2009年10月01日
  • 財団法人 JFE21世紀財団
  • JFEホールディングス株式会社

「JFE21世紀財団」
2009年度 大学研究助成 交付研究の決定について

財団法人JFE21世紀財団(理事長:數土文夫 JFEホールディングス(株)代表取締役社長)は、1990年の設立以来、21世紀の鉄鋼産業の振興および豊かな生活文化の形成への貢献を目的とする諸活動を通じて、JFEグループの社会的貢献を担う財団として発展してまいりました。(「財団の概要」は下記参照)
 このたび本財団は、主要活動の一つである大学研究助成事業において、2009年度の助成金交付対象となる28件の研究(アジア歴史研究7件、技術研究21件)を選定いたしました。1件あたり助成金額は、「アジア歴史研究助成」150万円、「技術研究助成」200万円で、助成金総額5,250万円となります。
 来る12月3日にJFEスチール(株)本社において研究助成金贈呈式を行う予定です。

「アジア歴史研究助成」は2005年度に事業をスタートし、今年5年目になります。近年経済の飛躍的発展で発言権と存在感を増した中国、韓国、インド、西アジア等広範なアジア諸国と、21世紀に日本が共存共栄していくために、産業・通商交易・文化・社会の予見・展望を通してアジアの人々の「ものの考え方」や「価値観・世界観」を、それらの形成過程から理解することが必要であるとの目的意識で事業に取り組んでいます。この研究助成は、このような分野の大学研究者の研究を支援することを目的としています。
 「技術研究助成」は、「鉄鋼技術」と「地球環境・地球温暖化防止技術」に助成をしており、今年度は助成件数を21件としました。「鉄鋼技術」は、日本が世界をリードする先端技術として、また将来にわたり日本の基礎産業の主要材料であり続けるために「鉄鋼の製造プロセス・材料開発・鉄鋼関連技術」を対象に11件を選定し、「地球環境・地球温暖化防止技術」は、日本のみならず全世界で喫緊の課題である地球環境保全や地球温暖化防止に資する技術開発を対象として10件を選定しました。
 本年4月から6月にかけて、日本の国公私立大学と国公立研究機関に属する研究者を応募資格者として公募を行った結果、「アジア歴史研究」では、50大学等77件(国公立26大学44件、私立21大学30件、国公立研究機関3件)、「技術研究」では、62大学等192件(国公立49大学172件、私立10大学14件、国公立研究機関6件)の応募が寄せられました。審査委員会(※)での厳正な審査・選考を経て今年度は28件(アジア歴史研究7件、技術研究21件)に対する研究助成金交付を決定しました。
 なおこれにより、本財団による1991年度から2009年度までの大学研究助成における累計交付件数および助成金総額は、433件、8億5500万円となります。

(※)「アジア歴史研究助成審査委員会」
委員長:片倉もとこ氏(国立民族学博物館名誉教授・国際日本文化研究センター名誉教授、本財団評議員)
委員:朱建榮氏(東洋学園大学教授)、染谷臣道氏(静岡大学名誉教授、比較文明学会会長)
「技術研究助成審査委員会」
委員長:野村寛氏(JFEスチール(株)代表取締役副社長)
委員:斯界の権威である大学教授・大学名誉教授6名とJFEグループ会社役員4名に委嘱(委員名は非公表)

2009年度・大学研究助成の交付研究(一覧)(五十音順、敬称略)

1.アジア歴史研究助成 7件

今年度は77件の応募があり、研究対象地域は中国・朝鮮半島等の東アジアが45件と大半でした。一方、アジアの広い地域をカバーするもの、西アジア・東南アジア・北東アジア等その他地域を対象とする応募も増えました。本事業が助成対象とする「21世紀アジアに日本が共存・共栄するためのVision構築に資する研究」という趣旨に則り、今年度は下記7件を助成研究として選定しました。

川端 基夫 (龍谷大学 経営学部・教授)
「アジアにおける流通国際化の百年史:小売資本の越境プロセスと消費市場形成」
辻 明日香  (東京大学 東洋文化研究所・助教)
「14世紀エジプトにおけるムスリム・コプト関係の展開:コプト聖人の活躍を中心に」
福澤 勝彦  (長崎大学 経済学部・教授)
「中国を中心としたアジア貿易の変化が中国及び日本を含む周辺国の雇用に与える影響」
水羽 信男 (広島大学 大学院総合科学研究科・教授)
「近代中国「民間社会」史再考──日本との比較から」
熊 達雲 (山梨学院大学 法学部・教授)
「清末民初における日本人法律顧問と中国法制近代化への寄与について~松岡義正、志田鉀太郎と大清民律の編纂事業を中心にして~」
吉原 直樹 (東北大学 大学院文学研究科・教授)
「海外日本人コミュニティの変遷と脱ナショナリティのゆくえ」
李 鍾元 (立教大学 法学部・教授)
「東アジア冷戦と地域主義の交錯―日韓国交正常化と台湾ファクター」

2.技術研究助成  計21件

今年度は合計192件の応募がありました。助成対象研究は、「鉄鋼技術研究」と「地球環境・地球温暖化防止技術研究」の2分野です。今年度は下記のようにそれぞれ11件と10件の研究を選定し、合計助成件数21件としました。

(1)「鉄鋼技術研究」 11件

応募された研究テーマ別内訳は、鉄鋼プロセス17件、鉄鋼材料35件、鉄鋼関連技術21件の合計73件でした。これらから鉄鋼プロセス研究3件、鉄鋼材料研究5件、鉄鋼関連研究3件の計11件を選定しました。

植田 滋(東北大学 多元物質科学研究所・助教)
「サブミクロン酸化鉄のRedox反応を利用した高速還元体の製造」
大野 光一郎(九州大学 大学院工学研究院材料工学部門・助教)
「炭素結晶性の制御による鉄の浸炭溶融反応高効率化」
片山 英樹((独)材料・材料研究機構 材料信頼性萌芽ラボ・主任研究員)
「非接触型表面電位測定による塗膜下腐食の非破壊定量評価法の検討」
佐々木 勝寛(名古屋大学 大学院工学研究科量子工学専攻・准教授)
「電子線エネルギー損失分光による材料中の軽元素分布の動的可視化」
須佐 匡裕(東京工業大学 大学院理工学研究科材料工学専攻・教授)
「溶融金属用電気抵抗率簡易測定法の開発」
月橋 文孝(東京大学 大学院新領域創成科学研究科物質系専攻・教授)
「脱りんプロセスにおける2CaO・SiO2-3CaO・P2O5固溶体の生成反応機構」
辻 伸泰(京都大学 大学院工学研究科材料工学専攻・教授)
「巨大ひずみを必要としない加工熱処理による複相超微細粒鋼の創製」
沼倉 宏(大阪府立大学 大学院工学研究科物質・化学系専攻・教授)
「鉄中の固溶炭素・固溶窒素とクロムの相互作用」
森田 辰郎(京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科機械システム工学部門・准教授)
「アルミ合金/鉄鋼材料摩擦攪拌接合材の実用化」
吉田 佳典(岐阜大学 工学部機械システム工学科・准教授)
「超軽量中空鋼球接合体の変形挙動解析手法開発およびクラスタ構造の最適化」
脇 裕之(大阪電気通信大学 工学部機械工学科・准教授)
「レーザスペックルによる遮熱コーティング耐熱鋼の高温疲労破壊過程の解明と長寿命化」

(2)「地球環境・地球温暖化防止研究」 10件

応募された研究テーマの内訳は、地球環境保全45件、地球温暖化防止54件、環境材料等20件の119件でした。これらから、地球環境保全3件、地球温暖化防止5件、環境材料等2件の計10件を選定いたしました。

安住 和久(北海道大学 工学研究科物質化学専攻・教授)
「金属ナノ微粒子修飾酸化タングステンを用いた安価な光触媒の開発」
大貝 猛(長崎大学 工学部材料工学科・准教授)
「半導体ナノワイヤー配列型太陽電池を搭載した機能性アルミめっき表面処理鋼板の開発」
酒井 道(京都大学 大学院工学研究科電子工学専攻・准教授)
「水中太陽電池セルによる水素発生技術の確立と溶解二酸化炭素処理への応用」
坂本 渉(名古屋大学 エコトピア科学研究所・准教授)
「環境低負荷型プロセスによるリン酸鉄リチウム/導電性高分子複合微粒子の合成と評価」
佐々木 剛(東京海洋大学 海洋科学部海洋政策文化学科・准教授)
「海への鉄イオン供給による海中林再生の研究」
鈴木 基史(京都大学 大学院工学研究科マイクロエンジニアリング専攻・准教授)
「波長選択機能を有する熱光起電力発電用赤外線源の開発」
土居 克実(九州大学 大学院農学研究院遺伝子資源工学部門・講師)
「バイオミネラリゼーションを利用した地熱資源の有効利用基盤の創成」
中垣 隆雄(早稲田大学 創造理工学部総合機械工学科・准教授)
「電気化学的部分酸化による排熱のエクセルギー再生に関する研究」
吉村 悦郎(東京大学 大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻・教授)
「スサビノリの鉄獲得機構の解明」
渡部 弘達(東京工業大学 大学院理工学研究科機械制御システム専攻・助教)
「バイオマスの熱分解過程におけるタールの局所生成メカニズムの解明」

「JFE21世紀財団」概要

名称:
財団法人JFE21世紀財団
設立:
1990年12月(旧川崎製鉄(株)が、創立40周年を記念して設立)
主務官庁:
経済産業省
資産:
21.4億円(内 基本財産16.7億円) (2009年3月末)
事業(2009年度):
事業費:8000万円
  1. 大学研究助成(アジア歴史研究助成、技術研究助成)
  2. 鉄鋼に縁のある地域への貢献
     ①地域イベントへの協賛
     ②「海外子女文芸作品コンクール」協賛と優秀作品文集の小中学校への寄贈
  3. 情報の収集および提供: 各種財団出版物の寄贈
運営/組織:
理事長 數土文夫 JFEホールディングス(株)代表取締役社長
専務理事 若林公平 JFEホールディングス(株)代表取締役副社長
理事 浅井滋生 名古屋大学名誉教授、JSTイノベーションプラザ東海館長
  新野幸次郎 元神戸大学学長、(財)神戸都市問題研究所理事長
  半明正之 JFEスチール(株)相談役
  福島久哲 九州大学教授
  前田正史 東京大学教授
  山﨑敏邦 JFEホールディングス(株)監査役
  吉川 洋 東京大学教授
監事 谷上和範 公認会計士、新日本監査法人代表社員
  林田英治 JFEスチール(株)代表取締役副社長
評議員 石井邦宜 北海道大学名誉教授
  片倉もとこ 国立民族学博物館名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授
  岸本純幸 JFEエンジニアリング(株)代表取締役社長
  杉田亮毅 (株)日本経済新聞社代表取締役会長
  竹内弘高 一橋大学教授
  田中昭二 東京大学名誉教授、超電導工学研究所名誉所長
  中西元男 PAOS代表、早稲田大学広報室参与
  馬田 一 JFEスチール(株)代表取締役社長
  山本寛斎 デザイナー・プロデューサー

以上

本件のお問い合わせは下記にお願い致します。
財団法人 JFE21世紀財団          Tel. 03-3217-3033
JFEホールディングス(株)総務部広報室  Tel. 03-3217-4030