Press Release

2002年 2月28日



業界初
“遺伝的アルゴリズム(GA)”を活用した出鋼計画自動編成システムの開発


 このたび当社は、転炉から連続鋳造機間の製造時間を表すダイヤグラム(別紙参照)をコンピュータで自動作成する機能(出鋼計画自動編成)について、業界に先駆けてGAを適用した生産計画最適化のシステムを開発しました。
 本システムは、薄板SCMシステム「SPEED-XU」(*注)整備の一環として、当社基盤技術研究所が開発し、各工場のライン特性を十分に加味したものに成っており、最適運用が図られています。また本システムの本格適用に際しては、京浜製鉄所において既に約1年間の実操業適用試験を行い、その最適化率やメンテナンスフリー性、納期管理の精度やコスト合理化等、大きな効果が確認されております。

 転炉から出鋼された溶鋼は、様々な2次精錬プロセスを経て所定の成分と温度に調整されて連続鋳造機に鋳込まれますが、その際、転炉から連続鋳造機までの時間的な経路をダイヤグラムなどにより明示した「出鋼計画」と呼ぶ計画を作成します。従来この出鋼計画の編成は、熟練オペレータによる人手作業で行なわれ、翌日1日分の計画作成に約3時間程度掛かっており、2日以上の出鋼計画を精度良く編成することは困難でした。しかし今回開発した自動編成システムは、1週間分の出鋼計画を僅か20分程度で作成することが出来ます。

 このシステムに新しく搭載した生産計画最適化ソフトウェア(エンジン)は、設備制約、操業制約を守りながら、納期、生産性、歩留り等の複数の目的を満足させる生産スケジュールを自動作成するソフトウェアです。従来のエンジンは、操業環境変化にあわせて、ソフトウェアの修正や改造が必要であり、数少ない数理技術者の対応が必要でした。このメンテナンスを削減するため、本エンジンでは、実行可能なスケジュールを2万通り編成し、この中から最も評価の高いスケジュールを選定します。すなわち、従来の操業環境に合わせてのルール型のプログラムはほとんど必要でなく、例えば設備稼働時間帯、設備ラップ操業の可否、食休時稼動の有無、製造時刻要望、等の情報を設定するだけで、適切なスケジュールを抽出することが出来ます。

 この編成システムはGAをベースにしておりますが、単純なGAのみでは所要時間内にスケジュールを編成することが出来ないため、今回新たに高速解法を開発しました。本解法は、制約条件を活用してGAの探索空間を実行可能なスケジュールのある空間に絞り込む方法で、従来のGAより100倍程度高速です。

 出鋼計画自動編成システムの適用により、京浜製鉄所では1週間分の出鋼予定がわかるため、従来に比べ納期管理が強化出来るようになりました。さらに、出鋼した後の溶鋼の待ち時間は1鍋当り約2分短縮した結果、最適な2次精錬プロセスの選択時間も約5%向上し、コスト合理化にも大きく寄与しております。

 今後とも当社では、より一層の効率的生産を可能にするシステム開発に注力して参ります。

(*注)「SPEED-XU」;薄板品種の販売力強化を目的にした薄板SCMシステムのことで本年1月より順次稼動(2001.12.13発表):Expansion Usuitaの略


(参考図)  転炉〜連続鋳造機間の日程計画イメージ

図

(実操業では、設備名、鋼種名、製造ロット番号等が表示され、1週間分作成されます)

以 上  


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NKK 秘書部広報企画グループ
TEL. 03-3217-2431


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