1998年7月28日

川崎製鉄株式会社

RITEと川崎製鉄、
「廃プラスチックの脱塩素・微粉化技術の開発」で工業化を目指す
−塩化ビニル類を分別せずに同時に処理−

川崎製鉄(株)は、塩化ビニル類を含む廃プラスチックの脱塩素処理に関する基本技術を確立し、今回(財)地球環境産業技術研究機構[RITE]の技術開発促進事業(*)に参加して、「脱塩素・固化技術による微粉炭代用製品への廃プラスチック転換技術の開発」に関して、共同開発を開始いたしました。平成10〜12年度の3年間の予定で実用化レベルの操業技術と設備技術の開発を目指します。

*RITEの技術開発促進事業
民間企業が実施している地球環境保全関係の技術開発を促進するため、平成2年度に通商産業省で創設された制度で、民間企業とRITEが事業費を1/2ずつ負担することにより、共同して技術開発を実施するもの。

[開発の狙い]

我が国では、現在年間約660万トンの廃プラスチックが単純焼却や埋立処分されておりますが、焼却の場合は炭酸ガスやダイオキシン排出の問題が、一方埋立の場合は自然環境の破壊や動植物への悪影響ならびに処分場の枯渇化等の問題が顕在化してきております。

これらの問題に対処すべく平成9年4月に容器包装リサイクル法が施行されてペットボトルに適用され、平成12年4月からはすべてのプラスチック容器・包装材のリサイクル利用が義務づけられます。

廃プラスチックのリサイクル技術としてマテリアルリサイクル、油化、高炉還元剤、ガス化などが検討されておりますが、なかでも高炉還元剤がもっとも経済的といわれております。高炉還元剤としてのリサイクルは塩化ビニル類以外の産業廃棄物系プラスチックを対象に実機レベルで実施されておりますが、塩化ビニル類を含む一般廃棄物系プラスチックでは、約8%含まれている塩化ビニル類の処理が大きな課題であり、分別処理後にキルンなどで脱塩素する技術が開発段階にあります。

これに対し本開発では、従来技術では分別処理されていた塩化ビニル類を含む廃プラスチックを同時に処理し、経済的に脱塩素して高炉還元剤など微粉炭代替としてリサイクル利用する技術の開発を目標とします。

一方、昨年の地球温暖化防止京都会議を契機として(社)日本鉄鋼連盟は、2010年の鉄鋼業のエネルギー消費量を1990年に対して11.5%削減する「鉄鋼業の環境保全に関する自主行動計画」を策定いたしましたが、この中で「高炉等による廃プラスチックの有効利用」で1.5%削減する目標を設定しております。 本開発は同計画の推進にも寄与するものと考えております。


[開発内容]

一般廃棄物に含まれるプラスチック中の塩化ビニル類の含有率は約8%と推定されます。

これらの廃プラスチックから最小限の前処理を行ったあと、塩化ビニル類を選別せずに特殊な処理で有害な塩素を除去すると同時に、得られた脱塩素樹脂を粉砕性の優れた微粉炭代用製品に再製品化するプロセスとその製造設備の開発を行います。

開発技術の内容としては次の3課題とそれらの連続化プロセスの開発ならびに実機の設計から構成されます。

1 受入一般廃棄物系プラスチックの最小限の事前処理技術

2 一般廃棄物系プラスチックからの異物除去・脱塩素・固化・粉砕技術

3 微粉炭代用製品の高炉吹込技術とその装置



[本技術の特徴]

1 廃プラスチック中の塩化ビニル類を分別回収することなく、同時に処理が可能

2 廃プラスチック中の異物(金属片、木片、紙、砂、等)除去が容易

3 脱塩素固体は容易に微粉化し易い。従って高炉への吹込も可能

4 塩素は塩酸として回収し、鋼板等の酸洗剤として利用可能



[地球環境への貢献]

本技術を実用化することにより、現在単純焼却や埋立処分されている年間約660万トンの廃プラスチックの有効利用が可能となり、

  • 炭酸ガスやダイオキシン排出の大幅な削減
  • 自然環境の破壊や動植物への悪影響ならびに処分場の枯渇化の解消

が実現いたします。

 

以上

本件に関するお問い合わせ先
川崎製鉄株式会社 総務部広報室 03−3597−3166