1998年12月7日
川崎製鉄株式会社

レーザー蛍光法による卓上型オフライン測定用
鋼板塗油量計の開発・販売について

 

川崎製鉄はこのほど、鋼板表面の塗油量をレーザー蛍光法を用いて高精度に測定できる「卓上型オフライン測定用 鋼板塗油量計」を開発し、販売を開始いたしました。
冷延鋼板の表面には「防錆油」が塗布されており、これは防錆以外に、製品ハンドリング時の疵の発生防止にも役立っております。
防錆油の塗油量は、多すぎると次工程である表面処理工程において脱脂不良のためメッキ品質の低下の原因となるうえ、経済的にも無駄が大きくなり、また逆に少なすぎると防錆上の問題が生じるなど、厳密な管理が必要です。
塗油量の測定は、通常(1)「重量測定法」や(2)「赤外線反射・吸収法」などにより行われておりますが、(1)では、測定作業負荷が大きい、塗りムラが測定できない等の、また(2)では、鋼板の表面性状の影響を受け易い、表面の被膜の種類によっては測定できない、等の問題があります。
重量測定法:
塗油された鋼板から打ち抜いたサンプルの重量を高精度の重量計ではかり、次に(そのサンプルの)油をとり除いてから改めて重量をはかって、重量差で油の量を調べる測定法。
赤外線反射・吸収法:
防錆油が、特定の赤外波長を吸収することを利用した測定法。
当社はこれらの問題を解決する測定法として、「レーザー誘起蛍光法」を応用し、鋼板表面の油に特定波長のレーザー光を照射した際生じる蛍光の強さが、油の量に比例して増大する、という特性を利用した測定装置を既に開発しており、鋼板が設備内を走行した状態で測定する「オンライン測定用 鋼板塗油量計」として、95年に千葉製鉄所・冷延工場内の連続焼鈍設備に導入済みです。
レーザー誘起蛍光法:
レーザー光を物質に照射した際に物質から発する蛍光を検出する測定法。
今回開発した「卓上型オフライン測定用 鋼板塗油量計」は、「オンライン測定用」をさらに改良し、少ない塗油量域でも高精度かつ簡便に測定可能にした装置であり、主な特徴は以下のとおりです。
  1. 光源として、油に対し蛍光効率が高い「窒素レーザー」を使用して小型化を図った(長さ 560mm×幅220mm×高さ180mmとコンパクト。重さは15kgと軽量。)ため、工場内に持ち込んでの測定が可能。
  2. 測定時間は1ポイントあたり10秒以下。切り出した100mm角程度のサンプル片を前面のマグネット式ホルダーに装着した後、簡単な操作で自動測定できる。飲料缶のような円筒形状でも装着可能。
  3. 検出器の感度調整により、塗油量が少ない領域(100mg/m2以下)から多い領域(数g/m2程度)まで、高精度(±10%以内)に測定可能。
  4. 鋼板表面の粗さや反射率の違いによる影響を受けない。
適用範囲としましては、塗油量の測定では、鋼板の「防錆油」のみでなく「圧延油」にも、またアルミなど非鉄金属表面の油にも適用可能であり、さらには油以外に、樹脂膜厚の測定などにも使用できます。
当社はこの「卓上型オフライン測定用 鋼板塗油量計」を、今後製鉄所内で使用していくとともに、関係業界に販売してまいります。
圧延油:
圧延時に鋼板と圧延ロールとの摩擦を減らすため使用する潤滑油。

以 上

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