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JFEグループの概要

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JFEエンジニアリング株式会社

JFEエンジニアリング代表取締役社長 齊藤 脩

JFEエンジニアリングは、エネルギー関連分野、環境関連分野、鋼構造分野、産業用機械分野、製鉄技術分野において、世界トップレベルの技術でソリューション提供型エンジニアリングを指向しています。高い技術力をベースとする「ものづくり」の伝統を活かし、たゆまざる進化プロセスを備えたハイブリットなエンジニアリング企業を目指してまいります。

代表取締役社長
齊藤 脩

営業概況/厳しい事業環境下で増収増益を達成

 2004年度のJFEエンジニアリングを取り巻く事業環境は、公益・公共事業が、行財政改革の進行の中で当初の予想を超えるスピードと規模で削減されており、極めて厳しいものとなりました。そのような中でJFEエンジニアリングは、受注の確保・固定費の削減に努める一方、新商品や新規事業の開拓と海外事業の強化を図ってまいりました。その結果、連結受注高は前期比6.4%増の3,598億円、連結売上高は同3.6%増の3,515億円、連結営業利益は同71.0%増の53億円、連結経常利益は同60.6%増の87億円となりました。

基本戦略/主力商品の競争力強化(「ナンバーワン戦略」)と新商品の開発(「オンリーワン戦略」)

 JFEエンジニアリングは、グループ会社を含めて「カンパニー制」を採用しています。「エネルギーエンジニアリング」「環境エンジニアリング」「水エンジニアリング」「鋼構造」の4事業部と「重工センター」「ソリューションエンジニアリングセンター」の二つのセンターのもとに、グループ会社の各事業を連結し収益管理することで、各カンパニーは収益力強化に向けた経営・運営を行っています。こうした独立事業会社的な運営の中で、業績に連動した評価制度の導入などにより、経営責任の明確化と、事業特性に最も適した事業体制の構築や柔軟な顧客対応の強化に取り組んでいます。
 JFEエンジニアリングは、高い技術力をベースとするエンジニアリング企業として、既存主力商品の競争力をさらに強化し、シェアナンバーワンを目指す「ナンバーワン戦略」と将来の成長に向けた積極的な新技術・商品開発を推進する「オンリーワン戦略」を推進し、お客様に最高のソリューションを提供できるグローバル企業への道を切り開いていきます。また、JFEスチールなどとのグループ内のシナジー効果も最大限追求していきます。

2004年度受注高/売上高/受注残高   (億円) 
事業 受注高 売上高 受注残高
エネルギーエンジニアリング 790 711 722
環境エンジニアリング 594 872 1,033
水エンジニアリング 354 369 235
鋼構造 924 596 814
製鉄エンジニアリング 126 176 134
その他 810 791 497
合計 3,598 3,515 3,435

グローバル戦略/国際事業センターを基軸に海外プロジェクトに注力

 国内市場の成熟化の一方で、中国をはじめとする東アジア、東南アジア市場は、エネルギー分野、環境分野、鋼構造分野等を中心に需要の拡大が期待できると考えており、これら海外分野開拓に積極的に取り組んでいくために、2004年4月「国際事業センター」を設置しました。
 同センターの設置により、海外事業に関わるすべての経営資源を集中し、業務効率を高めるとともに、厳格なリスク管理と採算管理を推進していきます。海外受注規模を2005年度に200~300億円に引き上げることを目指しています。
 これまで培ってきたエネルギー・環境・鋼構造などの豊富な海外プロジェクトに加え、今後はディーゼルエンジン燃料を重油から天然ガスに転換する事業やバイオマス事業をはじめとするCDM/JIプロジェクトにも注力し、グローバルな事業を展開していきます。

※CDM/JIプロジェクト
2005年2月に発効した京都議定書では、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス排出量削減に関する各国の数値目標を達成するための仕組みとして、市場原理を活用する京都メカニズムを導入しています。
CDM(Clean Development Mechanism)「クリーン開発メカニズム」:先進国と発展途上国が共同で排出削減プロジェクトを実施し、その結果生じた排出削減量を目標実現分としてわかちあうこと。
JI(Joint Implementation) 「共同実施」:先進国同士が協力して排出削減プロジェクトを実施し、その結果生じた排出削減量を目標実現分としてわかちあうこと。

中期経営計画の状況/予想を超える事業環境の変化に固定費削減・新商品開発を加速化

 公共投資の大幅な縮減や大幅な価格低下など、予想を大きく超えた事業環境の変化により、現時点では、連結売上高、連結経常利益、連結売上高経常利益率(ROS)などの財務目標を下回る見通しです。コストダウンや販売管理費を中心とした固定費削減を強化し、市場動向が厳しい現状においても黒字を維持できる体質を確立しておりますが、既存分野における商品競争力強化や商品戦略の再構築、新事業・新商品開発や海外事業への注力、さらには他社とのアライアンスを通じた事業体質強化など、今後一層、収益力・財務体質の強化に努めてまいります。

  経営成績
            億円
  年度 2002
実績(概算値)
2003
実績
2004
実績
2005*
見通し
2005
中期計画
 
  経常利益 120 54 87 70 160  
  売上高経常利益率(ROS) 2.6% 1.6% 2.5% 2.1% 4.0%  
  ※2005年5月12日発表値            

2005年度の課題/運営型ビジネスの展開、新規事業育成、コンプライアンスの再構築


販管費の推移
販管費の推移
 2005年度の事業環境は、公益・公共事業の削減が続く一方、市場構造が多様化していく中で、新たな社会的ニーズも出てくるものと見られます。こうした状況下でJFEエンジニアリングの既存事業については、さらなる技術力の向上、市場ニーズに合った新商品の投入、徹底的な生産性の向上などにより事業規模の維持と収益の確保に努めるとともに、運営型ビジネスの展開に加え、新規事業の開拓および新規商品の市場投入、および海外事業の強化により業容の拡大を図ってまいります。
 運営型ビジネスとしては民間主導型の社会資本整備(PFI)、公共設備の運営管理(O&M)などや、民需案件に積極的に取り組んでいきます。
 JFEエンジニアリングの新技術をもとにした新規事業の育成としては、
  • 冷水の2~3倍の熱容量を持つ「水和物スラリ」を使い、約40%の省エネを実現する空調システムの商品化
  • アーク放電法により、高純度、高強度のカーボンナノチューブを製造
  • バイオマス高効率発電の商品化
  • 天然ガス用新型ガスエンジンの商品化

などを検討しています。

 なお、JFEエンジニアリングおよびJFEエンジニアリング社員1名は、国土交通省が発注する鋼橋上部工事の入札に関し、独占禁止法違反の疑いにより公正取引委員会からの告発を受け、2005年6月、東京高等検察庁から起訴されました。
 このような行為を根絶すべく、従来よりのコンプライアンス体制を抜本的に立て直すとともに、マネジメントの改革、モニタリングの強化を推進し、社長、役員が先頭に立って全社員の意識改革に真剣に取り組んでまいります。これにより、社会からの信頼を一日でも早く回復すべく、努力してまいる所存です。