
新中期経営計画[1996〜98年度]について
川崎製鉄はこのたび、1996年度から3年間の中期経営計画を策定いたしました。
当計画で想定される環境は、鉄鋼事業にとって引き続き厳しいものと予想されますが、このなかで当社は、グループとしての新たな成長を目指すために、これまでの「常識挑戦活動」の成果をふまえていっそう堅固な企業収益力を構築することを計画策定の狙いといたしました。
なお当計画では、1998年度の全国粗鋼生産を9,500万トン、為替レートを90円/ドルと想定しております。
1. 新中期経営計画の基本課題
新中期経営計画において、当社が取り組む基本課題は次の3点であります。
| @ グループとしての成長 |
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●鉄鋼事業およびその関連から取り組んできた事業の可能性を洗い出し、 新分野展開を図る ●LSI事業や樹脂事業等で蓄積が進んでいる新しい経営資源を育成し、 業容を拡大する ●グループ会社については、積極的に株式の公開を目指す |
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A 環境変化に強い企業収益力の確立 |
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●鉄鋼事業を中心として資産・費用の削減を進め、 環境変化に強い収益体質を構築する ●事業ごとの資産収益性管理を徹底し、企業収益力のいっそうの向上を図る |
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B マネジメントの改革 |
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●『事業の責任権限と明確に結びついたフラットな体制』および 『スリムで戦略性の高い本社』をつくりあげる |
2. グループとしての成長
(1) 川鉄グループの事業規模川鉄グループは、当計画において新たな事業領域を創出する取り組みを強化し、21世紀初頭におけるグループ事業規模を、売上高1兆6,000億円以上とすることを目指してまいります。
これに至るステップとして、新中期経営計画での川鉄グループ売上高は、1998年度1兆4,600億円と見込んでおります。
| [参考] | 1995年度(見込) | 2001年度(展望) | 1998年度(計画) | 川鉄グループ売上高*1 | 1兆3,900億円 | 1兆6,000億円以上 | 1兆4,600億円 | 川崎製鉄単独売上高 | 9,300億円 | 1兆円 程度 | 9,300億円 |
*1 川崎製鉄およびグループ会社(商社・金融会社を除く49社)の内部取引消去後の総売上高
*2 上記の売上高には川鉄商事Mの売上高は含んでおりませんが、
同社においてはこれらのグループ事業目標等をふまえ、
1998年度1兆4,000億円の売上を計画しております。
(2) 事業拡大の重点分野
新中期経営計画において事業拡大を推進する重点分野と方針は、
以下のとおりであります。
| 建材事業 | 川鉄建材(株)等のグループ会社とともに用途開拓を進め拡大する (グループ3社売上高 21世紀初頭1,100億円を想定) |
| エンジニアリング事業 | |
| [プラント分野] | アジアを中心とする製鉄エンジニアリング分野を強化する 国内では環境エンジニアリング分野を中心として拡大を図る |
| [土木・建築分野] | 新商品・工法による事業拡大および海外建設事業に注力する グループ各社の設計・施工能力を強化する |
| 橋梁・鉄構事業 | 鋼構造物分野等での新規大規模プロジェクトに注力する |
| 化学事業 | 樹脂事業のグローバル展開を進め事業規模を拡大する (LNP社売上高 21世紀初頭300億円を想定) |
| LSI事業 | ASIC分野に集中し、商品の拡充および能力増強を進める (第2工場を視野に入れ、21世紀初頭売上高550億円を想定) |
| その他の事業分野 | 物流・情報システム・無機材料等の分野で グループ会社の事業を拡大する |
このほか、アジアにおける鉄鋼業の成長に対しては、川鉄グループの業容全体を拡大するチャンスととらえ積極的な対応を図ってまいります。
また、新たに取り組む事業分野として、卸発電事業への参入を目指してまいります。
以上のグループ事業の強化・拡大に向け、グループ全体で推進体制を整備するとともに、投資収益性の確保を重視して資本投下を図ってまいります。
3. 環境変化に強い企業収益力の確立
(1) 経営目標
鉄鋼事業を中心として既存の事業分野においては、当計画で想定される環境においても強靱なフロー収益体質を早期に確立することを狙いとして、固定費削減を中心とする収益改善を、引き続き徹底して進めてまいります。
この視点から、中期計画の期間を従来の5年から3年に変更し、経営目標値は資産収益性に関する尺度を重視して設定いたします。
川崎製鉄単体としての1998年度主要経営目標は、
次のとおりであります。
| 経常利益 | 400億円以上 |
| 総資本営業利益率 | 5% 以上 |
| 使用総資本 | 1兆6,000億円程度 (約3,000億円の削減) |
| 有利子負債残高 | 7,000億円程度 (約2,500億円の削減) |
(2) 主要施策
a. 設備投資
千葉製鉄所リフレッシュ投資が完了いたしましたので、当計画においてはその戦力化を中心として、設備生産性の向上を最重点といたします。したがって既存分野の設備投資予算額は、年平均300億円(うち鉄鋼事業250億円、いずれも承認ベース)とし、大幅に削減いたします。
b. 要 員
全社の要員は、10,000人体制を目標といたします。
c. 総費用の削減
コストダウンは、設備生産性の向上、いっそうの労働生産性向上、変動費削減等により進めてまいります。これに減価償却費低減を加えた総費用の削減目標は、鉄鋼事業において1,100億円の計画としております。
d. 資産効率の向上
全社レベルで資産効率向上を積極的に推進する視点から、遊休土地等非活用資産の流動化を推進し、総資産および有利子負債の削減を進めます。
e. 新たな事業部門別収益管理制度の導入
事業ごとの全社収益に対する貢献目標の明確化を図り、その成果をフォローして適切な経営資源投入に結びつける仕組みとして、1996年度より「事業部門別B/S(社内借入金制度)」を導入いたします。
4. マネジメントの改革(1) 組織・機構改革
計画の迅速かつ確実な実行を図るため、「上位者の仕事のしかた・させかた」からマネジメントの改革を進めてまいります。具体的には、まず、役員分担の考え方を明確化することを含めて組織・機構の改革を以下のとおり実施いたします。(7月1日実施予定)
a.『事業の責任権限と明確に結びついたフラットな体制』の整備
通常の業務執行は、社長−執行担当役員 (常務以下の取締役)−部長の体制で行い、専務以上は会社を代表するとともに経営戦略の決定および全社的経営課題の方向づけにあたることを基本といたします。
鉄鋼事業においては、品種単位での戦略策定および収益管理の強化を図り、品種セクターのスタッフを各セクター室(新設)に配置するとともに、従来の機能別本部制 (鉄鋼企画・営業本部および鉄鋼開発・生産本部の2本部) は廃止し、業務執行上の階層を短縮いたします。
新中期計画において拡大を目指す以下の領域では従来の組織を見直し、事業推進体制の明確化および強化を図ります。
●建材センター [鉄鋼部門およびエンジニアリング事業本部の関連機能を統合し、新設]
グループ全体での建材事業戦略および新分野展開の強化を図る● 橋梁・鉄構事業部 [橋梁・鋼構造事業部とエンジニアリング事業本部鉄構事業部を統合]
グループのファブリケーション事業戦略を一元化し、高度化を図るb.『スリムで戦略性の高い本社』の構築
「本社」は、グループ事業全体に関してトップを直接補佐する機構と位置づけ、組織体制の整備を図ります。
具体的には本社機構を、経営企画・財務・人事・総務機能ならびに鉄鋼事業の企画・営業総括および実行支援機能を担う部門により編成することとといたします。
「本社」の部門は、スタッフの戦略性向上を狙う視点から、機能の一体化・総合化を図る方向で再編成を進めることとし、部レベル組織では以下の改正を実施いたします。
● 経営企画部 [現企画管理部(経理室を除く)と関連事業部を統合]
グループ事業の経営管理機能を一体化するとともに事業の強化・育成を図る機能を充実する● 財務部 [現 財務部(資金機能を所管)と企画管理部経理室を統合]
資金・経理の一体化により総合的な財務戦略機能の強化を図る● 総務部 [現 総務部と神戸総務部を統合] 「本社」はこれらの機構改革を通じてスリムな体制を指向し、要員面では300名以下(管理・主務職掌)とすることを目標といたします。
(2) 人事・賃金制度の改訂
マネジメントの変革に対応して、人事・賃金制度もこれに適合した仕組に見直しをすすめる方向とし、まず、理事および部長を対象として、会社および個人の業績にもとづく年俸制を導入いたします。
以上。