Press Release

 2002年 6月 5日

下水消化ガスによる発電技術開発について



 このたびNKKは、福岡市下水道局と株式会社カナモトとの「下水消化ガスによる発電技術開発」の共同研究を行なうこととなりました。この開発は、近年注目されている小型で高効率なマイクロ・ガスタービン発電機(*1)を用いたもので、開発期間は本年夏より平成16年度までの約3ヵ年を予定しております。

 下水消化ガス発電は、微生物によって下水汚泥中の有機物を分解し、そこで得られる下水消化ガス(メタンガス)を利用して発電するものです。これまでの下水消化ガス発電は、大・中規模下水処理場での大型ガスエンジンを使ったものが主流でしたが、今回適用するマイクロタービン発電機では1台当りの出力が30kWとなる為、運転に必要なガス量も約450Nm3/日と小規模プラントでの適用が可能となります。

 実験設備は福岡市和白水処理センターに設置され、主に連続運転により年間を通した運転データを取得して参ります。マイクロ・ガスタービン発電機は、都市ガス等での運転事例はあるものの、水分、硫化水素、シロキサン(*2)等の微量成分を含む下水消化ガスでの長期運転事例はなく、下水消化ガスによる長期安定性と耐久性の確認がこの度の研究課題となっております。一方で、シロキサンによる消化ガスエンジン本体への有害性が確認されておりますが、当社では他社に先駆けてシロキサン除去技術の研究開発を行ってきた実績があります。本研究においても、同技術を併設し、シロキサンのタービンへの影響を調査する予定です。
 また排気から発生する排熱は、コージェネレーションシステムにより、消化タンクの加温やその他設備への熱供給に利用できます。

 地球規模での環境保全が叫ばれる中、消化ガス発電は、代表的なエネルギー回収技術として期待されており、潜在的な市場規模は大きいものと考えられます。当社は、算盤型消化タンク機械撹拌機「ダイナミキサーJr.」や比重差を用いないろ布ろ過濃縮機「ロフコン」を保有しており、これらも併せ、下水処理等のバイオガス市場に対し、「高濃度消化プロセス」として提案して参ります。


(*1)マイクロ・ガスタービン発電機
 出力300kW以下のものを指すことが多い。大型タービンの構造をそのままサイズダウンすると、効率が格段に落ちてしまう問題点があるが、今回適用するマイクロタービン発電機では、空気軸受の採用などにより高回転で運転することができ、パワートランジスタ技術の進歩もあいまって、小型で高効率な性能を確保しています。また、規制緩和の一環で電気事業法が一部改正(2001年4月)された為、300kW未満のマイクロ・ガスタービン発電機については、ボイラー・タービン主任技術者を置かなくても、設置、管理できるようになっております。

(*2)シロキサン
 メチル基など有機基を持つケイ素と酸素が交互に結合したポリマーの総称であり、シャンプーやリンス、化粧品などに添加されており、下水処理場に流入します。下水処理プロセス(活性汚泥法)では分解しない為、消化タンク内で蒸発、消化ガス中に含まれる結果、消化ガスエンジンではシロキサン燃焼酸化物がガスエンジンの燃焼室内に付着し、悪影響をおよぼします。

【参考資料】


以 上


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NKK 秘書部広報企画グループ
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