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JFEホールディングス株式会社
 
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   2006年 5月 8日
JFEホールディングス株式会社
JFEエンジニアリング株式会社




  「らせん状の多角形カーボンナノチューブ」を世界で初めて発見
 

 JFEグループでは、独自開発したアーク放電方法によってほぼ純度100%のカーボンナノチューブ(以下、CNTと略称)が織りなす厚さ約100ミクロン(1ミクロンは、10-6m)のCNTテープの合成に3年前に世界で初めて成功し、その後、CNTテープ(以下、JFE-CNTと略称)の結晶構造や材料特性および基本的な発現機能(電子放出特性等)について、複数の研究機関と共同で検討を進めてきました。

 その結果、最近、信州大学工学部 遠藤守信教授との共同研究によって、JFE-CNTの構造がこれまで言われている円筒状の断面ではなく、その多くは6角形以上の多角形断面からなり、しかも長手方向にらせん状に捩れていることが明らかになりました(図1、図2を参照のこと)。この多角形断面構造は遠藤教授が約30年前に論文(注1)でその存在を発見していたものであり、今回世界で初めてらせん状の多角形CNTの存在を確認しました。

 JFE方式のアーク放電方法では、約3000℃以上の高温場でCNTが合成されるため高結晶性が得られるとともに、その後急冷されるため結晶に歪みが導入されることにより多角形構造が得られたものと推測しています。現在、世界で唯一のCNT構造だと思われます。

 この多角形で捩じりの構造が、特長あるCNT特性を引き出しています。代表的特長を挙げますと、
1) 優れた電子放出特性
CNTは直径が数〜数10ナノメートル(1ナノメートルは、10-9m)と極細であり、電界を印加すると電気力線が集中し電子を放出し易い性質を有しますが、JFE-CNTは高結晶性に多角形という形状効果が加わり(電子放出サイトが多くなると推定)、従来のCNTよりも数倍以上の電子放出のし易さがあります。また、実用的には電極チップとして加工する技術が必要ですが、基本的な加工・製造技術および評価技術については当グループにて既に確立・保有しています。
2) 高強度(材料の強さ)
良好な結晶性に捩れ構造が加わり、強さは鋼の約10倍、従来のCNTの数倍〜数十倍以上という非常に高い値が得られています。
3) 良好な分散性
分散性とは、アルコール等の溶媒中でCNTが凝集せずに、ほどけて均一に分布している状態を指し、樹脂等にCNTを均一混合させるときの重要な特性です。良好な分散性を得るための独自製造プロセスの開発に成功しています。

 このような知見を基に、提携各社および各研究機関にサンプル提供を行い、評価および用途開発を進めてきました。その結果、「電子放出、強度、分散」の何れの点でも高い評価を頂いています。また同時に、強みを発揮できる用途とその時に必要とされるCNT量も明らかになりつつあり、これら特性を活用したCNT用途開拓を多くの企業と提携あるいは共同研究を進めています。

 これら状況を踏まえ、JFEグループはこの度、この多角形ナノチューブを商品名「ナノコア」として商標出願し、主に電子放出および、コンポジット用途向けに試販売を開始しました。実績を積み重ね、本格販売へとステップアップして参ります。

図1・図2

以 上

(注1:論文) JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, VOL.16, NO.9, SEPTEMBER,1977 pp.1519-1523

<参考資料>
  本件に関し、この「多角形CNT(ナノコア)」の構造を明らかにし、現在共同研究にて特性評価を実施して下さいました信州大学工学部の遠藤守信教授より以下のコメントをいただいておりますのでご紹介申しあげます。

 今回得られた「多角形CNT」は、新たなCNTとして注目している。信州大学において特性試験を実施したところ、多方面に渡り良好な結果が得られており、特に「電界放出特性」に関しては、明らかにトップ性能が得られた。
  「多角形CNT」は、同心円状のCNTと異なり平面状を有したグラファイトの性質を併せ持つ物質のため、機械・電子機能も独特で従来得られなかった機能発現を生じるのであろう。まさにCNTの多様性を実現する新物質だ。
  さらに製造方法が、一般的な「CVD法」とは異なり、JFE固有の「アーク法」である点も、不純物が極めて少ないという点など、多角形CNTの存在性を高めている。多層チューブに対する期待が一層高まる中、本「多角形CNT」の可能性をさらに追い求めたいと思う。

 

本件に関するお問い合わせは、以下へお願いいたします。

JFEエンジニアリング(株) 総務部(広報担当) TEL:03−3217−2138
 
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