1998年11月5日
川崎製鉄株式会社

エネルギー創生型先進ダスト製錬炉の建設について

 川崎製鉄(株)は水島製鉄所において、(1)廃棄物燃料製造、(2) シュレッダーダストに代表される処理困難な産業廃棄物の再資源化、(3) 製鉄所資源リサイクル向上を目的として処理能力日量30トンの「エネルギー創生型先進ダスト製錬炉」を2000年1月稼働を目標に建設いたします。

 本計画は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」に基づいた、新エネルギー事業者支援事業の1998年度の対象事業(事業名:水島地区可燃物及び金属製ダストからのガス燃料製造事業)として認定されたものです。

 本プロセスは、当社が10年に渡る年月をかけて開発し、1994年に千葉製鉄所で稼働した、製鋼工場のダストから有用メタルを回収する「ダスト製錬炉(STAR炉)」に適用された溶融還元技術に、亜鉛回収技術を組み合せたものであります。この亜鉛回収技術は、1995年度より通商産業省の石油代替エネルギー関係技術実用化開発費補助金を受け、電気炉ダスト処理能力日量10トン規模のパイロットプラント実験を行うことにより、その基本技術を開発することができたものです。

 本プロセスは、2段羽口式コークス充填層型溶融還元炉を用いて、従来プロセスでは処理困難であった可燃物及び亜鉛、鉛を含有する金属系ダスト(電気炉ダスト、シュレッダーダスト等)から効率的にエネルギーを創生するとともに、ダスト中のメタル分を回収でき、さらに二次的産業廃棄物を全く発生させない次世代型プロセスです。

 本プロセスの従来技術に対する先進性は以下の通りです。

  1. 本プロセスは可燃物のガス化とダスト製錬機能の両者を具備しているため、従来法で処理できなかった可燃物及び亜鉛、鉛を含有する金属系ダストを効率的に処理できること。
  2. 廃棄物を炉内に直接装入し、分解・ガス化するので、CO、H2濃度の高い、高カロリー燃料用ガスを創生できること。
  3. 含亜鉛鉄系ダストを処理するに際し、従来法で問題である鉄滓(※)が発生しないため、二次的産業廃棄物を “ゼロ”化できること。
  4. ※鉄滓: 酸化鉄を主成分の一つとするスラグ。セメント原料や土木資材として利用することが困難。

 このほど建設いたします「エネルギー創生型先進ダスト製錬炉」は、水島製鉄所内で発生する亜鉛含有高炉ダストや、グループ会社であるダイワスチールの電気炉(水島製鉄所内)で発生する亜鉛含有電気炉ダスト、および製鉄所外のシュレッダーダストを処理するものですが、本設備の稼動により水島製鉄所内の副産物有効利用率は99.4%まで高まります。さらに、シュレッダーダスト等の産業廃棄物の資源回収処理により、地域社会に広く貢献できるものと考えております。今後、当社は本計画をモデルケースとして、製鉄所インフラを活かした資源循環型社会へ貢献する取り組みをさらに発展させていく所存です。

 なお、当社は本プロセスの先進性・優位性を活かし、今後設備外販を行う予定です。

以 上

本件に関するお問い合わせ先

川崎製鉄株式会社 総務部広報室 03−3597−3166