Press Release

2002年 6月14日



新建築標準
経済性・耐震性・溶接性に優れた建築用量産型高張力鋼板を開発
『HIBUIL(ハイビル)385』


 都市部の高層建築用として強度の高い鋼材が求められている一方、兵庫県南部地震における梁端溶接部の破断被害などから、建築鉄骨に降伏比(降伏点/引張強さ)が小さく、靭性が高く、しかも溶接性のよい高性能鋼材のニーズが高まっています。また最近では、経済情勢を反映し、建設コストの低減が強く叫ばれるようになっております。

 当社では、このようなニーズに対応し、経済性・耐震性・溶接性を併せ持った高張力鋼材として、降伏点下限値385N/mmの厚板『 HIBUIL385 』を開発し、この4月に建築基準法第37条による国土交通大臣の認定を取得致しました。本鋼材は当社が誇る最先端の加速冷却設備とTMCP(Thermo-Mechanical Control Process =熱加工制御)技術を駆使することにより、世界で初めて製造可能になった鋼材です。
 HIBUIL385の板厚範囲は19mmから100mm、降伏点の下限値は385N/mm(レンジ120N/mm)、引張強さの下限値は550N/mm(レンジ120N/mm)、降伏比は80%以下、0℃シャルピー吸収エネルギーは70J以上です。化学成分は低炭素当量化を実現しており、HIBUIL355と同一の規格値としています。製造は、NKKの京浜、福山の両厚板工場で行います。

 現在使用されている建築用鋼材を降伏点強度ランクで見た場合、235N/mm、325N/mm、355N/mm及び440N/mmとなります。一般に高強度の鋼材を使用した方が、必要部材断面の減少による鋼材重量の軽減、および鉄骨加工、運搬・建方負荷等の軽減がもたらされるため、高層建築になるほど鋼材の高強度化が求められています。一方、SA440は強度が高く優れた性能を持っている鋼材ではありますが、合金元素の添加と圧延後の複雑な熱処理工程が不可欠であり、鋼材コストが高くなることが避けがたく、また鉄骨加工時の溶接施工においても特別な管理が必要である等の難点がありました。このため、高層建築の鋼材は、325N/mm級が建築標準となっていました。

 当社はTMCP分野ではパイオニアであり、トップレベルの製造・品質管理技術と豊富な実績を有します。今回TMCP超狭範囲コントロールが、成分アップを抑制しながら強度アップを可能にし、鋼材の低コスト高強度化を実現しました。HIBUIL385の溶接施工性はHIBUIL325、355と同等であるため、強度が高い割には鉄骨加工時の溶接施工コストを低く抑えることができます。325N/mm級鋼材で設計された場合に比べ、所要鋼材重量の最大15%削減が可能であり、また、鉄骨コストの最大10%削減が可能となります。溶接部の衝撃特性についても充分配慮した成分系になっており、鉄骨加工時の大入熱溶接のご要望に対しても対応が可能です。

 HIBUIL385は降伏点235〜440N/mm級鋼材の中で強度、経済性、耐震性、溶接性のトータル性能として最も優れた、現在ユーザーから強く要望されている高性能高張力鋼材です。当社としましては、HIBUIL385の提供により、設計の自由度を拡大し、また高層建築用鋼材の降伏点グレードとして、385N/mmを新しい強度スタンダードにすることで、多様化する社会的ニーズに対応して参りたいと考えています。

以 上  


本件に関するお問い合わせは下記にお願いします。
NKK 秘書部広報企画グループ  TEL 03-3217-2431


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