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財務レビュー

財政状態及び経営成績の分析

(1)経営成績についての分析
当連結会計年度のわが国経済は、世界経済の回復を背景とした輸出が好調であることに加え、国内においても設備投資の増加や個人消費の持ち直し等、緩やかな回復基調が続きました。
 このような経済環境のなか、JFEグループは、第1次中期経営計画での諸施策を前倒しで実行していくことにより統合効果を最大限に発揮できるよう取り組み、グループ全体での収益基盤の確立に向け、着実にその成果を上げてまいりました。

事業の種類別セグメントの当連結会計年度の経営成績は以下のとおりです。
 鉄鋼事業におきましては、売上高は、2兆1,039億円となり、前連結会計年度に比べ1,264億円(6.4%)の増収となりました。営業利益は、2,427億円となり、前連結会計年度に比べ1,097億円(82.6%)の大幅な増益となりました。これは、原料価格の上昇、減価償却方法の変更等による償却負担の増加や円高影響等の収益悪化要因がありましたものの、高付加価値製品比率の上昇も含め鋼材販売価格の改善に取り組んだ結果、大幅な価格改善を実現したこと、また統合後の最適生産体制の確立に向けた設備統廃合により生産性の向上、技術融合の成果等による大幅なコスト削減の達成、さらに傘下グループにおける再編や収益基盤強化に向けた施策の実施によるものであります。
 エンジニアリング事業におきましては、売上高は3,394億円となり、前連結会計年度に比べ1,178億円(25.8%)の減収となりました。営業利益は31億円となり、前連結会計年度に比べ97億円(75.6%)の減益となりました。これは、固定費等のコスト削減、低採算事業に対する事業性の検討と見直し、新規事業領域の開拓に取り組んでまいりましたが、環境部門をはじめとする公共事業縮減等の事業環境悪化や、造船事業の再編を目的とした2002年9月のユニバーサル造船(株)への営業譲渡の影響等によるものであります。
 都市開発事業におきましては、売上高は262億円となり、前連結会計年度に比べ46億円(15.0%)の減収となりましたが、営業利益は14億円となり、前連結会計年度に比べ4億円(36.9%)の増益となりました。これは、大規模社有地開発を着実に推進するとともに、首都圏を中心とする分譲マンション事業を展開してまいりました結果、子会社の清算に伴う減収はあるものの高採算物件の売上増等により増益となったことによるものであります。
 LSI事業におきましては、売上高は404億円となり、前連結会計年度に比べ63億円(18.6%)の増収となりました。営業利益は49億円となり、前連結会計年度に比べ37億円(296.5%)の増益となりました。これは、デジタルカメラ向けおよび液晶ディスプレイ向け製品の販売が好調であったこととコスト削減を実現したことによるものであります。
 以上より、グループ全体の連結売上高は2兆4,737億円となり、前連結会計年度に比べ468億円(1.9%)の増収となりました。営業利益は2,536億円となり、前連結会計年度に比べ1,067億円(72.7%)の大幅な増益となりました。
 また、営業外損益につきましては、借入金・社債等の削減と金利率の低下による支払利息の減少や為替予約の効果により、352億円の損失となり、前連結会計年度に比べ70億円(16.5%)の改善となりました。
 これらにより、経常利益は2,183億円となり、前連結会計年度に比べ1,137億円(108.6%)の大幅な増益となりました。
 特別損益につきましては、319億円の損失となり、前連結会計年度において株価下落に伴い計上した投資有価証券等評価損が減少したこと等により465億円(59.3%)の改善となりました。
この結果、当期純利益は1,068億円となり、前連結会計年度に比べ、909億円(570.0%)の大幅な増益となりました。

(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、投資活動によるキャッシュ・フローは、1,350億円の支出となり、ユニバーサル造船(株)への営業譲渡に伴う収入があった前連結会計年度に比べ81億円支出が増加しました。これに対し、営業活動によるキャッシュ・フローは3,570億円の収入となり、税金等調整前当期純利益の増加等により前連結会計年度に比べ1,163億円の増収となりました。これらを合計した当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは2,220億円の収入となり、前連結会計年度に比べ、1,081億円の増収となりました。このフリー・キャッシュ・フローおよび手持現預金の一部を原資として、経営基盤強化のため、借入金の返済、社債の償還等有利子負債の削減を進めるとともに、配当金の支払等を行った結果、財務活動によるキャッシュ・フローは2,292億円の支出となり、前連結会計年度に比べ455億円の支出の増加となりました。これはフリー・キャッシュ・フローが前連結会計年度に比べ1,081億円増加したものの、現金及び現金同等物の減少額が111億円と、前連結会計年度に比べ減少額が671億円減少したことによるものであります。
 以上より、当連結会計年度末の借入金・社債等の残高は前連結会計年度末に比べ2,197億円減少し、1兆8,374億円となりました。

 

事業等のリスク

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

(1)当社グループの事業
  1)経済状況と販売市場環境
当社グループの国内鋼材販売は、建築・土木、自動車、産業機械、電気機械等各需要分野に広がっており、販売形態も多岐にわたっております。また、これら国内向けに加え、40%程度(JFEスチール(株))を海外に輸出しております。主な輸出先としましては、中国、韓国、アセアン向けが中心となっております。従いまして、国内の経済状況を背景とした鋼材需要動向とともに、中国や米国、アジア等世界経済の状況を背景とした世界的な鋼材需要の動向が、当社グループの販売量および価格に影響を及ぼします。
 また、当社グループは、各製品市場と地域市場において、競合他社との競争に直面しております。
  2)鉄鋼原料の需給状況
当社グループは、鋼材の原材料として鉄鉱石、原料炭、合金鉄・非鉄金属等を、主として輸入により調達しております。従いまして、これらの世界的な需給の状況が業績に影響を及ぼします。
  3)また、収益の変動要因には、下記のような要因が含まれます。
・新製品・研究開発の状況
・設備投資効果の発揮状況
・コスト削減の状況
・製造設備・システムの安定操業状況
・需要家への製品供給に関する状況(品質を含む)
・その他災害等当社グループが予期できない障害等

 
(2)為替レートの変動
当社グループは、為替レートの変動の影響を受けます。為替レートの変動は、主として外貨建ての製品輸出と原材料輸入取引による効果が相殺されますが、相殺されない部分は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。JFEスチール(株)における外貨建て取引は主としてドル建てで、当期のドル収支はおおよそ19億ドルの輸出超過であります。なお、為替予約等を利用したヘッジ取引を実施しております。

 
(3)金利の変動
当社グループは、金利変動の影響を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、一部の借入金について、金利スワップ等を利用したヘッジ取引を実施しております。

 
(4)公的規制
当社グループは、事業展開する各国において、輸出入規制等様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、特許、租税、その他の法規制の適用も受けております。

 
(5)退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。

 
(6)保有株式等の価値変動
当社グループが保有している株式等の価値が変動した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末に当社グループが保有する時価のある株式等の取得原価は1,189億円、連結貸借対照表計上額は1,879億円であります。

 
(7)固定資産の価値下落
当社グループが保有している固定資産について、時価下落・収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。