Press Release

2003年 3月14日
 NKK(日本鋼管株式会社)

「JFE高層鋼製魚礁 試験魚礁」の開発について


 当社は、このたび「JFE高層鋼製魚礁 試験魚礁」を開発・製作し、三重県度会郡南島町奈屋浦漁港沖合水深60m海域に沈設して、効果確認調査を実施することになりました。

1.開発背景
 わが国の水産業におきましては、200浬問題等の影響で、沿岸漁業の比重・重要性がますます高まってきており、その中で魚礁設置事業につきましても、比較的未利用な沖合域に大規模な漁場造成を望む声が強まり、従来の魚礁とは異なる沖合・大水深海域を対象とした「高層魚礁」の開発が期待される状況となっております。
 このような要望に応えて、当社は芙蓉海洋開発株式会社の協力を得まして、日本最大級となる40mクラスの高層鋼製魚礁の開発を進めてまいりました。この度、三重県度会郡南島町贄浦漁港内で試験魚礁の製作に着手し、今般その試験魚礁が完成いたしました。

2.試験魚礁の特徴
 本試験魚礁の最大の特徴は、上部および底部に大きな空間を有し、中間部はくびれた独特の「つづみ型」の形状にあります。高層魚礁は、一般的には上部が小さく底部が大きいジャングルジム状となっていますが、本試験魚礁は、上部と底部の2部分に「魚の隠れ家」となる面板・天板を組合わせた複雑空間を作り、中間部は魚のための広い遊泳空間を設けたため他に類を見ない特異な形状となりました。
 さらに、底部外周部には、ヒラメ等の底魚を対象とした水平小段を設置するとともに、高さ30mに位置する広い頂上部分には千鳥格子状に面板を配して、魚の蝟集に効果的とされる光学的陰影を形成しました。加えて、上部は付着生物の着生も期待出来る構造とし、また頂上部分の上には、魚が好むとされる高さを強調するためにアンテナ状の中層魚礁体を付加しております。

3.機能と期待される効果
 一般に、人工魚礁の構造の基本は、水平的にも垂直的にも「見通しが効かないが通り抜けられる構造」が有効的であると考えられ、そのためには光学的陰影(水平板)と流体的陰影(垂直板)が必要と言われています。本試験魚礁は、上部の千鳥格子状水平板による陰影と、底部の垂直板によって複雑な空間・陰影を形成しております。また、底部の垂直板には湧昇流を発生させる機能を併せ持つとともに、水平板・垂直板に付着する生物が発する音(テンプラノイズ)によって蝟集効果を増大させることが出来ます。こうした機能により、魚礁底部にはマダイ・イシダイ・カサゴ・イサキ・ヒラメ等の底魚を安定的に蝟集させ、通年にわたる持続的な漁獲に繋げることが期待されます。また、中間部のくびれ部分は、魚礁周辺の空間を拡げて、アジなどの群泳空間を確保する狙いがあります。さらに、上部ならびに中層魚礁体は、季節によって、ブリ類・カツオ・シイラなどの浮魚類を蝟集します。
 以上のことから、底魚類にも浮魚類にも効果的で、漁業者にとって「底魚で周年漁獲が得られ、季節的に浮魚で高収入が上げられる」という意味から、本魚礁のコンセプトを「底魚主食・浮魚おかず」といたしました。

4.効果調査
 本試験魚礁は、2003年3月13日に三重県度会郡南島町奈屋浦沖水深60mの海域に沈設いたしましたが、3ヶ月間の経過期間を経た後、蝟集状況等の各種調査を実施して参ります。
 当社は今後、沖合水産資源の持続的利用に貢献するため、JFE鋼製漁礁の有効利用を各自治体および漁業組合へ提案して参ります。

以 上


添付資料




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 NKK秘書部広報企画グループ  TEL 03(3217)2138

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