1998年10月28日
川崎製鉄株式会社

ステンレス鋼の「エンドレス圧延」成功について

川崎製鉄は、このほど千葉製鉄所・第3熱間圧延工場において、世界で初めてステンレス鋼の「エンドレス・ホットストリップ圧延(以後、エンドレス圧延)」に成功いたしました。

「エンドレス圧延」は当社が世界に先駆けて開発した画期的な圧延技術で、熱間圧延工程において、仕上圧延機前でシートバー(スラブを粗圧延機で圧延した半成品)を接合し、仕上圧延機内を途切れることなく連続的に圧延するものです。当社はこの技術を、最新鋭の千葉製鉄所・第3熱間圧延工場に導入し、96年3月から本格生産しております。

現在普通鋼において、千葉製鉄所で製造する2.0mm厚以下の「薄物」(熱延)鋼板を主体にこの圧延方法を適用しており、板厚・形状のばらつきがほとんどない高品質熱延鋼板を高い生産性で製造しております。また、従来は製造が極めて難しかった、厚さ1.2mm未満のいわゆる「極薄物」鋼板についても安定生産を行っております。

さらに「強潤滑・低温強圧下圧延」など、この仕上圧延機の持つ優れた技術を最大限に発揮することが可能となったことから、従来工業的に存在しなかった世界最高レベルの深絞り性(r値=3.0以上)を持つ「超成形性鋼板(高r値鋼板)」など、お客様の期待に応える新製品開発にも結びついております。

一方「ステンレス鋼」については、母材より融点の高いクロム系酸化物がシートバーの表面に容易に生成することから、シートバー接合が難しく、エンドレス圧延は困難でした。

しかし、「接合面不活性ガスシールド法」によるクロム系酸化物生成の抑制などの技術開発を行い、実験生産を重ねてきた結果、当社が注力しているクロム系ステンレス鋼の主力製品である「SUS430(=汎用鋼種)」および「R409L(=自動車の排気部品素材)」について、エンドレス圧延に成功いたしました。

当技術開発により、ステンレス鋼においても強潤滑・強圧下圧延が可能となったことから、

  1. 「SUS430」については、(次工程である)冷間圧延後の表面品質(リジング性)および深絞り性(r値)が極めて向上します。これにより、従来のSUS430製品と比較して用途の拡大が可能となります。

  2. また「R409L」についても、冷間圧延後に一層加工性(r値、伸び)が向上します。これにより、加工性に極めて優れる冷延材としての販売を目指すほか、将来は熱延鋼板自体の加工性をさらに高めていくことにより、冷延材代替としての熱延鋼板の製造も可能となります。

現在、「6〜3mm厚×1m幅」でのステンレス鋼のエンドレス圧延に成功しており、これらの営業生産化に向け、製造技術の安定化とサイズ拡大を目指し、開発を進めております。

以 上

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川崎製鉄株式会社 総務部広報室 03−3597−3166