Press Release

2001年 9月27日

世界で初めて高炉水砕スラグを海底覆砂へ適用



 当社は、かねてより鉄鋼製造の副産物であるスラグの高度活用について積極的に研究開発に取り組んでおり、マリンブロック、緩効性ケイ酸カリ肥料といった新しい材料、商品を開発しております。そのひとつとして、砂状の高炉水砕スラグを海底覆砂材へ適用する研究を、東海大学海洋学部 豊田惠聖(とよた よしまさ)学部長と共同で1996年より実施してまいりましたが、このたび国土交通省 中国地方整備局 出雲工事事務所所轄の「中海浄化覆砂工事」において、覆砂材として採用になりました。鉄鋼スラグが海底覆砂材として適用されるのは世界で初めてであり、当社と鋼管鉱業株式会社は54千トン(約4ヘクタール相当)の高炉水砕スラグを当社福山製鉄所より納入いたしました。

 海底覆砂材は、海底の有機物(=ヘドロ)を覆砂する(蓋をする)ことで、海中の富栄養化の原因となるリン酸塩および窒素化合物や青潮の原因となる硫化水素の海底からの溶出を抑える効果を果たし、また、有機物による海底の溶存酸素の消費を低減し、生物の棲息しやすい環境を整えます。
 これらの効果に加え、高炉水砕スラグ覆砂材は以下の化学的効果が得られ、環境の改善に優れた効果を発揮することが、これまでの研究開発によって実証されています。
 @ 青潮の発生を抑制:高炉水砕スラグ覆砂材は、海底の状態をpH8.5 程度の弱アルカリに保つ作用によって、硫酸還元菌の活動を抑制し硫化水素の溶出だけでなく発生そのものを抑制(ダブルブロック)する。
 A 赤潮の発生を抑制:高炉水砕スラグ覆砂材は、水中植物に必要な栄養素であるケイ酸塩を内包しており、これが水中に供給されることにより珪藻類の繁殖を促進し、赤潮の発生を抑制する。

 本技術はヘドロが堆積した内湾や河口等汽水域の環境改善技術にとどまらず、海砂採取や護岸工事により失われた浅場の復元技術としても有効です。また、製鉄プロセスの副産物として発生するスラグをリサイクルすることから覆砂用天然砂の採取の削減も図られ、環境にやさしい技術です。
 現在、広島県 環境関連産業推進協議会の補助事業として「鉄鋼スラグによる沿岸環境修復技術」の実証試験(人工浅場モデル)を瀬戸内海にて展開中です。さらに、来年度からスタートする「東京湾蘇生プロジェクト」をはじめとした海域の自然再生型公共事業は、全国各地で計画されています。また、「21世紀『環の国』づくり」会議(小泉首相主宰)が7月に出した報告書にも積極的に自然を再生するための公共事業を推進する必要性が盛り込まれており、まさに時代の要請に応じる新たな用途開発といえます。

 高炉水砕スラグの発生量は年間約340万トン(当社)で、主として高炉セメント、コンクリート細骨材として活用されております。近年のコンクリート等の需要減に対応すべく新しい用途開発が望まれておりましたが、覆砂材のマーケットは、前述の自然再生型公共事業の進展に伴い今後大幅な拡大が見込まれます。

【参考資料】


以 上


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