Press Release

2002年11月28日
 NKK[日本鋼管株式会社]

飛灰混合溶融用JFE電気抵抗式灰溶融炉初号機の順調稼動


【概要】
 当社では、ダイオキシン類及び鉛等の重金属の有害物質濃度が高い焼却炉排ガスのばいじん(飛灰)を、焼却灰に混合・溶融して無害なスラグ及びメタルにする飛灰混合溶融に対して、実炉規模の実証プラントの実証試験で飛灰混合溶融技術を確立し、このたび愛知県春日井市向けに飛灰混合溶融炉(処理能力40t/日/炉×2炉)を建設納入いたしました。9月末までの試運転で所定の性能が確認され、引渡し後の本格稼動状況も順調に推移しております。

【内容】
1)  溶融対象
 新設工場(140t/日×2炉全連続燃焼式ストーカ炉)及び同規模の既設工場の2工場から発生した焼却灰、既設工場のアルカリ飛灰(消石灰を含む)、新設工場の2段バグ集塵方式の第1段バグ飛灰(消石灰を含まない)、ならびに資源化施設の粗大・不燃物処理設備から生じた破砕不燃物を混合溶融しております。
 各溶融対象物の処理フローを灰溶融設備フロー図(別紙)に示します。
2)  電気抵抗式灰溶融炉
 JFE電気抵抗式灰溶融炉の構造を別紙の図に示します。炉には黒鉛電極を使用しており、融かしたスラグ中に挿入してあります。スラグ自身の電気抵抗による発熱現象によって灰を溶融します。酸素がほとんど無い還元雰囲気で溶融するため、最も耐スラグ性のあるカーボンレンガを溶融スラグ接触面に使用でき、カーボン電極の酸化消耗を少なくすることができます。
 スラグとメタルは、炉内で長い滞留時間で比重分離され、それぞれ別の出湯口から排出されるため、水砕にしたスラグへのメタルの混入が少なく、磁力選別無しで有効利用できます。
 また、メタル以外の金属類は金属元素の状態に還元され、揮発性の高い亜鉛や鉛は多くの部分が排ガス側に揮発し、溶融飛灰に濃縮されます。
3)  操業結果
 平成14年7月2日から9月30日までの試運転期間に以下の性能、結果が得られました。
@  2炉各々の溶融炉定格運転(40t/日)ならびに、2炉同時運転での溶融炉定格運転(40t/日×2炉)及び前処理・搬送系の処理性能試験(100t/日)について基本性能が確認されました。試運転期間中に溶融炉投入ベースで1700t強の灰を安定して溶融しております。
A  飛灰混合灰tあたりの溶融電力量は約540kWhで、焼却灰単独溶融の電力原単位と同等でした。ヒートロスを含めた電力原単位は、灰投入量が増加するほど低下し、定格量溶融時(1.67t/h)は約770kWh/灰tでした。
B  灰t当りの電極消費原単位は0.9kgでした。実証試験では、灰tあたりの電極消耗量は焼却灰溶融で約1kg/灰t程度、飛灰混合溶融では2〜3kg/灰tでした。この違いは、破砕不燃物に含まれるプラスチック類が炉内還元強化の効果をもたらし、電極の消耗が抑制されたものと考えられます。
C  耐火物の状況確認を1号炉53日間、2号炉36日間の連続使用後行いました。まだ操業期間が短い段階の調査ではありますが、側壁、炉底ともに損耗は少なく、局部的な損耗も見られませんでした。
4)  スラグ及びメタルの有効利用
 本工場で生産されたスラグ及びメタルは有効利用することが計画されていましたので、利用に向けた性状調査を行ったのに加え、利用も行っております。
@  ハンマクラッシャにより破砕を行った水砕スラグの粒度試験結果は、TR (テクニカルレポート)A 0017:2002道路用溶融スラグ骨材(経済産業省 日本工業標準調査会 標準部会 審議)のFM-2.5規格の粒度分布をほぼ満足していました。また、物理特性は、道路用溶融スラグやコンクリート用溶融スラグのTR基準値を全て満たしておりました。
安全性の指標となる溶出試験の結果では、全ての項目において土壌環境基準以下でした。炉内が強還元であるため、スラグ成分でも鉛の含有量が15mg/kgと著しく低く、東京都の基準600mg/kg以下を十分に満たし、優れた品質のスラグであることを確認しました。
A  空冷したインゴット状の溶融メタルは、銅成分から非鉄精練の材料として有効利用されています。また、電気抵抗式灰溶融炉の特徴から、溶融飛灰中には亜鉛や鉛などの有価金属が高濃度に濃縮していますので、今後は精錬原料への利用が期待されます。

 焼却灰の溶融に対し、当社の電気抵抗式灰溶融炉は八王子市戸吹清掃工場(処理能力18t/日/炉)及び横浜市環境事業局金沢工場(処理能力60t/日/炉)において、安定した長期連続稼動実績を続けてきました。
 長期安定稼動が課題とされていた飛灰混合溶融炉においても、このたび、初号機から安定稼動を達成したことにより、環境プラント建設技術及び製鉄技術を総合したJFEの高い技術力が実証されました。当社は、今後、このJFE電気抵抗式灰溶融炉を積極的に自治体に提案し、拡販につなげていきたいと考えております。


【添付資料】

 

以 上


本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
 NKK  秘書部広報企画グループ  TEL 03-3217-2138

戻る



  Copyright (C)2002 NKK Corporation. All Rights Reserved.  ご利用に当たって