1999年2月15日
川崎製鉄株式会社

「スパーク発光分光分析法」による鋼中酸素・介在物の迅速・高精度分析技術の開発について

 川崎製鉄は、製鋼工程において分析する鋼中の酸素、および介在物の元素組成・粒径分布等について、鋼の元素分析に用いるのと同じ「スパーク発光 分光分析法」により、迅速・高精度に分析する技術を開発するとともに、(株)島津製作所と共同で製品化いたしました。

鋼中の酸素濃度・介在物の形態・粒径分布等は製鋼の工程管理、品質管理上重要な指標であり、迅速で高精度な分析技術の開発が望まれております。

製鋼工程における鋼の分析は、分析の対象毎に異なる多くの分析法を用いております。すなわち、(1)鋼の成分分析は「スパーク発光分光分析法」により、また(2)鋼中酸素濃度分析は(より精度の高い)「不活性ガス融解赤外線吸収法」で、さらに鋼中介在物について、(3)組成分析は試料の溶解後の残渣の「化学分析」により、(4)粒径分布分析は残渣の「レーザー回折」(回折:電波が障害物の陰に回って伝わる現象)あるいは試料の「光学顕微鏡観察」により行われているのが一般的です。

これらには多くの時間を要し、(1)は約2分ですむのに対し、(2)は約7分、(3)(4)には1〜2日かかっております。

今回開発した方法は、これら全ての分析を(1)の「スパーク発光分光分析法」のみで行うというものです。

「スパーク発光分光分析法」は、スパーク放電(6〜7秒間に2000回程度放電する)により試料の表面を気化させ、その時放たれた光を分光器で分光し、その波長から組成を、その強度から含有量を分析するものです。当社はこの分析の際、鋼中の介在物にスパーク放電すると異常に強く介在物形成元素および酸素が発光する現象に着目し、このスパーク放電を3〜5回繰り返すことにより、雰囲気中の酸素を除いて、介在物に起因する酸素の濃度を分析することに成功いたしました。これにより4ppmという高い精度を得ることができ、これまで精度の問題で別の分析法を用いていた酸素についても分析可能となったとともに、発光強度から介在物元素の濃度を算出し、その濃度を粒径に換算して粒径分布を求めることができるようになりました。

これにより、鋼の成分、鋼中酸素濃度、介在物の組成・粒径分布まで全てを含めて3〜4分で分析が可能となりました。

当社は、この分析法を鞄津製作所と共同で製品化し、島津製作所より広く販売していくとともに、今後当社の製鋼工程における分析にも適用してまいります。

本件に関するお問い合わせ先

川崎製鉄株式会社 総務部広報室
03−3597−3844

以 上