Press Release

2002年10月17日
 NKK[日本鋼管株式会社]

大地震対応型のごみ焼却炉ボイラ架構を開発


 当社はこのたび、ごみ焼却施設の心臓部ともいえる、ごみ焼却炉および廃熱ボイラの大地震時の防災対策として、粘性減衰系のオイルダンパー(*1)と履歴減衰系の制震ブレース(*2)を併用した「ハイブリッド制震架構」を開発いたしました。

 従来、ごみ焼却施設建屋(以下、建屋と呼ぶ)は、立地地域により耐震性能上において余裕を持った設計を求められる場合があり、想定地震規模を関東大震災レベルの1.25倍あるいは1.5倍にする重要度係数を設定することがありました。
 一般的に建屋はSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)、RC造(鉄筋コンクリート造)等であり、ごみピットをはじめRC造の壁が建屋全体に多くあるため、耐震要素を確保し易く、重要度係数への対応が比較的容易でした。
 一方、ごみ焼却炉および廃熱ボイラはS造(鉄骨造)の骨組みで支えられ、壁等の耐震要素を配置することが出来ません。このような支持架構に重要度係数を設定した場合には、耐震コストの増加なしで、より高い耐震性を確保するのは容易ではありませんでした。

 「ハイブリッド制震架構」は、オイルダンパーと、国土交通大臣の認定を取得した当社の建材商品である制震ブレースを適用したものであり、これを採用することで、関東大震災レベルの1.5倍の大地震や兵庫県南部地震などの直下型地震に対して、次の効果が発揮できます。
 1. 制震ブレースの履歴減衰効果で、合理的に地震エネルギーを吸収することにより、架構全体の変形制御を可能(層間変形角1/100以内)にし、大地震時にも焼却炉とボイラ本体の機能に障害が生じない。
 2. 機器重量の偏在をともなうプラント架構特有のねじれ変形に対して、SRC造、RC造の建屋とオイルダンパーで連結。中小地震および大地震時に生じる建屋とプラント架構との間の変位の差をダンパーに作用させ、地震エネルギーを吸収するとともにねじれ変形を抑制する。
 3. 構造部材の塑性化を制震ブレースに集中させ、主要な構造部材である柱梁を無損償にすることができる。したがって、被災後のメンテナンスが不要もしくは容易となる。

 当社は今回の開発を機に、従来コストのままで耐震性能が大幅に向上し、災害時における円滑なごみ処理機能の維持のために有効活用できる、「ハイブリッド制震架構」を積極的に提案して参ります。

(*1)粘性減衰系のオイルダンパー
建屋と架構の間に生じる地震時の変形差がオイルダンパーのピストンの押し引きとなり、オイルがオイルダンパー内のオリフィス弁を通過する時の抵抗力によりエネルギーを吸収します。

(*2)履歴減衰系の制震ブレース
降伏点の低い鋼材(極軟鋼LY-100、160、225)をブレースに使用し、地震時に生じる軸変形の履歴ループによりエネルギーを吸収します。極軟鋼は座屈を防止する鋼管により補剛されているため、良好なエネルギー吸収能力があります。

【ご参考】


以 上


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 NKK 秘書部 広報企画グループ  TEL 03-3217-2138

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