Press Release

2002年 6月19日



「汚泥発生抑制型水処理システム」の実証実験開始



 当社は2004年度の実用化を目指し、新潟県津川町水質浄化センターにおいて「汚泥発生抑制型水処理システム」の実証実験に着手しました。このシステムは、当社基盤技術研究所が99年から開発してきた基本技術を応用したもので、常温可溶化菌を用いて引き抜き汚泥を溶解した後曝気槽にもどして分解し、減量化を図る技術です。汚水処理量1,000〜3,000m3/日程度の小規模下水処理場向けに汚泥の発生を抑制し、低コストで維持管理が容易なシステムの実現を目指します。

 具体的には、下水処理場から発生する余剰汚泥に微量の苛性ソーダを添加し、PH8程度に調整した後、汚泥中に存在する可溶化菌を優勢にした生物反応タンクで可溶化し、曝気槽に戻します。使用する可溶化菌はもともと汚泥中に生息している微生物であり、当社では2年間をかけて汚泥中の約20,000種類にのぼる微生物の中から、DNA解析などにより可溶化能力の高い11種類の微生物を特定することに成功しました。

 生物反応タンクでは1〜2日程度の滞留時間で汚泥中の有機物の30%以上が溶解して低分子化され、炭素分の一部はCO2にまで完全分解されます。したがって、曝気槽にもどされた溶解汚泥が水処理系に与える負荷も軽減されることが期待できます。従来の汚泥引き抜き量で運転を行った場合、余剰汚泥発生量を2/3に低減できます。汚泥引き抜き量を従来の3倍にした場合、余剰汚泥発生量をゼロにすることが可能です。可溶化菌を外部から補給せず、汚泥中に生息する菌を増殖させて使うことにより、設備費と運転費を低くできます。この実験では、可溶化菌の生息環境を適正にするための、DNAモニタリングなどの技術の構築も目指します。一方、可溶化菌を別途増殖させて加えることにより、さらに分解効率を高めることも可能です。

 このシステムを導入することによって、発生する余剰汚泥量を抑制し、脱水機等の汚泥処理施設の規模を小さくすることができるので、汚泥処理施設トータルの建設費、維持管理費の低減に大きな効果があります。施設の運転管理面では、従来使われていたDO(溶存酸素)等の物理化学的な指標だけではなく、生物反応シミュレーション技術やDNAモニタリング技術を組み合わせることによって、微生物の安定性を確保しながら最適な運転管理が行える維持管理手法の開発が可能と考えています。当社ではこの技術を将来、民営化事業等に進出する基本技術に育成する考えです。

 人口5万人未満の自治体における下水道の普及拡大に向け、低コストで維持管理の容易な水処理システムの開発が強く望まれていますが、当社ではこのようなニーズに応えられるように、「汚泥発生抑制型水処理システム」の実用化を急ぐとともに、今後積極的な販売活動を行ってまいります。


【参考資料】

以 上  


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