1998年11月19日
川崎製鉄株式会社

「クロム鉱石の溶融還元法」によるステンレス鋼製造比率100%を達成

 川崎製鉄(株)千葉製鉄所、第4製鋼工場は、10月のステンレス鋼生産において、「クロム鉱石の溶融還元法」による製造比率100%を達成いたしました。これは、94年7月の第4製鋼工場稼働後、初めてのことです。

 第4製鋼工場は、溶融還元炉と脱炭炉の2種類の転炉、真空脱ガス脱炭設備(VOD)、連続鋳造設備から構成されています。同工場は、千葉製鉄所リフレッシュ計画の一貫として94年7月に稼働したステンレス鋼専用の最新製鋼工場であり、世界で初めてクロム鉱石の溶融還元法を大量生産プロセスとして適用したものです。
溶融還元法は、予備脱リンした溶銑をベースに、クロム鉱石と所内外で発生するステンレススクラップを直接転炉で溶解・還元することにより、ステンレス鋼を製造するもので、原料として使用される高価なフェロクロムの使用量を50〜80%削減することができ、当社が得意としているクロム系ステンレス鋼の製造コストを低減できます。

 当社は、第4製鋼工場の稼働以来この溶融還元法を利用したステンレス鋼の生産比率を高めるべく操業努力を継続し、その100%化を目標として改善を進めてきました。しかし、今までは溶融還元炉の内壁に使用している耐火レンガの寿命や、連続鋳造機等後工程とのタイミングを合わせる必要性等の理由により、その比率は9割程度が最大であり、残りはフェロクロムを主体として使用する製造法により生産を行ってきました。
今回、

  1. クロム鉱石を溶融還元する過程での還元用副原料の変更
  2. 転炉内におけるスラグ成分の最適化等の改善

を行うことにより、クロム鉱石の還元効率の向上とともに耐火レンガの寿命が改善し、炉の寿命が安定的に向上しました。
これらの改善により、ステンレス鋼を100%クロム鉱石の溶融還元法により生産することが可能となりました。
今後は、本技術の適用により、溶融還元比率の高位安定化を継続させる所存です。

 なお、当社は、溶融還元法と合わせて、同工場から発生するクロム等の有価金属を含むダストを還元してメタルを回収する「ダスト精錬炉」を開発し、千葉製鉄所内において稼動しております。これらを用いることによって、従来の製鋼法では再資源化が困難であったクロムを含有するダストやスラグを所内で処理し、原料や路盤材として100%再利用しております。

 

以 上