Press Release

2001年 7月11日

世界初の極低S系電磁鋼帯の開発と本格販売開始



 当社はこのたび高効率モータなど高効率化を目指す用途に最適な「鉄損(エネルギー損失)、打抜き性、コストのバランスに優れた極低S系電磁鋼帯(商品名 NKBコア)」を世界に先駆けて開発し、本格販売を進めています。
 従来の電磁鋼帯では鉄損を低減するため、けい素(Si)を添加することにより電気抵抗率を高め、渦電流損を低減することにより低鉄損化を図っていました。しかし、Siが鋼板を著しく硬くする元素であるため、JIS最高クラスの材料ではビッカース硬度が200を超えて、需要家における打抜き時の騒音の増大、金型寿命の低下といった生産性を妨げる問題を有しているだけでなく、材料メーカーでの生産性も著しく阻害しており、コストアップの要因にもなっていました。

 これに対し、当社では鉄損のほぼ70%を占めるヒステリシス損(材料に磁気を流すのに要するエネルギー損失)の低減に着目しました。磁気の流れを容易にするには、磁気の流れを妨げる不純物を少なくするとともに、結晶粒を粗大化する必要があります。当社ではこのため、窒素、酸素といった不純物元素の低減に加え、従来安定して低減することが困難であった硫黄(S)を数ppm(100万分の1)という極低Sレベルまで低減しました。しかし、極低Sレベルまで低減しても、鋼板表層部に細粒組織が残留し、ヒステリシス損の低減に必要な均一粗大粒を得ることが困難であることを新たに見出しました。
 そこで、さらに特殊元素を微量添加することにより表層細粒組織の形成を抑制し、板厚方向に均一な粗大粒を得ることに成功し、世界初の極低S系電磁鋼帯を開発させました。本件に関する特許出願に関しても60件を超える出願をしており、その先駆性が窺い知ることが出来ます。

 従来のSi添加による低鉄損化技術と異なり、本技術の確立により、同一鉄損のJIS材と比較すると磁束密度(流れる磁気の量)が高く、かつビッカース硬度で20〜30ポイント程度軟質化しました。これにより従来指摘されていた、需要家における騒音や金型の寿命についての問題を解消させるばかりでなく、電気機器の小型化にも貢献が期待されます。また材料メーカーにおける生産性や歩留の向上にも寄与し、コスト低減も合わせて実現しました。NKBコアには、打抜いたままで優れた特性を得ることができる「NKBFコア」と、打抜き後歪取り焼鈍した後の鉄損に特にすぐれる「NKBFAコア」の二種類を品揃えしています。(板厚;JIS規格0.5mm,0.35mm)

 本材料は需要家から優れたご評価を頂き、既に高効率を追求するエアコン、普及の動きが加速しているハイブリット車用のモータや発電機等に既にご使用頂いております。
 また燃費向上を目的に、エンジン車の油圧パワーステアリングの電動化(電動パワーステアリング)の動きが加速していますが、この部位にもNKBコアが既に数車種に採用されいます。このモータ鉄心には、操舵フィーリングの向上(ロストルクの低減)のためにヒステリシス損の低いことが最大の要求特性となりますが、正にヒステリシス損の低いNKBコアは最適とも言え、今後の適用車種の拡大が期待されます。

 当社ではNKBコアの量産化に向けての本格販売に力を入れていくと共に、今後とも地球温暖化防止やCO2の削減といった時代の要請に応じた、先駆的な商品開発を積極的に展開して参ります。

【添付資料】

NKBコアの狙いと技術


以 上


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 N K K  秘書部広報企画グループ  TEL 03-3217-2431 

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