Press Release

2003年 2月21日
 NKK(日本鋼管株式会社)

コージェネレーション廃熱を利用する新規メタン発酵技術の開発に成功


 NKK(日本鋼管株式会社)と大阪ガス株式会社は、コージェネレーション廃熱を利用する新しいメタン発酵技術の開発に成功しました。

 微生物を用いて有機廃棄物を分解しメタンガス(バイオガス)として回収するメタン発酵技術が、廃棄物の資源化の観点から注目されています。しかし、従来のメタン発酵技術を食品廃棄物等の固形廃棄物に適用した場合、以下のような問題がありました。

  1. 有機廃棄物の分解率が約70%程度と低く、残りの約30%の未分解物について、埋め立てや焼却等の処理が必要となり、運転費が高額となります。
  2. 分解に伴い発生するアンモニアがメタン発酵を阻害するため、処理前の廃棄物を水で約2倍に希釈することが必要となり、廃水処理費用が高額になります。また、メタン発酵槽も2倍程度の大きさが必要となります。

 そこで両社は、これらの問題を解決するため、分解率が高く、アンモニア処理も容易なシステムを開発しました。これは、約80℃で固形廃棄物を高効率に分解、可溶化する微生物群(超高温嫌気可溶化菌)を自然界から分離・培養できたことによるものです。現在までに、試験装置を用いた6ヶ月間の連続運転に成功し、可溶化液が全てバイオガス化されることを実証しました。なお、新しいメタン発酵システムの特徴は以下の通りです。

  1. 超高温嫌気可溶化菌を用いることにより、有機廃棄物の90%以上を可溶化することができるため、未分解物が従来技術の1/3程度となるとともに、利用可能なバイオガスの発生量が約1.3倍となります。この超高温嫌気可溶化菌の利用に必要な熱は、発生バイオガスを用いたコージェネレーションシステムの廃熱でまかなうことができます。
  2. 超高温嫌気可溶化菌の利用温度は80℃、pHは無調整で7.5〜8程度です。この環境下で発生したアンモニアは、大部分が蒸発して気体となっているため、硫酸に通すだけで容易に硫酸アンモニウムとして回収することができます。したがって水による希釈が不要となり、廃水処理費用が低減できるとともに、メタン発酵槽を小さくすることができます。また回収した硫酸アンモニウムは、肥料としてリサイクルでき、従来のメタン発酵技術よりさらに環境にやさしい技術と言えます。

 この技術を用いることにより、廃棄物処理費用、廃水処理費用の約50%を低減すると同時に、回収バイオガス量を約30%増大することができるため、投資回収年数を4年程度(従来技術6年程度)にできると考えております。

 また回収バイオガス量が増大することから、バイオガスを用いるコージェネレーションシステムの更なる省エネに繋がり、RPS制度に基づく新エネルギーの利用促進にも適した技術であると考えております。

 今後は、パイロットスケールの運転試験などを通して、超高温嫌気可溶化菌の運転管理やアンモニア回収のノウハウを蓄積し、平成18年度の商品化を目指します。

以 上

【 RPS制度 】
 電気事業者に対して、毎年度、その販売電力量に応じ一定割合(経済産業大臣の定める利用目標)以上の新エネルギー等電気の利用を義務づける法律 (H14.6.7法律第62号、 H15.4.1施行)。


本件に関するお問い合わせは下記にお願いいたします。
 NKK秘書部広報企画グループ  TEL 03-3217-2138

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