Press Release

2002年 6月21日



NKK福山製鉄所第一熱延工場「Super-OLAC H」
高バーリング高炭素熱延鋼板を開発
−自動車駆動系強度部品等への適用拡大を目指す−



 当社はこのたび本年4月に福山製鉄所(所長 小畠達雄専務)第一熱延工場に設置した高精度超高速冷却が可能な次世代型冷却設備「Super-OLAC H」(*1)を活用し、自動車駆動系強度部品用等のバーリング加工に適する高炭素熱延鋼板「ハイパーバーリング高炭素鋼板」を開発しました。

 従来、自動車のAT(*2)、CVT(*3)等の駆動系部品は鋳造または鍛造により製造されてきましたが、製造コストの低減のため、鋼板を用いてのプレス化が積極的に進められています。しかしながら、回転体部品の軸受け部あるいはフランジ部の板厚を部分的に厚くするような加工では、高い伸びフランジ成形性(バーリング加工性)が要求され、従来の高炭素熱延鋼板では加工時に割れが発生するため、プレス化の障害となっていました。

 当社が今回導入した熱延ランナウト高精度超高速冷却装置(Super-OLAC H)は世界最速の冷却速度(700℃/秒 at 板厚 3mm)を実現することができ、従来の設備では達成困難であった熱延組織の均一・微細制御が可能となりました。これにより焼鈍後の炭化物は冷延鋼板およびみがき帯鋼レベル以上の均一分散が得られ、バーリング加工性が大幅に向上しました。

 今回開発した「ハイパーバーリング高炭素鋼板」は、次のような優れた特長を持っています。

  1. 非常に優れたバーリング加工性(穴拡げ率、従来鋼板の2倍)を有することから、
    • 軸受け部を有する部品の成形に適している。
    • 円盤状部品のフランジ部の増肉加工に適している。
      これにより、切削などの機械加工を大幅に削減することができる。
  2. 優れた焼入れ性を有するため、高周波加熱などの短時間熱処理に適している。
  3. 素材の引張強度は440N/mm2級であることから、熱処理を施さない部位においても優れた耐久性を有する。
  4. 製造可能範囲は、S35C,S45Cクラスについて板厚:2.3〜6.5mmまでの対応が可能。
 これらの特性から、回転体などの軸対称部品の中でも肉厚の異なる複雑形状の部品の一体成形が可能となります。また、優れた加工性と焼入れ性および高強度のバランスを活かし、部分強化と併せて高い耐久性が得られ、高い品質を確保しながら部品点数や工数の削減などに寄与することから、一層の合理化が期待されます。

 当社では、Super-OLAC H技術をS35C、S45C以外の高炭素鋼にも適用することでハイパーバーリング高炭素鋼板をシリーズ化するとともに、同技術の特長を活かし、熱延、冷延ともにさらに高性能な高炭素鋼板を開発して参ります。加工性に優れた当社の高炭素鋼製品は、鋳・鍛造部品あるいは浸炭・窒化処理部品に代わるものとして自動車駆動系強度部品等へ広く採用頂けるものと確信しております。

(*1) Super On-Line Accelerated Cooling for Hot Strip Millの略
(*2) AutomaticTransmission(自動変速機)の略
(*3) Continuously Variable Transmission(無段変速機)の略


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以 上  


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NKK 秘書部 広報企画グループ
TEL. 03-3217-2431


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