組みをさらに進めるために、従来とは異なる分野で CO2削減などにつながる商品開発をめざして2009年から続けているのが「グリーンプロジェクト」です。現在、新空調事業部、ラピダスプロジェクトチーム、太陽エネルギー発電プロジェクトチームが新しい商品の開発に取り組んでいます。
太陽エネルギー発電システムの
実証プラント(鶴見製作所)
太陽熱発電は、集光した太陽光を熱源として発電するシステムで、太陽光発電より発電効率が良いことから注目を集めています。こうしたなか、JFEエンジニアリングは、2010年8月、光学機器メーカーと共同で集光型太陽熱発電の受熱装置(レシーバー)における高効率蒸気回収技術(太陽エネルギーの70%以上)の実証実験に成功しました。
今回開発した技術とJFEエンジニアリングが保有している蒸気タービン・発電機を組み合わせることで、集光から受熱・発電まで純国産の発電プラントの提供が可能になります。太陽熱発電は、北アフリカ・中東など世界のサンベルト地域で大きな需要が見込まれており、今後商用機の開発に着手し、2012年度中の初号機受注をめざします。
地中熱ヒートポンプのイメージ(冷房の場合)
地中の温度は、年間を通してその場所の年平均気温とほぼ同じです。この熱を、夏の冷房、冬の暖房に利用するのが地中熱利用空調システムです。従来の空調システムに比べて、エネルギーとCO2排出量を約40%削減できます。
JFEエンジニアリングは、この空調システムの開発を進め、川崎市の実証実験において環境省から性能が認定され、2011年2月、同市施設へ実用設備として初導入されました。
地中熱エネルギーは、建物の基礎杭を利用することで効率的に採熱することができます。JFEスチールの「つばさ杭」は、杭の先端に地中への回転貫入を容易にする翼を付けた基礎杭で、低振動・低騒音、無排土施工も可能な環境にやさしい製品です。
つばさ杭
2009年6月に環境省「平成21年度環境技術実証事業」として採択された川崎市とJFEグループの共同研究事業「地中熱利用空調システム」が、同省の「ETVマーク」(下 参照)を取得しました。これは「平成21年度川崎市環境技術産学公民連携公募型共同研究事業」によって取得した冷暖房に関する試験データから環境保全効果が実証されたためで、地中熱を利用したヒートアイランド対策技術分野では、ETVマーク取得の第一号になります。

先進的環境技術の環境保全効果を、環境省が選定した機関が実証し、環境産業の発展を促進する制度が環境技術実証事業です。実証された事業にはETV(EnvironmentalTechnology Verification)マークが交付されます。
環境問題、エネルギー問題への関心の高まりから、クルマは電気自動車(EV)へとシフトしつつあります。そのEV普及に向けて克服すべき課題の一つが充電時間の短縮です。JFEエンジニアリン グはこの課題解決のため、3分間で電池容量の50%を充電できる超急速充電器「スーパーラピダス」を2010年6月に開発しました。
「スーパーラピダス」は従来型の30分80%充電に対し、8分で80%充電(5分70%、3分50%)が可能です。

「ラピダスプロジェクトチーム」は、環境省の支援を得て、SIM-Drive、三菱総合研究所、京浜急行バス、神奈川中央交通と共同で2011年度から超急速充電器を活用した電動バスの実用化実証試験を開始し、電動バスの実用化をめざします。
電動フルフラットバス
充電スタンド「スーパーラピダス」は、EVへの充電以外でも利用することができます。その用途の一つがコンビニエンスストアにおける利用で、災害・停電時の電力確保などに活躍することが期待されます。また、変圧設備の導入が不要、電力ピークカットによる基本料金の低減、などのメリットがあります。今後はコンビニエンスストアや大型店舗などでの利用実現をめざします。
