平成10年8月20日
清水建設株式会社
シャープ株式会社
川崎製鉄株式会社

産業施設を中心に、さまざまな施設に適用できる
『建材一体型太陽光発電システム』を共同開発
〜景観への配慮と建築デザイン性を重視〜

 清水建設(株)<社長 今村治輔>、シャープ(株)<社長 町田勝彦>、川崎製鉄(株)<社長 江本寛治>の3社はこのほど、工場、倉庫、オフィスなどの各種産業施設向けに、景観への配慮と建築デザイン性を重視した『建材一体型太陽光発電システム』を共同開発しました。発注者や設計者からの建築デザインを中心とした多様なニーズに的確に対応するため、「フラットルーフ型太陽光発電システム」、「スクリーン型太陽光発電システム」、「採光型太陽光発電システム」の3つのタイプを取り揃えています。

 太陽光発電は、地球温暖化防止や環境保護に貢献する技術です。現在、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や新エネルギー財団(NEF)などが補助制度を設けて普及に努めており、このほど公共施設と戸建住宅に限られていた助成の対象が産業施設にも拡大されました。また、通産省の「新エネルギー導入大綱」では、2010年の太陽光発電の導入目標を500万kw(96年度実績5.7万kw)と設定するなど、今後、急速に普及していくことが予測されます。
 このような中、産業施設向けの太陽光発電システムにおいては、発電性能の向上と併せ、景観や建築デザインとの調和を求めるニーズが強まってきています。
 そこで3社は、太陽電池モジュール(※1)そのものを屋根材や外壁材としても使えるようにして、景観や建築デザインとの調和を図った『建材一体型太陽光発電システム』を共同開発したものです。開発にあたっては、清水建設が太陽電池モジュールを建材として使うための技術開発、シャープが太陽電池モジュールの開発、川崎製鉄が電気システムの開発などをそれぞれ担当しました。

 3つのシステムの概要は以下の通りです。

「フラットルーフ型太陽光発電システム」

 大規模設置に適した屋上設置型のシステムです。建物と一体化させるため、太陽電池モジュールを屋上床面にフラットに設置できるようにしています。この結果、太陽電池モジュールが建物から突出することがなく、最大のメリットである景観や建築デザインとの調和を図ることができました。
 そのほかにも、約30度の傾斜で屋上に設置していた従来方式に比べ、

(1)強固な鉄骨架台やその基礎が不要となり、しかもユニット化施工できるため、施工性が向上する
(2)屋上床面全体に設置できるので、受光面積が約30%拡大する
(3)1m2あたりの重量が従来方式の約1/2の20kgと軽量なため、既存の建物にも容易に設置できる、
などのメリットもあります。

 ここで使用する太陽電池モジュールには、多結晶太陽電池セルを用いたタイプ(最大出力60w)と薄膜太陽電池を用いたタイプ(最大出力20w)とがあります。

「スクリーン型太陽光発電システム」

 太陽電池モジュールに屋上の設備機器を隠す目隠し壁としての機能ももたせたシステムです。従来の太陽電池モジュールとは異なり、フレームレスのすっきりとした構造とし、デザイン性を高めています。ここで使用する太陽電池モジュールは、多結晶太陽電池セルを用いたタイプ(最大出力35w)です。

「採光型太陽光発電システム」

 太陽電池セル(※2)を強化ガラスでサンドイッチした透光性のある構造になっており、軽快で斬新なデザインのガラス屋根として使用できます。また、玄関ひさしやキャノピーなどのガラス屋根で太陽光発電が行えるため、環境問題に取り組む企業姿勢もアピールできます。ここで使用する太陽電池モジュールは、単結晶太陽電池セルを用いたタイプ(最大出力60w)です。

 1m2あたりの発電性能は、汎用性が最も高い「フラットルーフ型太陽光発電システム」を例にとると、太陽電池モジュールに多結晶シリコンを組み込んだ場合で約110w/m2、薄膜シリコンの場合で約70w/m2です。また、設置費用は従来型の7〜8割程度で済む見込みです。

 3社は今後、『建材一体型太陽光発電システム』の商品化に向け、生産・販売体制などを早急に整備していく予定です。 

以 上

《参 考》
※1 太陽電池モジュール
 太陽光を電気に変換(発電)する単結晶あるいは多結晶シリコン太陽電池セルを、ガラス基板と保護フィルムの間に樹脂でサンドイッチ(ラミネート)したものや、ガラス基板に直接薄膜状シリコンを蒸着したものがあります。通常、アルミフレームで縁取りされています。

※2 太陽電池セル
 単結晶あるいは多結晶シリコン(ICやLSIに使われているシリコンと同じ材料)でつくられた発電体。大きさは約125ミリ角で、厚さは約0.3ミリ。

本件に関するお問い合わせ先
清水建設(株) 広報部 TEL:03-5441-1111
シャープ(株) 広報室 TEL:06-625-3006
東京広報室 TEL:03-5261-7271
川崎製鉄(株) 広報室 TEL:03-3597-3166