Press Release

2001年11月20日



耐候性鋼のさび安定化処理を大幅に簡素化できる画期的処理法
“プレコート型カプテンコートM処理法”の開発・実用化に成功



 当社は先に、高性能かつ施工性・経済性を大幅に改善し得る耐候性鋼のさび安定化処理剤「カプテンコートM」を開発・商品化して以来、既に数多くの実績を積んで参りました。その間、三菱重工業株式会社殿のご協力を得て、より効率的な利用法を追究しておりましたが、このたび画期的な“プレコート型さび安定化処理法”の開発・実用化に成功いたしました。

 近年橋梁など屋外鋼構造物のライフサイクルコスト低減ニーズの高まりと共に、耐候性鋼の使用が急拡大しています。しかし耐候性鋼は、さびが安定化するまでの期間に流れさびにより周辺が汚れたり、ムラにより見映えのよくない場合があるなどの問題があります。この対策として行われるのが耐候性鋼の“さび安定化処理”です。
 “さび安定化処理”とは、裸使用(無塗装)の耐候性鋼構造物において問題となる“(1)流れさびの防止”を第一の目的とするものですが、更には適度に水分や酸素を透過することにより、効率よく塗膜下のさびを安定化し塗膜自体は良好な外観を保持しながらも徐々に風化させ、“(2)最終的に耐候性鋼本来の緻密で保護性の高いさび層を形成させること”も、もう一つの重要な目的です。
 当社は、1980年(昭和55年)さび安定化処理剤として二層型処理剤「カプテンコート」を開発し、以来20年にわたり700件以上の施工実績を蓄積してきました。この蓄積をベースに開発した単層型処理剤「カプテンコートM」は、上記の問題点を高度な技術で進化させたさび安定化処理剤であり、(1)単層処理による施工性・経済性の大幅改善 (2)単層化故のプレコート処理の可能性の出現 (3)飛来塩分や硫酸イオン等の腐食因子透過抑制と流れさび防止の複合機能によるスムーズなさびの安定化 (4)さび安定化過程における良好な塗膜外観の保持 (5)クロム,鉛化合物のフリー化による環境調和性の向上、等の優れた特長を持っております。
 また「カプテンコートM」は、JISに規定されている従来の耐候性鋼(SMA)のみならず、海岸地帯等の高飛来塩分環境向けに当社が開発した海岸耐候性鋼にももちろん適用可能です。

 従来の耐候性鋼のさび安定化処理は、ショットブラストのままで入荷した鋼板を用いて一旦橋梁に組み上げた後、その複雑な形状の構造物に対して、以後に発生した赤さびを完全に除去する必要性から念入りな製品ブラストを再度実施し、最終的にその上にさび安定化処理剤を(何層か)塗布して仕上げるのが一般的処理法でした。
 このたび三菱重工業株式会社殿のご協力を得て開発・実用化に成功した“プレコート型カプテンコートM処理法”は、先ず厚板工場の自動ショットプライマーラインにおいて鋼板の状態でブラストを施した後、十ミクロン程度のカプテンコートMを塗布して出荷します。その後、橋梁工場において橋梁に組み上げた後に、プレコートされたカプテンコートMを軽度なブラスト処理により一旦落とし、最終45μm厚に仕上げ塗装する方法です。この方法によれば、溶接熱が加わった部分や大きな損傷を受けた部分以外は、鋼板表面は健全なカプテンコートMで保護された状態が保たれているため、地鉄に強く密着する性質のある赤さびを時間を掛けて念入りに落す必要はなく、さび安定化処理全工程の1/3以上を占めるブラスト作業の大幅な簡素化を図れるものです。
 またこの他にも、橋梁工場の受入ヤードで野晒しにされていても赤さびは殆ど発生せず、従って製作開始時の部材状態から終了時の構造物状態に至るまで、常に美麗な状態を保つことが出来る等の効果も認められました。

 以上の“プレコート型カプテンコートM処理法”の適用第1号橋の概要は以下の通りであり、現在,明年3月竣工に向けた架設工事が順調に進んでおります。

  • 名称:新小原大橋(宮城県)
  • 形式:ニールセンローゼ橋
  • 橋長:265m,幅員:15.5m
  • 使用鋼材量:約1,300トン
  • さび安定化処理面積:約3,500m2
  • 施工:三菱重工業株式会社横浜製作所殿他
  • 竣工予定:2002年3月25日

 当社は、今後とも,合理的な鋼構造物の製作を推進されるお客様の多様なニーズに積極的に応えて参ります。

写真
架設工事中の新小原大橋


写真
本法と従来法の接合部の仮組状況


以 上  


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NKK 秘書部広報企画グループ
TEL. 03-3217-2431


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