太陽電池用原料シリコンの量産化技術の進展
および事業化検討への着手について

川崎製鉄は、国のニューサンシャイン計画に基づき、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究として、「太陽電池用原料シリコン」製造の要素技術開発を行っておりますが、このほど、シリコン中の不純物であるボロンの除去処理速度を従来に比べ5割以上向上させることに成功いたしました。

当社は、太陽電池用原料シリコンを、溶融した金属シリコンから冶金的精製処理により低コストで製造する技術を開発し、この方法で試作したシリコンを用いた太陽電池で、14%以上という、半導体用シリコンを用いた太陽電池と同等レベルの高い変換効率を確認するなど、既に基礎的な研究を完了し、現在は量産化、工業化に向けての要素技術の開発に取り組んでおります。

シリコン中のボロンの除去については、不純物を酸化除去する冶金的精製法では、シリコンがボロンより酸化されやすいため難しいとされてきましたが、当社は溶融シリコンに水蒸気を添加することにより、シリコン中のボロンを優先的に酸化除去することに成功しており、次のステップとして、量産化を可能にするための除去処理速度の大幅な向上に取り組んでまいりました。今回、シリコン中のボロンと水蒸気との反応条件の最適化が図れたことにより、実験設備ではありますが、一気に5割以上のスピードアップに成功いたしました。

今年からNEDOと太陽電池用原料技術研究組合(川崎製鉄、京セラ(株)、三洋電機(株)、シャープ(株)、昭和シェル石油(株)、住友シチックス(株)、大同ほくさん(株)の7社が96年9月に設立)の共同研究として、本格的な工業化技術の開発が始まることになっていますが、今回の成功によりその基礎条件が整ったことになります。

太陽電池用原料シリコンは、政府による太陽電池の普及促進等に伴い、需要が急速に拡大することが見込まれるため、原料不足が懸念されており、供給開始が急がれる状況となっております。

そのため当社は、今回の技術的進展を機に研究開発体制を一層強化して量産化技術の早期確立を目指すとともに、事業化の検討に着手いたします。

以 上



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川崎製鉄(株) 総務部 広報室 03−3597−3161