1999年 3月10日
川崎製鉄株式会社

大河内賞の受賞について

川崎製鉄(株)(社長:江本寛治)は、本日、(財)大河内記念会より、「第45回(平成10年度)大河内記念技術賞」を受賞いたしました。

受賞テーマは、「環境調和型高純度ステンレス鋼の高効率型製造プロセスの開発」 です。

ステンレス鋼は高純度化(炭素や窒素の含有量を極微量まで下げること)により、

  1. ニッケルやクロムなどの高価な元素の削減
  2. 加工性や耐食性の向上
  3. セラミックスやチタン等各種素材の代替
などの特長が得られますが、ステンレス鋼の高純度化は熱力学的に困難であり、電気炉−脱炭精錬炉(AOD)−湾曲型連続鋳造機を主体とした従来のステンレス鋼製造プロセスでは、高機能・高品質のステンレス鋼を望む市場ニーズに答えようとしても、製造コストが高く、安定した工業的大量生産は確立されていませんでした。

当社は、高純度ステンレス鋼の工業的大量生産を果たすとともに、従来の製造工程のかかえる環境上の問題、原料選択肢の少なさ、エネルギーや資源の多消費などの課題を克服する新たなプロセスを開発いたしました。

本プロセス技術は、千葉製鉄所において1994年7月の新製鋼設備稼動とともに開発されたもので、世界初の生クロム鉱石溶融還元と、ステンレスダスト製錬をキーテクノロジーとするものであります。さらに、新開発の脱炭精錬炉(転炉)、真空脱炭精錬炉(VOD)および電磁力により不純物除去できる新機能を有する連続鋳造機等により構成しております。

この新しいプロセスにより、高純度ステンレス鋼の工業的大量生産に成功し、ステンレス鋼の需要拡大に貢献することが可能となりました。また (1)クロム酸化物を含むスラグやダストの処理問題の解決 (2)電力依存から脱却した大幅な省エネルギー (3)ニッケルやクロムを含む廃棄物の有効利用などにより環境保全にも大きく寄与しております。

本技術によって生じる高価な金属の安価な生クロムへの代替、省エネルギー効果などに基づく経済的効果は全世界に適用された場合、年間5000億円以上に達することが試算されております。

以 上

本件に関するお問い合わせ先

川崎製鉄株式会社 総務部広報室
03−3597−3166