2008年9月29日
- 財団法人 JFE21世紀財団
- JFEホールディングス株式会社
「JFE21世紀財団」
2008年度 大学研究助成 交付研究の決定について
財団法人JFE21世紀財団(理事長:數土文夫 JFEホールディングス(株)取締役社長)は、1990年の設立以来、21世紀の鉄鋼産業の振興および豊かな生活文化の形成への貢献を目的とする諸活動を通じて、JFEグループの社会的貢献を担う財団として発展してまいりました。(「財団の概要」は下記参照)
このたび本財団は、主要活動の一つである大学研究助成事業において、2008年度の助成金交付対象となる40件の研究(アジア歴史研究10件、技術研究30件)を選定いたしました。1件あたり助成金額は、「アジア歴史研究助成」150万円、「技術研究助成」200万円で、助成金総額7,500万円となり昨年度より1450万円増額しています。来る12月1日にJFEスチール(株)本社において贈呈式を行う予定です。
「アジア歴史研究助成」は2005年度に事業をスタートし、今年4年目になります。近年経済の飛躍的発展で、発言権と存在感を増したアジア諸国と、21世紀に日本が共存共栄していくために、アジアの人々の「ものの考え方」や「価値観・世界観」を、それらの形成過程から理解することが必要であるとの目的意識で事業に取り組み、大学研究者のアジア歴史研究の発展に貢献することを目的としています。
「技術研究助成」は、「鉄鋼技術」と「地球環境・地球温暖化防止技術」に助成をしており、助成件数を昨年度より5件増やし30件としています。「鉄鋼技術」は、鉄鋼の製造プロセス・材料開発・鉄鋼関連技術を対象に15件を選定しました。また「地球環境・地球温暖化防止技術」は、従来の「環境技術」という名称を改めて、日本のみならず全世界で喫緊の課題である地球環境保全や地球温暖化防止に資する技術開発を研究助成の対象として同じく15件を選定しました。
本年4月から6月にかけて、日本の国公私立大学と国公立研究機関に属する研究者を応募資格者として公募を行った結果、「アジア歴史研究」では、40大学等57件(国公立18大学30件、私立21大学26件、国公立研究機関1件)、「技術研究」では、72大学等181件(国公立52大学153件、私立18大学23件、国公立研究機関5件)の応募が寄せられました。審査委員会(※)での厳正な審査・選考を経て今年度は40件(アジア歴史研究10件、技術研究30件)に対する研究助成金交付を決定しました。
なおこれにより、本財団による1991年度から2008年度までの大学研究助成における累計交付件数および助成金総額は、405件、8.01億円となります。
- (※)「アジア歴史研究助成審査委員会」
- 委員長:片倉もとこ氏(国立民族博物館名誉教授・国際日本文化研究センター名誉教授、本財団評議員)
- 委員:朱建榮氏(東洋学園大学教授)、染谷臣道氏(静岡大学名誉教授、比較文明学会会長)
- 「技術研究助成審査委員会」
- 委員長:今村晴幸氏(JFEスチール(株)代表取締役副社長)
- 委員:斯界の権威である大学教授・大学名誉教授6名とJFEグループ会社役員4名に委嘱(委員名は非公表)
2008年度・大学研究助成の交付研究(一覧)(五十音順、敬称略)
1.アジア歴史研究助成 10件
今年度は57件の応募があり、研究対象地域は中国・朝鮮半島等の東アジアが37件と大半でしたが、一方、西アジア・中央アジア・南アジア・東南アジア・北東アジア等その他地域を対象とする応募も増えました。本事業が助成対象とする「21世紀アジアに日本が共存・共栄するためのVision構築に資する研究」という趣旨に則り、今年度は下記10件(昨年度7件)を助成研究として選定しました。
- 王 雪萍 (関西学院大学 言語教育研究センター・常勤講師)
- 「1950年代に中国大陸に帰国した留日学生・華僑と日中関係」
- 神田 さやこ (慶應義塾大学 経済学部・准教授)
- 「アジアにおける世界貿易の拡大と取引制度の変容:市場・組織・アクターに関する歴史的検討」
- 菊池 秀明 (国際基督教大学 教養学部・教授)
- 「19世紀中葉の中国における社会変容と民族・宗教-太平天国運動を中心に」
- 後藤 乾一 (早稲田大学 大学院アジア太平洋研究科・教授)
- 「東アジア知識人・留学生間の知的交流史:1920年代『亜細亜公論』の史的意義」
- 島田 竜登 (西南学院大学 経済学部・准教授)
- 「後期アユッタヤー朝のアジア間貿易-オランダ東インド会社文書からの接近-」
- 白石 典之 (新潟大学 超域研究機構・教授)
- 「「草原の道」のルート復元によるユーラシア東西交渉史の基礎的研究」
- ティムール・ダダバエフ (筑波大学 人文社会科学研究科・准教授)
- 「ソ連時代の記憶:キルギスにおける画像資料化の試み」
- 柳橋 博之 (東京大学 大学院人文社会系研究科・准教授)
- 「イスラーム世界における法学派の権威に関する研究-「讃」を主たる資料として」
- 山田 昌久 (首都大学東京 大学院人文研究科・教授)
- 「多様性のなかの共生-初期農耕開始段階の日本列島と朝鮮半島」
- 李 恩民 (桜美林大学 リベラルアーツ学群・教授)
- 「日中歴史和解プロセスの基礎的研究:花岡和解を事例に」
2.技術研究助成 計30件
今年度は181件の応募がありました。今年度から従来の「環境技術研究」を「地球環境・地球温暖化防止技術研究」と改め助成対象研究の方向を明示しました。また今年度から、「鉄鋼技術研究」と併せて合計助成件数を5件増やし30件としました。
(1)「鉄鋼技術研究」 15件
応募された研究テーマ別内訳は、鉄鋼プロセス9件、鉄鋼材料23件、鉄鋼関連技術20件でした。これらから鉄鋼プロセス研究4件、鉄鋼材料研究9件、鉄鋼関連研究2件の15件を選定しました。
- 足立 吉隆((独)物質・材料研究機構 材料ラボ融合領域研究グループ・主幹研究員)
- 「3D/4Dサイエンスが切り開く構造材料の信頼性向上」
- 及川 勝成(東北大学 大学院工学研究科・准教授)
- 「鉄鋼材料中に生成する硫化物に関する相平衡と熱力学データベースの構築」
- 大木 章(鹿児島大学 工学部生体工学科・教授)
- 「コークス化性を考慮した高硫黄石炭の微生物脱硫」
- 河原 吉伸(東京工業大学 大学院情報理工学研究科・GCOE研究員)
- 「機械学習理論に基づく鉄鋼プロセスにおける異常検知と異常因子同定」
- 小西 宏和(大阪大学 大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻・助教)
- 「アンモニア水溶液を用いた鉄・銅混合廃棄物からの銅の選択的分離・回収法の開発」
- 今野 豊彦(東北大学 金属材料研究所先端分析研究部・教授)
- 「回復・再結晶過程における転位分布の高精度三次元可視化技術の開発」
- 崎野 良比呂(大阪大学 接合科学研究所・助教)
- 「レーザピーニングによる高張力鋼リブ溶接部の疲労強度向上効果の検証」
- 柴田 浩幸(東北大学 多元物質科学研究所・准教授)
- 「界面物性制御による非金属介在物粒子のガス・溶鋼・凝固シェル界面における運動制御」
- 鈴木 進補(大阪大学 産業科学研究所・准教授)
- 「マクロ形態とミクロ組織を制御したポーラス炭素鋼の作製と特性」
- 土田 紀之(兵庫県立大学 大学院工学研究科・准教授)
- 「TRIP鋼の高速変形挙動の解明と加工誘起変態の温度・ひずみ速度依存性」
- 林 重成(北海道大学 大学院工学研究科材料科学専攻・准教授)
- 「鋼の高温酸化スケールの密着性におよぼす鋼中トランプエレメント元素の影響」
- 伏見 公志(北海道大学 大学院工学研究科・准教授)
- 「高面分解能フロー型キャピラリー微小セルによる材料表面局部の電気化学」
- 丸岡 伸洋(東北大学 多元物質科学研究所・助教)
- 「水素製鉄実現のための不純物元素のメタル-スラグ間分配」
- 丸山 俊夫(東京工業大学 大学院理工学研究科材料工学専攻・教授)
- 「高温酸化により耐熱鋼の表面に生成する皮膜の保護性の迅速測定」
- 吉野 雅彦(東京工業大学 機械制御システム専攻・教授)
- 「金属材料の結晶構造を正確に制御するための材質予測制御法の検討」
(2)「地球環境・地球温暖化防止」 15件
応募された研究テーマの内訳は、地球環境保全41件、地球温暖化防止64件、環境材料等24件でした。これらから、地球環境保全4件、地球温暖化防止9件、環境材料等2件を選定いたしました。
- 磯部 敏宏(東京工業大学 大学院理工学研究科・特任助教)
- 「CO2ガス分離フィルタの作製とガス透過特性に関する研究」
- 井上 亮(東北大学 多元物質科学研究所・准教授)
- 「二酸化炭素の高速隔離プロセスの開発」
- 今井 剛(山口大学 大学院理工学研究科・教授)
- 「高濃度溶解気体による低コスト・薬品無使用・オンデマンド型飲用水消毒方法の開発」
- 岡田 至崇(東京大学 先端科学技術研究センター・准教授)
- 「高効率量子ドット超格子太陽電池の基礎技術開発」
- 岡本 浩明(山口大学 大学院理工学研究科・准教授)
- 「フッ素系有機ゲル化剤を基盤とした地球温暖化ガスの固定化技術の開発」
- 岸本 昭(岡山大学 大学院自然科学研究科・教授)
- 「照明を代替する発光ダイオード用AlN放熱基板のミリ波焼結」
- 近藤 勝義(大阪大学 接合科学研究所・教授)
- 「Thermal Managementの実効に向けた孤立単分散CNT-銅複合材料の開発」
- 白井 康裕((独)物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点・研究員)
- 「垂直p-n界面制御による有機薄膜太陽電池の高効率化」
- 高橋 由紀子(長岡技術科学大学・産学融合特任准教授)
- 「ppbレベルのカドミウムイオン現場分析用ナノコンポジット保持膜の開発」
- 陳 中春(東北大学 大学院工学研究科金属フロンティア工学専攻・准教授)
- 「鉄鋼工場廃熱発電用高性能熱電変換材料の創製」
- 中村 祐二(北海道大学 大学院工学研究科・准教授)
- 「DME(ジメチルエーテル)と廃熱の組み合わせによる触媒に依存しない新規水素改質システムの開発」
- 中本 将嗣(大阪大学 大学院工学研究科・特任助教)
- 「液中浮遊液滴形状からの液-液界面張力の測定」
- 松本 健俊(大阪大学 産業科学研究所・助教)
- 「半導体製造プロセスのグリーン化」
- 宮崎 譲(東北大学 大学院工学研究科応用物理学専攻・准教授)
- 「固相イオン交換法を用いた次世代マグネシウムイオン電池正極材料の開発」
- 行本 正雄(中部大学 工学部機械工学科・教授)
- 「海洋バイオマスを製鉄プロセスで利用する炭素循環プロセスの開発」
「JFE21世紀財団」概要
- 名称:財団法人JFE21世紀財団
- 設立:1990年12月(旧川崎製鉄(株)が、創立40周年を記念して設立)
- 主務官庁:経済産業省
- 資産:25.7億円(内 基本財産20.2億円)(2008年3月現在)
- 事業(2008年度)事業費:1.2億円
- 大学研究助成(アジア歴史研究助成、技術研究助成)
- 鉄鋼に縁のある地域への貢献
①地域イベントへの協賛
②「海外子女文芸作品コンクール」協賛と優秀作品文集の小中学校への寄贈
- 情報の収集および提供:各種財団出版物と新「大学教材-鉄鋼工学」の寄贈
- 運営/組織
| 理事長 |
數土文夫 |
JFEホールディングス(株)代表取締役社長 |
| 専務理事 |
山﨑敏邦 |
JFEホールディングス(株)代表取締役副社長 |
| 理事 |
浅井滋生 |
名古屋大学名誉教授、JSTイノベーションプラザ東海館長 |
| 宇野郁夫 |
日本生命保険相互会社代表取締役会長 |
| 新野幸次郎 |
元神戸大学学長、(財)神戸都市問題研究所理事長 |
| 半明正之 |
JFEスチール(株)相談役 |
| 吉川 洋 |
東京大学教授 |
| 吉國一郎 |
元内閣法制局長官、元日本電信電話(株)特別顧問 |
| 監事 |
谷上和範 |
公認会計士、新日本監査法人代表社員 |
| 林田英治 |
JFEホールディングス(株)代表取締役専務執行役員 |
| 評議員 |
石井邦宜 |
北海道大学名誉教授 |
| 江本寛治 |
JFEホールディングス(株)相談役 |
| 片倉もとこ |
国立民族博物館名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授 |
| 岸本純幸 |
JFEエンジニアリング(株)代表取締役社長 |
| 下垣内洋一 |
JFEホールディングス(株)相談役 |
| 杉田亮毅 |
(株)日本経済新聞社代表取締役会長 |
| 竹内弘高 |
一橋大学教授 |
| 田中昭二 |
東京大学名誉教授、超電導工学研究所名誉所長 |
| 中西元男 |
PAOS代表、早稲田大学広報室参与 |
| 馬田 一 |
JFEスチール(株)代表取締役社長 |
| 福島久哲 |
九州大学教授 |
| 山本寛斎 |
デザイナー・プロデューサー |