Press Release

2002年12月12日
 NKK[日本鋼管株式会社]

【世界初】画期的な方式による高効率の天然ガスハイドレート製造技術を開発


 当社は、画期的な方式により天然ガスハイドレートを高効率かつ連続的に製造する技術を開発いたしました。
 天然ガスハイドレート(NGH=Natural Gas Hydrate)は、水分子が構成する籠型構造の中に天然ガス分子が包蔵された物質で、1m3中に約170Nm3の天然ガスを蓄えることが可能です。自然界に存在する天然ガスハイドレート、いわゆるメタンハイドレートは新たな天然ガス資源として注目されています。一方、天然ガスハイドレートの優れたガス包蔵性および大気圧において−10〜−20℃での輸送・貯蔵が可能であるという特長に着目し、人工的にハイドレートを製造して天然ガスの輸送・貯蔵に利用する試みが、近年始められています。
 現在の代表的な天然ガス長距離輸送・貯蔵手段である液化天然ガス(LNG)は、−162℃での取扱いが必要となるため極低温に対応した設備が必要となります。そのため、東南アジア・オセアニア地域に多い中小規模ガス田には、LNG方式では経済性が確保できないことから未活用のものがあります。
 これに対し、天然ガスハイドレートはLNGよりはるかに常温に近い−10〜−20℃での輸送・貯蔵が可能であることから設備仕様の簡略化と冷却所要動力の低減が可能となるため、中小規模ガス田からの天然ガス輸送への応用が検討されています。当社が開発した天然ガスハイドレート製造技術を用いることにより、一層の経済性の向上が期待されます。

 天然ガスハイドレートは一般に低温、高圧の条件で生成し、例えば5℃、50気圧程度の圧力で天然ガスと水を接触させることによって製造されます。したがって、天然ガスと水との接触、およびハイドレート生成に伴う反応熱の除去とを効率良く行うことが、天然ガスハイドレートを工業的に大量製造するための課題となります。これらの課題を解決すべく当社が開発した天然ガスハイドレート製造技術は、以下の特徴を有する革新的なプロセスです。

  1. 管内を流れる水中に天然ガスの微細気泡を分散させることによって気液接触面積を大きくし、天然ガスと水との接触を飛躍的に促進する。
  2. 天然ガスが分散した水を通常の管式熱交換器と同様な冷却器で効率良く冷却して天然ガスハイドレートを製造する。

 模擬ガスとしてプロパンを使用した基礎実験の結果、当社が開発した方式は従来法と比較して飛躍的に高効率(高速・大量)かつ連続的にハイドレートを製造可能であり、また供給したガスが装置内を通過する間にハイドレート化する割合である転換率も極めて高くできることを確認しました。これらの優れた特性により、設備的には次のことが可能となります。

  1. 同規模の装置でも飛躍的に大量の製造が可能。
  2. ハイドレート生成が管内で行われるため、従来方式で必要だった冷却装置付の高圧圧力容器が不要。
  3. その結果、装置の簡略化・コンパクト化とそれに伴う設備費の削減が可能。

 なお、これらの優れた特徴が認められ、当社の天然ガスハイドレート製造技術に関する研究テーマはこのたび石油公団の提案公募研究に採択されました。今後、本研究ではベンチスケール実験設備を製作し、天然ガスの主成分であるメタンを用いて、実用化に向けた本格的実験を行う予定です。

 地球環境問題への対策が急がれる中、環境負荷の小さいクリーンエネルギーとして、今後、ますます天然ガスの需要は拡大していくと予想されます。当社は、天然ガスハイドレートによる天然ガス輸送・貯蔵システムを、LNGシステムを補完し未利用中小規模ガス田の経済的な開発のために重要な技術の一つと捉え、早期の実用化を目指して開発を推進してまいります。

以 上


[参考資料]



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 NKK秘書部広報企画グループ  TEL 03-3217-2123

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