決算情報株式・役員トピックス業績の推移事業概況事業報告書のtopへ

 

事業概況


全般の概況

 当期のわが国経済は、IT関連投資を中心とした設備投資の増加やアジア経済の好調により緩やかな回復基調をたどりましたが、期の後半に至り、アジア経済をはじめ米国経済が調整局面に入り、また、IT関連需要にも鈍化傾向がみられるなど、悪化の兆しが現れてきております。
 このような状況の下で、当社は当期よりスタートした「グループ中期経営計画」の実行に前倒しで取り組んでまいりました。その結果、当期の売上高は1兆101億円と前期を上回り、収益面では、経常利益474億円と前期に比240億円の大幅な増益となりました。また、特別損益につきましては、本社ビル売却に伴う固定資産売却益等の特別利益がありましたものの、北米持株会社機能の廃止に伴う投資損失や退職給付費用等の特別損失もあり、当期利益15億円にとどまりました。
 以上のように、経常利益は増益となりましたが、財務状況は配当には未だ十分な水準になく、当期の利益配当につきましては、誠に申し訳なく存じますが、引き続き無配とさせて頂きました。株主の皆様には、深くお詫び申し上げますとともに、何とぞご理解賜りますようお願いいたします。



鉄鋼事業

 国内需要につきましては、建設関連では、公共土木は低調に推移しましたが、当上半期を中心にIT関連投資等の民間設備投資の回復傾向が続き、増加いたしました。製造業向けにつきましても、自動車をはじめ産業機械、電気機械など全般的に堅調に推移いたしました。
 一方、輸出につきましては、当上半期に、韓国をはじめとするアジア向けが景気回復を背景に順調に推移しましたことから、前期に比べ増加いたしました。
 以上のような状況の下で、当社の粗鋼生産量、鋼材出荷量はともに前期を上回り、鋼材価格の低下等の影響がありましたものの、売上高6,624億円と増収となりました。収益面につきましても、労務費、材料費、外注費等の合理化により、前期を上回っております。


総合エンジニアリング事業

 当期は、競争激化により受注環境が一層厳しさを増す中で、パイプライン、都市ごみ処理設備、製鉄設備、橋梁、油送船などを成約し、受注高4,050億円と前期を大幅に上回りました。売上高につきましては、パイプライン、都市ごみ処理設備、製鉄設備、橋梁、撒積船を中心に3,031億円となりましたが、輸出案件の減少等から、前期に比べ減収となりました。しかしながら、収益面につきましては、懸命なコスト削減に取り組みました結果、前期を大幅に上回りました。なお、受注残高4,785億円となっております。


その他の事業

 総合都市開発事業につきましては、低金利の継続や住宅取得減税を背景に供給戸数が過去最高を更新し分譲マンション市場が活況を呈する中、販売戸数が大幅に増加いたしましたことから、売上高、収益面ともに、前期に比べ大幅な増収、増益となっております。
 また、電子デバイス事業につきましては、昨年9月に富士通グループへLSI設計開発事業を営業譲渡し、事業から撤退いたしました。
 さらに、当期より、総合リサイクル事業として、使用済みプラスチックの高炉原料化リサイクルを事業化し、売上を計上しております。
 以上のような状況から、当期の売上高446億円と前期に比べ大幅な増収となり、収益も大幅に改善しております。


研究開発

 研究開発につきましては、カスタマーフォーカス(顧客中心主義)を掲げ、グループ収益力を強化する研究開発を行っております。鉄鋼・総合エンジニアリング両事業においては、コスト競争力強化のための研究開発ならびに自動車向け高強度鋼板、次世代型ごみ焼却炉などの商品開発において成果をあげております。また、今後期待されるクリーンエネルギー分野においては、DME(ジメチルエーテル)の実用化などを推進しております。


設備・資金

 当期の設備投資につきましては、福山製鉄所の基盤整備を中心に競争力強化に重点を置いて実施いたしました。投資額は検収ベース436億円、支払ベース430億円となっております。
 資金調達につきましては、昨年5月から本年3月にかけて、合計610億円の普通社債を発行する等、低利資金の機動的な導入を図っております。また、フローの改善や資産圧縮の積極的推進等により、大幅な借入金の返済を行いました。その結果、本年3月末借入金残高8,947億円となっております。


グループの状況

 当期は、鉄鋼事業につきましては、事業開始から2年目を迎えたエヌケーケー条鋼株式会社、エヌケーケー鋼板株式会社およびエヌケーケー鋼管株式会社が、それぞれ所期の目的どおりの成果をあげ、収益を確保しました。また、グループ事業基盤のさらなる強化を目的として、シデルカ社と合弁で発足したエヌケーケーシームレス鋼管株式会社が、グループ内の合併による新会社として、物流部門ではエヌケーケー物流株式会社が、補修部門ではメンテック機工株式会社が、それぞれ順調に事業を開始しております。
 一方、米国におきましては、経済全般に減速感が広がり、自動車等の鉄鋼需要産業の状況も悪化しましたことから市況が大幅に落ち込み、その影響を受けたナショナル・スチール社も赤字の計上を余儀なくされました。
 総合エンジニアリング事業につきましては、市場環境が厳しさを増す中、グループ総力をあげて強力な営業活動を展開し、収益改善にも取り組みました結果、エヌケーケープラント建設株式会社を中心に売上高は増収となり、収益面も改善いたしました。
 なお、その他の事業につきましては、株式会社エヌ・ケー・エクサが、日本アイ・ビー・エム株式会社の資本参加を得て、情報システム事業の中核会社として一層の事業強化・拡大を推進しております。
 以上のような状況から、当期の連結売上高1兆7,872億円と増収となり、連結経常利益430億円と前期に比226億円の増益となりました。また、連結特別損益としましては、当社本社ビル売却に伴う固定資産売却益等があり、連結当期純利969億円と前期に比1,429億円の大幅な改善となっております。


今後の見通し・課題

 当社は、当期を初年度とする「グループ中期経営計画」の前倒し達成を図るため、諸施策を迅速に実行してまいりました。
 まず、第一は、グループ全体のスリム化です。本社ビルの売却、グループ会社が保有する寮・社宅の売却等により、総資産圧縮、効率化を推進し、フリーキャッシュフローを大幅に増加させました。第二は、成長戦略の推進です。鉄鋼事業におきましては、福山製鉄所の年間製鋼能力1,000万トン体制確立や、シデルカ社との合弁会社発足など、グローバル供給体制の確立を進める一方、使用済み家電リサイクル事業への進出を決定するなど環境ソリューションビジネスも積極的に展開いたしました。第三は、競争力を支える技術の強化です。グループ全体での技術開発を強化するとともに、日本アイ・ビー・エム株式会社との包括的提携を開始し、ITの戦略的活用を推進しております。
 加えて、一層の競争力強化のため、事業協力体制を積極的に構築してまいりました。具体的には、以下のとおりであります。

  1. 川崎製鉄株式会社との製鉄所間の協力に関する検討開始
  2. 日立造船株式会社との造船事業統合に関する合意
  3. 千代田化工建設株式会社とのエネルギー関連設備エンジニアリング事業に関する業務提携
  4. 住友重機械工業株式会社、日立造船株式会社との製鉄プラント事業に関する業務提携
 以上のような取り組みの結果、当期の連結財務指標は、ROA(総資産利益率)が3.1%(中期目標;5.5%以上)、経常利益430億円(中期目標900億円以上)、フリーキャッシュフローについて2,854億円(中期目標;3年間4,000億円)、また、借入金残高13,191億円(中期目標12,000億円)となり、厳しい事業環境下にもかかわらず順調に成果をあげております。
 今後のわが国経済は、個人消費の低迷の長期化に加え、民間設備投資にも減少傾向が見え始め、景気のさらなる悪化が予想されます。海外におきましても、米国経済が急速に落ち込み、景気に陰りが見え始めたアジア経済も韓国を中心に一層減速感が強まるなど、世界的に経済の減速が鮮明になると思われます。
 今後の事業環境につきましては、景気の悪化に加え、経済のグローバル化・ボーダーレス化が予想を超えたスピードで進行し、国境を越えた企業の大規模な合併や提携が相次ぎ、国際マーケットでの企業間の競争はかつてないほど激しいものになることが予想されます。こうした大競争時代にあっては、国際マーケットでのコスト競争力の優位性および顧客ニーズへの対応力が勝敗を決することとなります。
 このような認識に立ち、当社は、次項の「決算期後の状況」で詳しく述べますように、川崎製鉄株式会社との経営統合を決断いたしました。加えて、当社、川崎製鉄株式会社およびティッセン・クルップ・スティール株式会社は、三社間でのグローバルな戦略提携の構築に向けて検討を開始することを合意いたしました。当社は、従来よりティッセン・クルップ・スティール株式会社の普通鋼部門子会社との間で、自動車用鋼材分野を中心に提携交渉を進めておりましたが、本合意により、川崎製鉄株式会社の新たな参画を得た三社での国際的な協力関係を築くことで、対象分野の拡大を図り、需要家に一層高度なサービスを提供することを狙いとしております。
 当社およびグループ各社は、「グループ中期経営計画」の目標達成に引き続き注力するとともに、川崎製鉄株式会社との経営統合ならびにグローバル戦略提携を早期に実現し効果を最大限に発現することに全力を尽くしてまいりますので、株主の皆様の一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。


決算期後の状況

 川崎製鉄株式会社との経営統合について
 当社は、本年4月に川崎製鉄株式会社と全面的な経営統合を行うことについて基本的に合意いたしました。両社は、昨年4月の四製鉄所間の三分野(物流・補修・購買)における協力の検討開始以降、協力関係の深化・拡大を図ってまいりましたが、昨今の世界規模での需要業界を含めた再編の進行、グローバル調達の拡大という事業環境の中で、従来にも増して高度化する顧客ニーズに応えた商品・サービスの提供を求められております。
 この経営統合は、両社の強固な営業基盤、高度な技術力、最強・最効率の製鉄所を活かした最高水準の競争力をもとに、堅固な収益基盤を確立し、21世紀のエクセレントカンパニーを目指すためのものであります。

 統合の基本理念は以下のとおりであります。

  1. 顧客ニーズへの世界規模での対応力強化
  2. 株主、資本市場からの高い評価の獲得
  3. 従業員にとって魅力に富み働きがいのある職場の提供
  4. 地球環境、地域社会への貢献
 両社は、株主の皆様および関係当局の承認を前提に、対等の立場で全面的な経営統合を行います。統合の概要は以下のとおりであります。
  1. 基本スキームおよびスケジュールにつきましては、第1ステップとして平成14年10月を目処に両社は株式移転により共同持株会社を設立し、その傘下に入り、第2ステップとして平成15年4月を目処に持株会社傘下の両社を事業別会社に再編いたします。
  2. 持株会社の名称・所在地・代表者等の基本事項につきましては、今後、両社協議のうえ決定いたします。
  3. 共同持株会社設立に際して発行される株式の割当比率につきましては、外部機関の評価を踏まえて、両社協議のうえ決定いたします。
現在、経営統合を円滑に進めるための諸事項および統合効果を最大限発揮させる方策につきまして、統合推進委員会および各部会において鋭意検討中であります。


会社概要

創立    明治45年6月8日
資本金  233,731,666,923円(平成13年3月31日現在)
従業員  10,702名(平成13年3月31日現在)
(注)  1)  出向者5,837名は含んでおりません。
2)  3月31日付退職者は含んでおりません。なお、同日付退職者を含んだ従業員数は、10,830名となっております。
3)  当社を含む国内グループ会社の従業員数は、31,565名となっております。



主要営業品目

鉄鋼事業 条 鋼 棒鋼,レール,鋼矢板,H形鋼,形鋼
鋼 管 継目無鋼管,鍛接鋼管,電縫鋼管,角形鋼管,電弧溶接鋼管
鋼 板 厚鋼板,熱延薄鋼板,冷延薄鋼板,電磁鋼板,表面処理鋼板
銑鉄,半製品,スラグ製品,フェロアロイ,新素材
総合
エンジニ
アリング
事業
エネルギー
エンジニアリング
ガス・石油パイプライン,LNG・LPG低温タンクおよび各種タンク,
ケミカルプラント,地域冷暖房システム,ガスエンジン
環境
エンジニアリング
都市ごみ焼却炉・資源化リサイクル設備・ごみ汚泥溶融炉・
水処理設備等環境衛生施設,上下水道システム,浄水場施設,
産業廃棄物処理設備,量子機器,レジャー関連施設,発電システム
プラント
エンジニアリング
ミニミル関連設備,製銑・製鋼関連設備,冷延プロセスライン,
製鉄関連技術
鋼構造・
機械システム
橋梁・水門・ケーソン・建築鉄骨等鋼構造物,
クレーン・シールド掘進機・自動倉庫・物流センター・
立体駐車場等機械および装置,鋼製サイロ・
貯酒タンク等食糧プラント,舶用エンジン
船舶・海洋 撒積船,客船,砕氷船,油送船,LNG船,LPG船,艦艇,作業船,
その他各種船舶,船舶の修繕・改造工事,海底石油開発機器
その他
の事業
総合都市開発 都市開発,マンション分譲,レジャー施設運営
電子デバイス 半導体製品
総合リサイクル 使用済みプラスチックのリサイクル

(注) 電子デバイス事業につきましては、平成12年9月にLSI設計開発事業の営業譲渡を行い、当事業から撤退いたしました。



事業報告書のトップへ | 事業概況 | 業績の推移 | トピックス | 株式・役員 | 決算情報


  Copyright (C)2001  NKK Corporation.  All Rights Reserved.