Press Release

2002年10月 3日
 NKK[日本鋼管株式会社]

〔世界初〕 画期的な冷熱媒体『水和物スラリ』の製造システム実証実験開始について


 当社は、画期的な冷熱媒体である「水和物スラリ」を安定的に製造可能な『水和物スラリ製造システム』を世界で初めて開発し、このたび実証機を既存のオフィスビルの空調システムに組み込み、実証実験を開始いたしました。

 水和物スラリは、優れた熱特性を有する液系包接水和物の微細な結晶粒子と水溶液の固液混相流体ですが、過冷却の発生(=水和物の結晶が生成し始める本来の平衡温度より低い温度になっても結晶ができない状態になること)により生成温度の条件が不安定になるために目標の熱密度で安定して供給することが困難でした。当社が世界で初めて開発した『水和物スラリ製造システム』は、過冷却状態の制御(=過冷却を一定の温度範囲内に抑える制御)や熱密度の制御(=熱交換器内の水溶液の温度管理の精度を高める制御)をハイレベルで行うことで、空調システムに最適な温度の水和物スラリを安定的に供給することを可能にしています。このたびの実証実験は、既設のオフィスビルにおける空調システムの一部に『水和物スラリ製造システム』を組み込み、通常運転を行うもので、実運転時の製造システムの性能、省エネルギー性能等の把握を目的としています。
 なお本実証実験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のエネルギー使用合理化技術実用化開発の共同研究開発事業として、平成13年度から実施しているナショナルプロジェクトの一環です。

 当社が開発した水和物スラリは、以下のような特徴があります。
  従来の空調に用いる冷水と同じ温度域(5〜12℃)で潜熱をもっているために熱密度が大きく、冷熱媒体の流量を半分以下にできるので、搬送動力が最大1/5まで低減可能で、大幅な省エネルギーになります。また、冷水の2倍以上の蓄熱が可能であるため、蓄熱槽を1/2以下に小さくすることができます。
 さらに、この水和物スラリを用いた空調システムは以下のような効果が想定されます。
  1. 消費電力は、搬送電力の低減などにより、従来の冷水空調システムと比べて年間約50%の低減が期待できます。とくに、昼間の搬送ポンプ電力を大幅に低減することができます。
  2. 冷熱の製造温度が氷と比べて高いので、電力、ガスだけでなく、工場等の排熱を使った冷凍機で得られる冷熱の利用も可能です。
  3. 既存の冷水空調システム設計の配管口径で、水と同じ流量の水和物スラリを流すと二倍以上の冷熱供給が可能です。
  4. 地域冷暖房システムの導管網に利用することで、管のダウンサイジング等によりイニシャルコストの低減が図れます。

 ビル空調システム等の民生用エネルギーは近年ますます増加しており、冷房等による夏季電力需要はピーク電力の中で大きな割合を占めています。当社では、『水和物スラリ製造システム』の開発により、以上のような大幅な省エネルギーが可能になるとともに電力ピークを抑え、排熱利用の促進にも大きく貢献できるものと考えております。

【ご参考】


以 上


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 NKK 秘書部 広報企画グループ  TEL:03-3217-2123

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