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財務レビュー

経営成績および財政状態の分析

(1)経営成績についての分析
 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績の改善により設備投資が昨年に引き続き堅調に推移するなか、雇用情勢が改善し、個人消費も底堅く推移するなど、景気は緩やかな回復基調を示してまいりました。このような経済環境のなか、JFEグループは『世界最高の技術をもって社会に貢献します』という経営理念のもとに、長期的な視野に立ち、持続的な成長が望める体制作りに邁進してまいりました。発足以来、事業別に会社を再編し、生産体制の再構築によるコスト競争力の向上、付加価値の高い製品へのシフト、事業会社傘下グループ会社の統合や事業構造の転換など、さまざまな施策につきまして、戦略性と効率性を重視しスピード感を持って取り組み、収益拡大に向けてグループの総合力が発揮できる体質への変革に努めてまいりました。

 事業の種類別セグメントの経営成績は、以下のとおりです。

 鉄鋼事業におきましては、国内需要が公共投資の減少により土木向けが減少したものの、自動車・造船など製造業向けを中心に引き続き高水準に推移し、輸出につきましても、アジア向けを中心に引き続き堅調に推移いたしましたことから、当連結会計年度の連結粗鋼生産量は3,128万トンと、前連結会計年度に比べ増加いたしました。売上高につきましては、販売数量の増加および世界的に堅調な鋼材需要を背景とする鋼材価格の改善により、連結売上高は2兆4,217億円と、前連結会計年度に比べ増収となりました。経常利益につきましては、原料価格の急騰などの大幅な減益要因がありましたものの、設備稼働率の向上等による大幅なコスト削減や、海外における戦略的提携関係を通じた輸出先確保ならびにグループを挙げてオンリーワン、ナンバーワン商品の開発や企業体質の改善に取り組むなどの収益基盤の強化に努めてまいりました結果、連結経常利益は4,503億円と、前連結会計年度に比べ増益となりました。

 エンジニアリング事業におきましては、厳しい事業環境の中で、固定費の削減はもとより、新商品や新規事業の開拓および海外事業の強化を図ってまいりました。その結果、環境事業の売上高増加の影響もあり、連結受注高は3,598億円、連結売上高は3,515億円、連結経常利益は87億円となり、前連結会計年度に比べ増収・増益となりました。

 都市開発事業におきましては、分譲マンションの引渡しの増加により、連結売上高は315億円、連結経常利益は22億円と前連結会計年度に比べ増収・増益となりました。

 LSI事業におきましては、デジタルカメラ向け製品の売上減少が影響し、連結売上高は360億円、連結経常利益は18億円と前連結会計年度に比べ減収・減益となりました。

 以上の結果、当社単体業績等と合わせ、当連結会計年度における連結売上高は2兆8,036億円、連結営業利益は4,672億円、連結経常利益は4,606億円と、前連結会計年度に比べそれぞれ増加いたしました。

 なお、グループの財務体質の改善とバランスシートの透明性向上のために、「固定資産の減損に係る会計基準」を当連結会計年度より適用することといたしました。これに伴い、固定資産減損損失753億円を特別損失として計上いたしましたこと等から、税金等調整前当期純利益は3,036億円となり、連結当期純利益は1,600億円となりました。

(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
 当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは4,625億円の収入となり、税金等調整前当期純利益の増加等により前連結会計年度に比べ1,055億円の増収となりました。これに対し、投資活動によるキャッシュ・フローは1,095億円の支出となり、投資有価証券の取得による支出の減少、投資有価証券の売却による収入の増加等により前連結会計年度に比べ255億円支出が減少いたしました。これらを合計した当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは3,530億円の収入となり、前連結会計年度に比べ、1,310億円の増収となりました。このフリー・キャッシュ・フローおよび手持現預金の一部を原資として、経営基盤強化のため、借入金の返済、社債の償還等有利子負債の削減を進めるとともに、配当金の支払等を行った結果、財務活動によるキャッシュ・フローは3,698億円の支出となり、前連結会計年度に比べ1,406億円の支出の増加となりました。これはフリー・キャッシュ・フローが前連結会計年度に比べ1,310億円増加したことに加え、現金及び現金同等物の減少額が162億円と、前連結会計年度に比べ減少額が51億円増加したことによるものであります。

 以上より、当連結会計年度末の借入金・社債等の残高は前連結会計年度末に比べ3,907億円減少し、1兆4,467億円となりました。

 

事業等のリスク

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

(1) 当社グループの事業
  1)経済状況と販売市場環境
当社グループの国内鋼材販売は、建築・土木、自動車、産業機械、電気機械等各需要分野に広がっており、販売形態も多岐にわたっております。また、これら国内向けに加え、44%程度(JFEスチール(株))を海外に輸出しております。主な輸出先としましては、中国、韓国、アセアン向けが中心となっております。従いまして、国内の経済状況を背景とした鋼材需要動向とともに、中国や米国、アジア等世界経済の状況を背景とした世界的な鋼材需要の動向が、当社グループの販売量および価格に影響を及ぼします。
  また、当社グループは、各製品市場と地域市場において、競合他社との競争に直面しております。
  2)鉄鋼原料の需給状況
当社グループは、鋼材の原材料として鉄鉱石、原料炭、合金鉄・非鉄金属等を、主として輸入により調達しております。従いまして、これらの世界的な需給の状況が業績に影響を及ぼします。
  3)また、収益の変動要因には、下記のような要因が含まれます。
・新製品・研究開発の状況
・設備投資効果の実現状況
・コスト削減の状況
・製造設備・システムの安定操業状況
・需要家への製品供給に関する状況(品質を含む)
・その他災害等当社グループが予期できない障害等

 
(2)為替レートの変動
当社グループは、為替レートの変動の影響を受けます。外貨建て取引による外貨の受け取り(製品輸出等)と外貨の支払い(原材料輸入等)で相殺されない部分がある場合、為替レートの変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。JFEスチール(株)における外貨建て取引は主としてドル建てで、当期のドル収支はおおよそ19億ドルの輸出超過であります。なお、為替予約等を利用したヘッジ取引を実施しております。

 
(3)金利の変動
当社グループは、有利子負債残高が多額であること等により、金利変動の影響を受けます。なお、一部の借入金について、金利スワップ等を利用したヘッジ取引を実施しております。

 
(4)公的規制
当社グループは、日本国内および事業展開する各国において、通商、特許、租税、環境、その他関連する様々な法令・公的規制の適用を受けております。

 
(5)退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。

 
(6)保有株式等の価値変動
当社グループが保有している株式等の価値が変動した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末に当社グループが保有する時価のある株式等の取得原価は966億円、連結貸借対照表計上額は2,198億円であります。

 
(7)固定資産の価値下落
当社グループが保有している固定資産について、時価下落・収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。