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第1次中期経営計画
中国の鉄鋼需要動向とJFEスチールの対応
事業会社概要
JFEスチール
JFEエンジニアリング
JFE都市開発
川崎マイクロエレクトロニクス
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JFEスチール
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事業会社概要

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JFEスチール株式会社

JFEスチールは、「東日本製鉄所」「西日本製鉄所」という世界最大規模の2大臨海型製鉄所と「知多 製造所」の2製鉄所・1製造所体制によって、JFEグループのコア事業である鉄鋼事業を展開しています。

第1次中期経営計画

主要施策
1. マーケティング機能の充実
2. 海外戦略
3. 最適生産体制の構築と設備集約
4. グループ会社の再編・統合

連結財務目標
  億円
  実績
(概算値)
実績 目標* 中期計画
年度 2002 2003 2004 2005
経常利益 910  2,085  3,850  2,300 
売上高経常利益率(ROS) 4.6%  9.9%  16.6%  11.0% 
*2004年度の目標は、2004年8月30日の公表値

2003年度業績回顧
2003年度は、内外とも自動車、造船向けを中心に鉄鋼需要が好調に推移し、連結粗鋼生産量は3,055万トンとなりました。連結売上高については、オンリーワン、ナンバーワン製品比率の拡大に努めてきた効果もあり、前期比6.4%増の2兆1,039億円となりました。また、利益については、販売価格の改善に加え、統合に伴う設備統廃合、生産技術の融合、グループ再編など、一連のコスト削減策と生産性向上策により、原料価格の上昇や償却負担方法変更等による一時的な償却費負担増を吸収し、連結営業利益で前期比1.8倍の2,427億円、連結経常利益で前期比2.3倍の2,085億円と大幅な増益を達成しました。

基本戦略
品種セクター制とオンリーワン、ナンバーワン戦略当社は、8つの品種を基軸に、販売・生産・物流・研究など部門横断的に収益管理を行って戦略策定につなげていく「品種セクター制」を採用しています。この体制によってオーダーごとの収益性を把握し、収益改善のポイントを明確にすることで経営の透明化・明確化・効率化を指向しています。同時に、この体制のもとで、高度化する顧客ニーズを的確に把握し、マーケティング機能の充実を図っています。
 また、当社は、業界で唯一の(オンリーワン)または最高の(ナンバーワン)技術に基づき、独自性・優位性ゆえに対抗商品との価格競争にさらされることなく高い収益性を享受できる商品の構成割合を上げていく「オンリーワン、ナンバーワン戦略」を推進しています。当社は、優れたプロセス技術をもとにした、ナノハイテン*1、熱延TMCP利用高加工性鋼板*2、HISTORY鋼管*3などのオンリーワン商品や、高耐食性クロメートフリー鋼板、Super−OLAC(新オンライン加速冷却システム)を活用した高品質な厚板、高合金油井管などのナンバーワン商品をはじめ数々のオンリーワン、ナンバーワン商品・技術を保有しています。2004年3月期における、オンリーワン、ナンバーワン商品のJFEスチール売上高に占める割合は約13%と着実に高まっており、2006年3月期には中期計画目標の15%〜20%を達成する計画です。

*1 ナノハンテン:世界で初めてナノメートルサイズの微細析出物を鋼中に均一分散することにより、高強度化とプレス成形性能を両立させた薄板鋼板
*2   熱延TMCP利用高加工性鋼板:新加速冷却法の適用によって金属組織の微細粒化、炭化物の微細分散を図り、加工性能が大幅に向上した高炭素鋼板
*3   HISTORY鋼管:HISTORY=High Speed Tube Welding & Optimum Reducing Technology 鋼管の縮径圧延を用いた新インライン加工熱処理技術により製造する高強度・高加工性鋼管

品種セクター制

オンリーワン・ナンバーワン商品・技術の一例
  オンリーワン ナンバーワン
薄板   ナノハイテン   クロメートフリー鋼板
厚板   建築構造用TMCP厚板(HBL385)   コンテナ船用大入熱溶接用厚肉鋼板
形鋼スパイラル   Super-KING工法   外法一定H形鋼
鋼管   HISTORY鋼管   13Crシームレス油井管
電磁鋼板   スーパーコア   高磁束密度低鉄損電磁鋼板
その他   マリンブロック   熱処理省略用合金鋼粉

最適生産体制の構築
JFEスチールでは、収益の最大化のための最適な粗鋼生産量を2,700万トン(単体ベース)と算定し、設備の統廃合を進めています。既に、上工程においては2基の高炉(合計年間生産能力390万トン)を休止し、稼動高炉9基体制を確立しました。実際に、2003年度の単体粗鋼生産量は2,701万トンと計画通りに進んでいます。また、下工程においても15ライン(年間生産能力延べ350万トン)の設備休止を進め、2004年6月末で12ラインの休止を完了しました。この設備集約による収益改善効果は年間約100億円と試算しており、下工程の稼働率も従来に比べ10パーセント・ポイント以上向上しています。

設備休止状況
    休止計画 休止数 備考
上工程:
高炉
  2 2 計画完了
(高炉9基体制)
下工程:
圧延
 冷延(含む焼純) 2 2 計画完了
 表面処理 6 3 今後の休止計画
(3ライン): 千葉EGL、
千葉CGL、福山TFL
 条鋼 2 2 計画完了
 溶接管 5 5 計画完了

グローバル戦略
当社は、(1)自動車、造船、家電向け等の高級鋼材や環境対応商品など収益性の高いオンリーワン、ナンバーワン商品を中心に輸出すること(2)グローバルな垂直分業を基本に、信頼できる、かつ中長期的な視野で経営思想を共有化できるアライアンス先を通じて輸出量を増やすことで、安定的な収益を確保し、アライアンス先とのWin-Win関係を構築することを目指しています。2003年度は約1,000万トンの鋼材を輸出(JFEスチール単独輸出比率40.6%)していますが、そのうち約42%がアライアンス先向けです。
 また、この戦略に基づき、2003年10月、拡大する中国鉄鋼需要への対応強化を進めていくために、中国の広州鋼鉄企業集団と合弁で、主に自動車用表面処理鋼板を製造する「広州JFE鋼板」を設立しました。同社には、JFEスチールが51%を出資し、その原板となる高品質の冷延鋼板はJFEスチールが日本から供給します。

2004年度の見通し
販売環境見通し
内外とも鉄鋼事業を取り巻く販売環境は引き続き堅調です。国内においては、公共事業費削減により、引き続き土木分野の減少はあるものの、自動車、造船、建設産業機械、電機を中心とした製造業需要回復が今後とも期待できることから、国内鋼材需要は前年度に引き続き好調に推移するものと見込まれます。
 一方、輸出環境についても、中国の高度成長、米国の景気回復、その他アジア地域の高度成長により、世界の鋼材需要はさらなる増大が見込まれます。
 こうした内外需要環境において、ここ数年の中国での粗鋼生産増に起因した世界的な鉄鋼原料不足により、世界規模で鋼材需給は非常にタイトな状況になっています。
 このような環境下、2004年度の当社の粗鋼生産量は、フル操業状況が継続していますが、年度後半の高炉改修作業の影響もあり、前期(連結ベース:3,055万トン)を若干上回る水準を想定しており、JFEスチールの連結売上高は前期比10.3%増の2兆3,400億円を目標としています。

2004年度も高収益確保
JFEスチールの2004年度の連結経常利益については、前期比84.6%増の3,850億円を見込んでいます。この大幅増益の根拠としては、オンリーワン、ナンバーワン戦略によるプロダクトミックス改善も含めた販売価格の大幅改善と需要拡大に伴う販売数量増による増益効果2,390億円が見込まれており、原料価格高騰のコスト増(1,350億円見込み)を十分にカバーする見通しです。さらに、単体のコスト削減効果470億円と関係会社利益増による増益効果を加え、連結ROSは16.6%を目指します。
 なお、中国の金融引締めの影響は、当社にとって販売価格低下リスクよりも、鉄鋼設備への投資抑制に伴う生産能力急増抑止や原料コスト急騰の沈静化等のプラス効果を生じ、その結果として中長期的にタイトな鉄鋼需給環境の継続につながるものであり、マイナス要因とは考えていません。

原料問題に対する今後の取り組み
鉄鋼原料に関しては、タイトな需給、価格面での厳しさが、ここ数年継続するものと予想されます。こうした環境下、JFEスチールでは、以下の諸施策の実施をはじめ、中期計画に当初織り込んだ原料関連投資50億円(3年間)にはこだわらずに良い案件があればさらに拡大し、今後とも長期的・安定的な原料確保および原料コスト低減を目指した取り組みを推進していきます。

1)新規鉱山開発への投資
プロジェクト名 CVRD ファブリカ・ノバ鉱山(ブラジル国ミナス・ジェライス州)
プロジェクト概要 鉱量:約4.5億トン、生産量:年産1,000万トン〜1,500万トン、生産開始: 2005年
パートナーとシェア JFE:50% 、CVRD社*(ブラジル):50%
購買契約内容 PSC社(焼結鉱を生産するJFE スチール100%子会社) は、12年間、200万トン/年の鉄鉱石の供給を受ける
プロジェクト名 BHPB ヤンディ鉱山W−4鉱区( オーストラリア国・西オーストラリア州)
プロジェクト概要 鉱量:約1.1億トン、生産量:年産最大1,500万トン、生産開始:2005年
パートナーとシェア JFE:20 %、BHP Billiton社*( オーストラリア):68 %、伊藤忠商事:6.4% 、三井物産:5.6%
購買契約内容 JFE スチールは、鉱山開発の共同企業体へ参画するとともに、11年間、1,600万トン/年の鉄鉱石の供給を受ける
技術協力 未開発資源(LCID) 商品化の共同開発
  *それぞれ世界3大鉄鉱石サプライヤーの1つ
 
2)合金鉄の生産・販売合弁会社の設立
社名(所在地) オルドスマンガンアロイ(中国・内蒙古自治区・棋盤井地区)
事業内容 生産品:シリコマンガン、生産量:年産15万トン、生産開始:2005年夏
パートナーとシェア JFE:24.5%、オルドス電力冶金有限責任公司:51%、三井物産:24.5%
 
3)積地揚地の港湾条件に適した最適船の導入
23万トン型 大型鉱石専用船 2004年〜 2006年にかけて2 隻導入
30万トン型 大型鉱石専用船 2008年下期に2隻導入
瀬戸内MAX
  (水深の浅い西日本製鉄所専用)
2003年〜 2006年にかけて、既存船を17隻切り替え


設備投資計画
2004年度の設備投資計画は、第1次中期経営計画に沿って、減価償却費の範囲内で実施します。主要工事として、西日本製鉄所福山地区の第5高炉の改修工事とコークス炉の増設を予定しています。
 福山5高炉改修は、当社独自の超短期改修工法「大ブロックリング工法
*」により、2005年1月〜3月に行う計画で、投資額は約210億円を計画しています。また、この改修により炉内容積を5,500m3程度(現在4,664m3)まで拡大する計画です。
 一方、福山地区コークス炉増設は、既存炉団の共用設備を最大限に活用し、投資額を抑制(約110億円)しつつ、2004年5月〜2006年6月までに、55門増設(生産能力約40万トン/年)します。コークス炉の増設は、現状の世界的なコークス需給の逼迫による市況の高騰、既存のコークス炉の老朽化による稼働率の低下などに対応するもので、同時に、これによりコークスの完全自給体制が実現されることになります。

大ブロックリング工法:高炉炉体を3〜4の大ブロックに分割して予め建造しておき、上部より順次吊り上げて据え付け、溶接していく工法。この工法はJFEグループ独自の工法で、工期短縮化が図れ、改修費用の削減も可能となります

設備投資計画
    億円
    実績 計画
  年度 2003 2004
  工事ベース 1,010   950  
  支払ベース 817   1,216  
  減価償却費 1,386   1,325  
 

グループ会社の再編・統合
当社は、統合効果の早期発現のため、2003年度は、容器、建材、化学の各分野について再編・統合を行いました。2004年4月には、表面処理、物流、設備保全、サービスの各分野で、7月には鉱業・スラグ分野で統合を完了させました。さらに2004年10月には、商社、厚板流通加工、知的財産・技術情報、研究支援・検査分析の各分野での統合を予定しており、これで中期計画で計画していたグループ会社の再編・統合は、JFEスチール発足後1.5年と短期間で完了し、早期の収益基盤確立に寄与することになります。

分野 対象グループ会社 新会社名 統合時期
容器 川鉄コンティナー 鋼管ドラム JFE コンティナー 2003. 4
建材 川鉄建材 日本鋼管ライトスチール JFE建材 2003. 4
化学 川崎製鉄
化学事業部
アドケムコ JFE ケミカル 2003. 4
表面処理 川鉄鋼板 NKK鋼板 JFE鋼板 2004. 4
物流 川鉄物流 NKK物流 JFE物流 2004. 4
設備保全(制御) 川鉄電設 ケーディーケーエレシス JFE電制 2004. 4
設備保全(機械) 川鉄マシナリー メンテック機工 JFEメカニカル 2004. 4
サービス 川鉄ライフ エヌケーエフ JFEライフ 2004. 4
鉱業・スラグ 川鉄鉱業 鋼管鉱業 JFEミネラル 2004. 7
商社 川鉄商事 エヌケーケートレーディング JFE商事 2004.10
厚板流通加工 川鉄鋼材工業 東京シヤリング JFE鋼材 2004.10
知的財産・情報サービス
研究支援・検査分析
川鉄テクノリサーチ 日本鋼管テクノサービス
鋼管計測
JFEテクノリサーチ 2004.10

研究開発体制
世界最高の次世代商品・技術を創出する「スチール研究所」
当社は、社会に貢献し発展するために、技術の将来動向を見据えた戦略的かつ効率的な技術開発を推進しています。これを支えるのが、鉄鋼分野の研究機関として世界最大規模を誇る「スチール研究所」です。同研究所では、「世界最高の次世代商品・技術の創出」を目標とし、強度や加工性能等について常に最高の技術を追求したオンリーワン、ナンバーワン商品・技術の開発・実用化に積極的に取り組んでいます。
 また、同研究所は、生産部門や営業部門、さらにはグループ各社との連携によって、顧客ニーズや生産性、収益性を的確に捉えた研究開発に努めており、生産性向上、製造コスト低減など、マーケティング機能上も大きく寄与しています。

 

 
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