Press Release

2002年 3月27日



「下水汚泥酸発酵システム」の開発受託について



 当社はこのたび、科学技術振興事業団から「下水汚泥酸発酵システム」の開発を受託致しました。この開発は、広島大学大学院先端物質科学研究科 西尾尚道教授が保有する基本技術に基づいたもので、「酸発酵」を使って下水汚泥の減量化を図る技術です。

 具体的には、まず、下水処理場から発生する下水汚泥にアルカリ剤である苛性ソーダを添加して、汚泥中の主成分であるバクテリアの細胞膜をやわらかくした後、超音波をあててバクテリアを破壊します(可溶化処理)。その後、可溶化した汚泥に反応促進剤として微量のビタミンを添加し、嫌気性状態下で3日間程度攪拌・混合し、低分子化させます(酸発酵)。酸発酵した汚泥はろ過機でろ過(固液分離)し、濃縮汚泥は可溶化装置に戻してさらに酸発酵を続けます。

 消化槽を有する処理場にこのシステムを導入した場合、酸発酵後の汚泥を既存の消化槽に投入し、メタン発酵を行います。汚泥が低分子化し、濃度も高くなっているために消化槽内の反応が速くなるうえ、汚泥の滞留時間も長くとれ、従来の嫌気性消化法にくらべて20%以上の固形物の減容化率向上が期待できます。また、このシステムを導入することによって消化汚泥中の固形物量を減らし、脱水機以降の設備規模を低減することができるので、汚泥処理施設トータルの建設費、維持管理費の低減が可能となります。
 一方、固液分離後の脱離液中には酢酸等の低分子の有機酸が多量に含まれており、高度処理(窒素除去)における脱窒菌の栄養源として用いることができます。水処理系が高度処理対応の場合、本システムで生成された有機酸を含む脱離液を栄養源に用いることによって、処理水中の窒素分を従来の高度処理法よりもさらに低減する超高度処理型クローズドシステムの構築が可能となります。

 消化槽を持たない処理場にこのシステムを導入した場合、汚泥中の固形物量を50%程度減らし、脱水機以降の設備規模を低減することができます。また脱離液中に溶出した有機酸は水処理系の脱窒に利用したり、条件が合えば工業用酢酸として有効利用することも考えられます。

 下水道の普及に伴って増加し続ける汚泥の処理・処分は社会的に大きな問題となってきていますが、下水道資源を有効利用し、環境への負荷を最小限にした循環型社会を構築するためには、今後、汚泥の減容化、消化ガス等のエネルギー回収、有効利用等の技術がその基本になって行くことは間違いありません。当社は、本開発テーマを通して、これらの課題に幅広く応えられる技術の実用化を目指し、積極的な展開を行ってまいります。


【参考資料】

以 上  


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