19971126
川崎製鉄株式会社
 

川鉄サーモセレクト方式による廃棄物ガス化溶融事業への進出について

 

川崎製鉄は、このたびスイスのサーモセレクト社から廃棄物ガス化溶融技術の導入を行い、川鉄サーモセレクト方式として、次世代型の廃棄物処理プラント事業に進出し、環境事業のさらなる拡大を目指すことといたしました。
当社はガス化溶融技術について、これまで製鉄技術の活用による自社開発を手がけるとともに、内外の先進技術についても種々の調査・研究を進めてまいりました。そうした中でサーモセレクト社の当該技術が全ての面でもっとも優れていると判断し、今回技術導入に踏み切ることとしたものです。

川鉄サーモセレクト方式は次のような画期的な特長を有しております。

・地球環境への影響を極限まで削減します。
(ダイオキシンは厚生省新基準
0.1ng-TEQNm3の約1/100を達成します)

発生ガスは、摂氏1200度で4秒以上という高温での処理と急速冷却により、ダイオキシン発生をほぼゼロに押さえることができます。これは従来の方式が発生したガスを燃焼し、熱回収後の排ガス中に含まれるダイオキシンを除去するのに対し、ダイオキシン発生そのものを抑制すると言う点でまさに画期的と言えます。
また、従来プロセスに比べ塩化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物などの有害物質の排出量を大幅に低減できます。
この発生ガスは清浄度の高い燃料ガスであり、施設内で活用する場合でもバーナーで完全燃焼できるため、従来の清掃工場のシンボルであった大型の煙突はまったく不要となり従来イメージを払拭します。
処理水も循環再利用システムの採用により、系外に排出されることはありません。 

ダイオキシン排出量の比較

処理方法
排ガス発生量/ごみトン
ダイオキシン濃度/Nm3
負荷量 μg/ごみトン
従来型焼却炉5,000Nm3 0.1ng-TEQ0.5
川鉄サーモセレクト方式 2,100Nm30.0012ng-TEQ 0.0025

*従来型焼却炉は新基準を達成したものとして試算。
*川鉄サーモセレクト方式は、発生した清浄ガスを燃焼させた時の実機プラントでの実績値。

・廃棄物は完全に再資源化されます。

熱分解溶融一体型プロセスでの摂氏1600〜2000度という高温処理によって、廃棄物は清浄な燃料ガス、路盤材等に利用可能なスラグおよびリサイクル可能な金属類、工業塩等に再資源化されます。これは、焼却灰減容化を目的とした従来の溶融を超えた技術と言えます。
このような廃棄物を原料としリサイクルを徹底したガス発生装置は初めてのプロセスですが、このガスは石炭ガスに近い組成を持ち、高効率のガス発電や工業燃料、化学原料などに幅広く活用する事ができます。

・あらゆる廃棄物の処理が可能です。

川鉄サーモセレクト方式はあらゆる廃棄物の処理が可能であり、通常の一般廃棄物や産業廃棄物はもちろん、医療廃棄物やシュレッダーダスト、下水汚泥などの処理にも適用できます。
今後、廃棄物の分別が進む中でリサイクルが一層進展すると考えられますが、川鉄サーモセレクト方式は分別やリサイクルが困難な廃棄物についても、無害化、再資源化を実現します。

・コストミニマムを実現します。

廃棄物の持つエネルギーで固形物を溶融するため、新たな熱源を必要としません。
また、廃棄物を圧縮し熱分解することと反応に純酸素を使用する事により、発生ガス量が大幅に減るため、プラントがコンパクトになります。
熱分解炉と竪型高温反応器が一体化していること、大型の煙突が不要なことから、設備がシンプルでメンテナンス性が向上します。建設スペースは従来の焼却・溶融方式の
70%以下となります。

川鉄サーモセレクト方式は、イタリア北部のピアモンテ州ベルバーニャ市フォンドトチェ行政区で、既に100トン/日の設備が自治体から廃棄物を受託して1994年より順調に稼動している他、環境基準の厳しいドイツやスイスでも現在3ヵ所で建設中です。
・カールスルーエ市(ドイツ) :300トン/日×3基 1998年稼動予定
・アンスバッハ市(ドイツ) :300トン/日×1基 1999年稼動予定
・テシノ州(スイス) :300トン/日×2基1999年稼動予定

川崎製鉄は、サーモセレクト社と日本、中国、台湾における独占的技術導入契約を結び、川鉄サーモセレクト方式による一般廃棄物および産業廃棄物の処理プラントとして製造販売を行う他、上記各国でのサブライセンスの供与も積極的に行っていく方針です。
日本では、1998年度中に、千葉ないし水島のいずれかの製鉄所内に150トン/日の実証設備を建設する予定です。新技術の導入においては、実証設備から実機にスケールアップする際に種々のトラブルが発生することがありますが、イタリアでの実機稼動実績を鑑み、少しでも導入速度を速め1日も早く優れた技術を提供するために思い切って実機規模の設備を最初から建設することとしたものです。
建設完了後、1999年度中に、一般廃棄物および産業廃棄物についての実証試験を行い、一般廃棄物処理施設としては、2000年からの商談・受注をめざします。
なお、実証試験終了後は、老朽化の進んでいる製鉄所内の産業廃棄物処理施設の代替とするとともに、製鉄所内で使用する燃料ガスの発生装置としても活用する予定です。
川崎製鉄は水処理プラント事業のほか、廃棄物処理プラント事業として既にRDF(ごみ固形燃料)化プラント、ごみ焼却プラント、焼却灰等のプラズマ式溶融プラントなどを製造、販売しております。今後はこれらに加え、川鉄サーモセレクト方式を用いた次世代型廃棄物処理プラントの製造販売、および廃棄物処理受託・リサイクル諸事業を積極的に拡大し、地球環境を守るという鉄鋼業の社会的責任を追求していく所存です。 

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本件に関する問い合わせ先

川崎製鉄(株) 総務部 広報室 03−3597−3161