1997年5月29日

川崎製鉄株式会社



太陽電池用原料シリコン事業への進出について

 川崎製鉄はこのたび、太陽電池用原料シリコン事業に着手することを決定いたしました。

 現在川崎製鉄は、NEDOと太陽電池原料技術研究組合との共同研究の枠組みのもとで量産化技術の開発に取り組んでいるところです。開発の中心である脱リン、脱ボロン工程の開発は99年までには成果が得られる見込みであり、この成果を確認次第同工程の建設に着手いたしますが、太陽電池用原料シリコンの不足が太陽電池の普及を制約する懸念が高まっていることもあるため、97年7月より事業用設備の基礎・周辺工事を進め、研究成果を短期間に太陽電池用原料シリコン供給に活用できるようにいたします。

 今回決定した事業計画では、水島製鉄所内に太陽電池用原料シリコンの工場を新設し、上記量産実験の進展の程度にもよりますが、99年度中に年間300トン程度の生産体制を整え、早期に600トン程度まで拡大する予定です。

 600トンの設備立ち上げ後は、需要動向をみつつ能力を拡大し、2005年頃には国内外あわせ年間3000トン程度の生産・販売体制を整えることを検討目標としております。製品は太陽電池に使用する再溶解用原料シリコンと多結晶基板(ウエファー)とし、売上は当初40〜80億円、将来は300億円程度と見込んでおります。

 また、事業を推進していくために、97年7月に太陽電池原料事業推進部を設け、事業の準備および工場建設に着手いたします。

以上



(参考)背景説明

 川崎製鉄は1985年、 サンシャイン計画に基づくNEDOからの受託研究として太陽電池用原料シリコンの開発をスタートし、さらにニューサンシャイン計画を経て、現在国の補助金を受けたNEDOと太陽電池原料技術研究組合の共同研究の枠組みのもとで、太陽電池用原料シリコンの量産化技術の開発を行っております。

 一方、太陽電池市場は最近急速に拡大しておりますが、原料は半導体用高純度シリコンの規格外品および半導体産業からのスクラップシリコンに依存しているため供給に制約があり、太陽電池の普及拡大を阻害する懸念が高まっております。また、太陽電池用原料シリコンとして半導体用高純度シリコンを使用することは可能ですが、太陽電池製品価格を上昇させてしまいます。

川崎製鉄の技術は、粗原材料である金属シリコンから冶金的方法により精製を行い、純度99.9999%のシリコンインゴットを生産するもので、このインゴットをスライスすることにより、多結晶太陽電池用基板とすることができます。この方法は半導体用高純度シリコンの生産方法に比べ低コストで生産できるため、現在の結晶シリコン系太陽電池の原料制約解消に貢献し、多結晶太陽電池の価格引き下げも可能となります。

本件に関する問い合わせ先

川崎製鉄(株) 総務部 広報室 03−3597−3161