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気候変動

基本的な考え方

JFEグループにとって、気候変動問題は事業継続の観点から極めて重要な経営課題です。グループのCO₂排出量の99.9%を占める鉄鋼事業では、これまでにさまざまな省エネルギー・CO₂排出削減技術を開発し、製鉄プロセスに適用することにより、世界で最も低いレベルのCO₂排出原単位で生産を行っています。

また、JFEグループは、お客様の使用段階で省エネルギーに寄与する高機能鋼材、再生可能エネルギーによる発電など、多数の環境配慮型商品や技術を開発・保有しています。

今後さらにこれらのプロセスおよび商品の技術開発・普及を進めるとともに、これまで培ってきたさまざまな技術をグローバルに展開することで、これを機会と捉え、気候変動問題の解決に貢献していきます。

2019年5月、TCFD提言への賛同を表明し、TCFDが提言している「シナリオ分析」を用いて気候変動問題に対する課題を特定するとともに、持続的な成長に向けた戦略策定を進めてきました。2020年9月には、グループのCO₂排出量の大部分を占める鉄鋼事業において、2030年度のCO₂排出量を2013年度比で20%以上削減すること、また、政府のカーボンニュートラル宣言に先駆けて2050年に向けてカーボンニュートラル実現を目指すことを発表しました。

JFEグループ環境経営ビジョン2050

JFEグループは、主に鉄鋼事業を取り巻く環境変化に対応すべく事業構造改革を実施していく中で、地球規模の気候変動問題の解決を通じた持続可能性の向上を目指していきます。そして、2020年を気候変動問題へのさらなる対応強化の節目の年と位置付け、CO₂排出量削減に向けた取り組みを積極的に推進しています。

JFEグループは2021年、気候変動問題への取り組みを第7次中期経営計画の最重要課題と位置付け、2050年カーボンニュートラルの実現を目指した「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定しました。

「JFEグループ環境経営ビジョン2050」では、TCFDの理念を経営戦略に反映することで、気候変動問題の解決に向けて体系的に取り組んでいきます。鉄鋼事業においては、2024年度末のCO₂排出量を2013年度比で18%削減します。これにより、2020年に発表した2030年度目標を達成することはもとより、今後さらに技術開発を推進し、より意欲的な実行計画としての2030年度削減目標を中期計画期間中に公表する予定です。2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、当社独自技術であるカーボンリサイクル高炉をはじめとする超革新的技術に挑戦するとともに、さまざまな技術開発を複線的に進めるなど、あらゆる可能性を模索しながら取り組みを推進していきます。また、エンジニアリング事業の再生可能エネルギー発電やカーボンリサイクル技術の拡大・開発、高機能鉄鋼製品の供給等による社会でのCO2削減貢献を拡大していきます。さらに、グループ全体で洋上風力発電ビジネスの事業化を推進していきます。

【JFEグループ環境経営ビジョン2050】

  • 気候変動問題を極めて重要な経営課題ととらえ、2050年カーボンニュートラルの実現を目指します。
  • 新技術の研究開発を加速し、超革新的技術に挑戦します。
  • 社会全体のCO₂削減に貢献し、それを事業機会ととらえ、企業価値の向上を図ります。
  • TCFDの理念を経営戦略に反映し、気候変動問題解決に向けて体系的に取り組みます。

【第7次中期経営計画における取り組み】

  • 2024年度末のCO₂排出量を2013年度比で18%削減(JFEスチール)

    2030年度のCO₂削減目標については、技術開発の進捗に鑑みて本計画期間中に精査・公表

【2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み】

JFEスチールのCO₂排出量削減

  • カーボンリサイクル高炉+CCUを軸とした超革新的技術開発への挑戦
  • 水素製鉄(直接還元)の技術開発
  • 業界トップクラスの電気炉技術を最大活用した高級鋼製造技術の開発、高効率化等の推進
  • トランジション技術の複線的な開発推進
    ( フェロコークス、転炉スクラップ利用拡大、低炭素エネルギー変革等)

社会全体のCO₂削減への貢献拡大

  • JFEエンジニアリング:再生可能エネルギー発電、カーボンリサイクル技術の拡大・開発
    CO₂削減貢献量目標 2024年度1,200万トン、2030年度2,500万トン
  • JFEスチール:エコプロダクトやエコソリューションの開発・提供
  • JFE商事:バイオマス燃料や鉄スクラップ等の取引拡大、エコプロダクトのSCM(流通加工体制)強化等

洋上風力発電ビジネスへの取り組み

  • 洋上風力発電事業についてグループ全体で事業化を推進
    JFEエンジニアリング:着床式基礎構造物(モノパイル等)製造事業の検討
    JFEスチール:倉敷地区の新連鋳機を活用した大単重厚板の製造
    JFE商事:鋼材、加工品のSCM構築
    ジャパン マリンユナイテッド:洋上風力発電浮体の製作および作業船の建造
    グループ全体:リソースを最大限活用したオペレーション&メンテナンス

(注)

1.カーボンリサイクル高炉:高炉から排出されるCO₂をメタン化し、還元材として高炉に吹き込む技術

2.CCU:Carbon dioxide Capture and Utilization(CO₂回収・利用)

3.トランジション技術:低炭素や脱炭素への移行を進める技術

4.フェロコークス:鉄鉱石の還元効率を改善し、CO₂発生量を削減する革新的な高炉原料

第7次中期経営計画

JFEグループ 環境経営ビジョン2050 説明会資料

CO₂を排出することなく、高機能な鉄を大量に生産できるプロセスの開発は、今後の社会の持続的な発展のためには避けて通ることのできない取り組みです。カーボンニュートラルの実現に向けた様々な施策を実行する上で、研究開発や新規開発設備への更新に多額のコストが発生することは避けられず、社会全体でのコスト負担のあり方の検討や政府等による支援が必要と考えています。

高い目標である「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて、脱炭素インフラの整備とグローバルなイコールフッティングの実現を前提としつつ、世界の競合他社に先んじて、必要な脱炭素技術を可能な限り早い時期に確立することを目指します。

JFEグループのカーボンニュートラルに向けた取り組み

JFEグループのカーボンニュートラルに向けた取り組み

鉄鋼事業におけるカーボンニュートラル推進体制

JFEスチールでは、2020年10月に全社横断的な社長直轄プロジェクトチームを創設し、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた超革新技術の開発、実用化に向けた取り組みを推進してきました。2021年7・10月には専門組織を新設するなど、推進体制を改編し、取り組みを加速していきます。

JFEスチールのカーボンニュートラル推進体制

推進体制図

TCFDに基づく情報開示

TCFD提言に沿った情報開示

JFEホールディングスは、2019年5月27日、TCFD最終報告書の趣旨に対する賛同を表明しました。

G20財務大臣および中央銀行総裁の意向を受け、金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」。

気候関連のリスクと機会は中長期的に企業の財務に大きな影響を与えます。TCFDは、金融市場が不安定化するリスクを低減するために、G20からの要請で金融安定理事会が立ち上げたタスクフォースです。TCFDは、金融市場が気候関連のリスクと機会を適切に評価できるような情報開示方法を検討し、最終報告書として公表しています。

投資家等が財務上の意思決定を行うに際し、気候関連のリスクと機会が投資先の財務状況にどのような影響を及ぼすかを的確に把握していることが重要であるとの考えに基づき、組織運営における4つの中核的要素である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に関する情報を開示することを推奨しています。

TCFD対照表は以下をご参照ください。

ガイドライン対照表

ガバナンス

JFEグループは、「JFEグループ企業行動指針」の中で、地球環境との共存を図るとともに、快適な暮らしやすい社会の構築に向けて主体的に行動することを定めており、環境保全活動の強化や気候変動問題への対応等の「地球環境保全」は持続可能な社会を実現するうえで非常に重要な課題として認識しています。

従来から取り組んできた製鉄プロセスにおけるCO₂削減や環境配慮型商品の開発と提供等の取り組みについて、円滑にPDCAを回し適切にマネジメントを推進するために、2016年度に「地球温暖化防止」をCSR重要課題(マテリアリティ)として特定しました。2021年は、重要課題に経済的な観点の項目を加えるとともに、より重要度の高い項目を選定することで、経営上の重要課題として新たに取り組みを開始しました。その中で、課題の分野に気候変動問題解決への貢献(2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組み)を設定し、「JFEグループのCO₂排出量削減」および「社会全体のCO₂削減への貢献」の2項目を重要課題として特定しました。

これらの取り組みについては、JFEホールディングスの社長が議長を務める「グループCSR会議」のもと、グループを横断する「グループ環境委員会」を設置し、目標の設定、達成状況のチェック、グループ全体のパフォーマンスの向上等について議論することにより、監督・指導しています。

特に気候変動問題など、経営にとって重要なテーマについては、グループ経営戦略会議で審議し、さらに取締役会への報告を行っています。取締役会は気候変動問題等の環境課題について審議・決定し、または報告を受けています。

取締役会で審議・決定、または報告された気候変動問題に関する事案の例

  • TCFD最終報告書の趣旨に対する賛同表明
  • TCFD提言に沿った情報開示(シナリオ分析など)
  • 第7次中期経営計画「JFEグループ環境経営ビジョン2050」の策定
コーポレートガバナンス体制
環境マネジメント体制

気候変動問題への対応

JFEグループは気候変動問題への対応を経営の最重要課題と位置付け、
2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、強力に推進します。

私たちJFEグループは、中長期的な持続的成長と企業価値の向上を実現する上で、気候変動問題は極めて重要な経営課題であると考えています。地球規模で広がる気候変動問題への対応が急務と考え、従来よりCO₂削減活動を推し進めてきました。

2021年5月に策定した第7次中期経営計画(2021~2024年度)において、気候変動問題対応を改めて経営の最重要課題と位置付けて具体的な施策に落とし込み、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すべく、次の3点を大方針とする「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定し、新たなステージへの一歩を踏み出しました。

まず、企業理念「JFEグループは、常に世界最高の技術をもって社会に貢献します」に基づき気候変動問題の解決に向けて、超革新的技術に挑戦していきます。2050年カーボンニュートラルの実現については、現時点での確固たる解はなく、鉄鋼事業における超革新的技術の開発が必要です。今回、実現に向けた具体的な施策を含むロードマップを示しました。当社独自の超革新的技術である「カーボンリサイクル高炉+CCU」を軸 として、水素製鉄や電気炉等の技術開発にも並行して取り組み、最終的なカーボンニュートラルの実現に向けて複線的に進めていきます。

次に、CO₂削減の取り組みを事業リスクへの対応としてだけではなく、持続可能な社会の実現に貢献する新たな事業機会ととらえ、社会全体のCO₂削減に貢献することにより企業価値の向上を図っていきます。エンジニアリング事業における、再生可能エネルギー発電、カーボンリサイクル技術の拡大や開発、鉄鋼事業における電磁鋼板や超ハイテン材によるEV化・軽量化等、事業を通じたCO₂削減により、社会全体のカーボンニュートラル実現に貢献していきます。特に、洋上風力発電に関連するビジネスは、グループの総合力を発揮できる事業であり、今後グループ全体で積極的に取り組んでいきます。

最後に、TCFDの理念を経営戦略の策定に反映して、気候変動問題への対応を体系的に推進していきます。JFEグループは、2019年5月、TCFDの提言に賛同することを表明しました。CSR報告書2019で初めて、その提言に沿った開示を行い、シナリオ分析を通じて事業リスク、機会を明確化してきました。本年、これらの取り組みをさらに深化させ、第7次中期経営計画における重要な経営戦略として「JFEグループ環境経営ビジョン2050」策定に至っています。

CO₂を排出することなく、高機能な鉄を大量に生産できるプロセスの開発は、今後の社会の持続的な発展のためには避けて通ることのできない取り組みであり、JFEグループがグローバル競争の中で生き残っていくために必須の課題であると認識しています。高い目標である「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて、世界の競合他社に先んじて、必要な脱炭素技術を可能な限り早い時期に確立することを目指していきます。

JFEホールディングス株式会社 常務執行役員 北島 誠也

JFEホールディングス株式会社
常務執行役員
北島 誠也

JFEグループの気候変動戦略

気候変動問題に関わるさまざまなリスク・機会は、JFEグループの事業戦略に以下のように統合されています。JFEグループは、2021~2024年度の事業運営の方針となる「JFEグループ第7次中期経営計画」を策定し、グループの中長期的な持続成長と企業価値の向上を実現するために、気候変動問題への取り組みを経営の最重要課題と位置付けています。そして、「環境的・社会的持続性の確保」を主要施策の一つとして掲げ、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定することで、気候変動問題への取り組みを事業戦略に組み込むとともに、TCFDの理念を経営戦略に反映し、気候変動問題解決に向けて体系的に取り組んでいます。シナリオ分析をはじめとするTCFD提言に沿った情報開示を進めると同時に事業に影響を及ぼす重要な要因を選定し、特定したリスクと機会、評価を経営戦略に反映しています。

シナリオ分析結果およびJFEグループ環境経営ビジョン2050については以下をご参照ください。

TCFD推奨シナリオ分析
JFEグループ環境経営ビジョン2050 説明会資料

「JFEグループ環境経営ビジョン2050」では、カーボンニュートラルの実現に向けて、「鉄鋼事業のCO₂排出量削減」「社会全体のCO₂削減への貢献拡大」「洋上風力発電ビジネスへの取り組み」という3つの戦略を軸に企業活動を行っていくことを掲げています。特に環境への影響力が大きい製鉄プロセスにおいては、CO₂排出削減に向けた取り組みとともに、水資源・エネルギーの再利用に加え、環境に配慮した商品・プロセス技術の開発や資源循環ソリューションの提供を通じて積極的に環境負荷低減を推進していきます。

鉄鋼事業のCO₂排出量削減

カーボンリサイクル高炉(CR高炉)

JFEグループでは、「JFEグループ環境経営ビジョン2050」で公表した2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、カーボンリサイクル高炉(CR高炉)、水素製鉄、電気炉の開発に複線的に取り組んでいきます。なかでも、CR高炉とCCUを組み合わせることにより、高効率に大量の高級鋼を製造する事が可能な高炉法でCO₂が再利用でき、余剰のCO₂についても、メタノールなどの基礎化学品を製造するなどにより実質CO₂排出ゼロを目指すことができます。

CCU:Carbon dioxide Capture and Utilization(CO₂回収・利用)

【CR高炉の技術的な特徴】

CR高炉は、高炉から発生するCO₂をメタネーション技術によりメタンに変換し、これを高炉の還元材として繰り返し利用する超革新的な高炉技術です。高炉単体で30%のCO₂を削減し、CCU/CCUS を活用することによりカーボンニュートラルを目指すものです。さらに、通常高炉で吹き込んでいた空気を純酸素に換えることにより、空気に含まれる窒素の加熱に使っていたエネルギーをメタン加熱に使い、プロセスの熱効率を高めていきます。また、窒素が無くなることでCO₂の分離が容易になり、メタネーション向けにCO₂を分離する設備が小型化・効率化でき、CCUSでの効率的なガス利用が可能となります。

CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO₂回収・利用・貯留)

カーボンリサイクル高炉の概要

カーボンリサイクル高炉の概要

【技術革新への挑戦】

CR高炉を実用化するためにはキーとなる以下の技術革新が必要となります。JFEグループではこれらの技術革新に挑戦し、2050年のカーボンニュートラル実現を目指します。

大量のカーボンニュートラルメタンを酸素とともに高炉に吹き込みCO₂を削減する技術(世界初)

大規模メタネーション設備とCR高炉の連動操業(世界初)

水素還元製鉄向け原料処理技術の開発

JFEグループが取り組むカーボンニュートラルに資するもう一つの製鉄技術として水素還元製鉄技術があります。水素還元製鉄技術は、現在実用化されている直接還元製鉄で用いられている天然ガスを水素に100%置き換えることによって、鉄鉱石を還元する時にCO₂を排出させないことを目指したものです。

【新たな原料処理技術の開発】

直接還元製鉄の原料には高品位鉱石しか使えないという問題点があります。高品位鉱石は生産量が少なく、今後世界的に直接還元製鉄が拡大していく局面では入手が困難になると予想されています。

この問題に対し、JFEは鉄鉱石のサプライヤーの一つであるBHP社との協業により、生産量が大きく、現在高炉用原料として使われている低・中品位鉱石の新たな原料処理技術を開発する計画です。これにより低・中品位鉱石を直接還元製鉄用原料として戦力化し、原料ソースの拡大を目指します。

【原料の予熱、水素の加熱技術の開発】

水素還元の課題の一つに、水素による鉄鉱石の還元が吸熱反応であること、すわなち反応が進むためには熱を外部から与える必要があることが挙げられます。熱が不足した状態では、還元反応が十分に行われない可能性があるため、原料や水素ガスを加熱する技術を開発する必要があります。


JFEにおける電気炉プロセス技術の開発

JFEグループが取り組む、カーボンニュートラル向けた既存製鉄技術の開発として電気炉プロセス技術があります。電気炉プロセスは、鉄スクラップや直接還元鉄を溶解して鉄鋼製品を製造するプロセスで、現状でもCO₂発生量は高炉-転炉法に比べ1/4程度となっています。JFEグループでは将来的に原料として前述の水素還元鉄の利用やグリーン電力を利用することにより電気炉プロセスでのCO₂発生量をゼロにすることを進めています。

この様にCO₂発生量の削減にアドバンテージを持つ電気炉プロセスですが、高炉-転炉法に比べ大きく課題となる点が2点あります。それは、一般的な電気炉の生産性は高炉-転炉法に比べ30%程度低くなる点と、原料としてスクラップを使用することから不純物濃度が不可避的に増加し高級鋼の製造に制約があるという点です。JFEグループではこれらの点についても技術開発を進め、電気炉プロセスにおいても高生産性で且つ高品質な高級鋼を生産可能な技術の確立を目指しています。

【電気炉プロセスの生産性向上対策】

JFEグループでは、電気炉プロセスの生産性向上対策として環境調和型高効率電気炉「ECOARCTM」を開発しグループ各社に導入しています。本技術では電気炉上部にシャフト部を設け、そこに原料であるスクラップを連続投入することにより電気炉の高温排ガスで効率的に予熱し、後段の電気炉内での高効率・高速溶解を可能としたものです。これにより電気炉での高生産性と共に、溶解エネルギー(電力)の低減を達成しています。

JFEグループではこれらの技術により業界トップクラスの生産性、溶解エネルギー(電力)の低減を達成していますが、更なる高生産性を追求した技術開発を進めています。

環境調和型高効率電気炉「ECOARCTM

環境調和型高効率電気炉「ECOARC TM」

【電気炉プロセス製品の品質向上対策】

電気炉プロセスでは、スクラップや還元鉄を原料として溶解し製品を製造します。スクラップ等から混入する銅などの不純物が増加するため、自動車用鋼板では表面欠陥や加工性の低下、電磁鋼板では特性の悪化など、材質が劣化してしまう欠点があります。そのため、JFEグループでは、混入する不純物を除去する技術と不純物による悪影響を無害化する技術の両面から、電気炉プロセス製品においても自動車用鋼板や電磁鋼板といった高級鋼を製造可能な技術の開発を進めています。

関連する商品・技術一覧

2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ

2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ

第7次中期経営計画

JFEグループ 環境経営ビジョン2050 説明会資料

社会全体のCO₂削減への貢献拡大

エンジニアリング事業でのCO₂削減貢献

炭素を排出しない再生可能エネルギーを利用した発電プラントの需要は今後ますます増加すると考えられます。JFEグループでは、エンジニアリング領域において、バイオマス・地熱・太陽光・陸上風力発電などの設計・調達・建設・運営を事業として展開しています。さらに、資源循環と有効活用の観点から、廃棄物処理施設でも発電量増加への取り組みを進めています。

加えて、これら再生可能エネルギーをメイン電源とした電力の小売事業、ならびに再生可能エネルギーを活用したエネルギーの地産地消に焦点を当てた「地域新電力」の設立・運営の支援にも積極的に取り組んでいます。

カーボンニュートラルに向けた新たな取り組みとして、排ガスから回収したCO₂と収集/分別技術に強みを持つ廃プラを原料として化学品製造の原料となる合成ガス(CO+H₂)を製造するCCUの技術にも取り組んでいます。

これらの取り組みにより、2024年度に1,200万トン/年、 2030年度に2,500万トン/年の社会全体のCO₂削減に貢献していきます。

電磁鋼板

電磁鋼板はモータや変圧器等の電気機器の鉄心材料として広く用いられており、電気機器の性能を左右するキーマテリアルです。JFEスチールでは、高性能な電磁鋼板を供給することで世界的なCO₂排出削減に材料の側面から貢献しています。

【無方向性電磁鋼板】

世界的な気候変動対応への要求の高まりとともに、自動車の電動化が進み、これに不可欠な高級無方向性電磁鋼板の需要が急速に拡大すると想定されます。これに対応するため、西日本製鉄所(倉敷地区)において高級無方向性電磁鋼板の製造能力を2024年度上期に現行比2倍に増強する投資(約490億円)を決定しました。

高級無方向性電磁鋼板の需要予測
(当社試算、19年実績を1.0とした相対値)

高級無方向性電磁鋼板の需要予測(当社試算、19年実績を1.0とした相対値)

【方向性電磁鋼板】

今後も世界的な電力需要の増加と再生可能エネルギーの導入拡大が進むことで、変圧器に使用される方向性電磁鋼板の需要が増大していくと予測されます。特にインドでの方向性電磁鋼板の需要は2030年時点で2019年実績比1.7倍に増加すると想定しており、JFEの戦略的アライアンスパートナーであるJSW社と共同でインドでの方向性電磁鋼板製造販売会社設立の事業性検証を行うことを決定しました。

方向性電磁鋼板のインド需要予測
(当社試算、19年実績を1.0とした相対値)

方向性電磁鋼板のインド需要予測(当社試算、19年実績を1.0とした相対値)

【スーパーコア】

近年、小型・高速化が進展するモータ分野(電動車の駆動用、家電製品用、ドローン用等)では高出力化と高効率化が要求されており、鉄心材料である電磁鋼板には高周波鉄損※1の低減と磁束密度※2の向上が求められています。これには、鋼の電気抵抗を高めるSi(珪素)の添加を増やすことが有効であり、当社は独自開発したCVD(化学気相蒸着)※3連続浸珪プロセス技術を用いて浸珪量と拡散条件の最適化によるSi濃度分布のコントロールと結晶方位制御に取り組み、従来の無方向性電磁鋼板(3%Si鋼板)並みの磁束密度(高出力)を維持しつつ、モータの大幅な高効率化(省エネ)を可能とする高速モータ用Si傾斜磁性材料『JNRF™』の開発に成功しました。

※1鉄損とは、鉄心を交流で励磁した際に生じるエネルギー損失であり、主に熱として失われます。高周波で励磁した際に発生するエネルギー損失は特に高周波鉄損と呼ばれ、高速モータにおいては高周波鉄損が低いほどモータ効率は高くなります。

※2磁束密度とは、材料の磁化されやすさの指標であり、磁束密度が高い材料ほど強い電磁石となります。モータにおいては、磁束密度が高い材料を用いることで、より大きなトルク(力)が得られます。

※3鋼帯の焼鈍ラインにChemical Vapor Deposition (化学気相蒸着)法を適用し、連続通板しながら炉内でSiCl4(四塩化珪素)ガスと鋼帯を反応させ、鋼のSi濃度を高めるプロセス技術です。

スーパーコア製造プロセスの概要

【スーパーコア】

関連する商品・技術一覧

洋上風力発電ビジネスへの取り組み

日本政府が2050年までのカーボンニュートラル実現に向けた「グリーン成長戦略」の柱の一つとして位置づけた洋上風力発電について、エンジニアリング事業を主体として、JFEグループの総合力を活かして取り組んでいきます。具体的には、洋上風力発電の基礎構造物(モノパイル式)製造を事業化することにより、本事業における先行者となり、基礎製造・O&Mなど、グループ全体でサプライチェーンを構築していきます。これにより、政府目標であるカーボンニュートラル実現に大きく貢献していきます。

Operation and Maintenance


洋上⾵⼒ 発電ビジネスの事業化推進

発電ビジネスの事業化推進

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リスク管理(気候変動問題)

JFEホールディングスが持株会社として、「内部統制体制構築の基本方針」に基づきグループの包括的なリスク管理を担っています。JFEホールディングスの社長が議長を務める「グループCSR会議」を通じてグループ横断的に情報の集約と管理の強化を行い、リスクの発生頻度や影響の低減を図っています。

気候変動問題などをはじめとするESGリスクの管理についても、担当執行役員などがリスクの認識に努め、必要に応じてグループCSR会議において確認・評価し、その対処方針を審議・決定しています。特に経営にとって重要な課題については、「グループ経営戦略会議」で審議しています。

取締役会は、気候変動問題などのESGリスクやCSRに関する取り組みに係る重要事項について審議・決定し、または報告を受けています。

気候関連リスクの企業レベルでの特定・評価については、2017年にTCFDから提言されたフレームワークに従いシナリオ分析を踏まえて行っています。事業に影響を及ぼす重要な要因を選定し、より詳細な影響を分析することによって第7次中期経営計画などの事業戦略策定に活用しています。

気候変動関連課題のモニタリング方法

「グループCSR会議」、「グループ経営戦略会議」または「経営会議」は、経営に影響を及ぼす可能性のある課題についてモニタリングしています。モニタリング方法としては、各事業会社の環境委員会等で審議した気候関連問題について四半期に一度報告を受けており、対策を講じています。グループ環境委員会ではリスクに関する情報の集約と管理の強化を行い、リスクの発生頻度や影響の低減を図るだけでなく、機会の最大化に努めています。

モニタリングをもとにした対策

1.グループとしての方針審議

2.方針の浸透状況の監督

3.議題や発生した問題への対処事例などの情報共有

詳細は以下をご参照ください。

CSR推進体制
リスクマネジメント
環境マネジメント

指標と目標(中長期の目標と2020年度の実績)

JFEグループは、鉄鋼事業会社であるJFEスチールが所属する日本鉄鋼連盟にて策定された、3つのエコと革新的製鉄プロセス開発を柱とする低炭素社会実行計画を推進しています。この計画では、日本鉄鋼連盟として、2020年度までにBAU排出量(Business As Usual、特別な対策をとらない場合に生産実績に基づいて見込まれる予想排出量)に対して300万t-CO₂削減、2030年度までに900万t-CO₂削減を目標としており、JFEスチールもこの計画の目標達成に向けて積極的な活動を推進しています。

日本鉄鋼連盟は、これらの取り組みに加え、最終的な「ゼロカーボン・スチール」の実現を目指した2030年以降の「長期温暖化対策ビジョン」を策定し公表しました。JFEスチールもこの長期ビジョンの策定に中核的な立場で参画しました。さらに、2021年に「我が国の2050年カーボンニュートラルに関する日本鉄鋼業の基本方針」を発表し、日本鉄鋼業として早期のゼロカーボン・スチールの実現に向けて、果敢に挑戦することを宣言しました。

JFEグループは、鉄鋼事業を取り巻く環境変化に対応すべく事業構造改革を実施していく中で、地球規模の気候変動問題の解決を通じた持続可能性の向上を目指していきます。そして、2020年を気候変動問題へのさらなる対応強化の節目の年と位置付け、2030年度のCO₂排出量を2013年度比で20%以上削減、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すCO₂削減目標を掲げました。

2021年、JFEグループは気候変動問題への取り組みを経営の最重要課題と位置付け、「JFEグループ第7次中期経営計画」において2050年カーボンニュートラルの実現に向けた「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定し、新たなCO₂削減目標を公表しました。さらに、JFEスチールの国内の主要グループ会社においてもJFEスチールと同レベルのCO₂削減目標を策定しました。国内外のグループが一丸となって気候変動問題への取り組みを事業戦略に組み込むとともに、TCFDの理念を経営戦略に反映し、CO₂排出量削減に向けた取り組みを体系的に推進していきます。

JFEグループのCO₂削減に向けた取り組み(JFEグループ環境経営ビジョン2050)

第7次中期経営計画における取り組み
  • 2024年度末のCO₂排出量を2013年度比で18%削減(鉄鋼事業)

    2030年度のCO₂削減目標については、技術開発の進捗を鑑みて本計画期間中に精査・公表

    さらに、JFEスチールの主要グループ会社においても2024年度の個別のCO₂削減目標を策定し、この確実な達成に向けて取り組むこととしました。これにより、JFEスチールグループ全体のCO₂排出量の99%以上をカバーしています。

2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み
  • 鉄鋼事業のCO₂排出量削減

    カーボンリサイクル高炉+CCUを軸とした超革新的技術開発への挑戦

    水素製鉄(直接還元)の技術開発

  • エンジニアリング事業の社会全体のCO₂削減への貢献拡大

    CO₂削減貢献量目標 2024年度1,200万トン、2030年度2,500万トン

  • 洋上風力発電ビジネスへの取り組み

    洋上風力発電事業についてグループ全体で事業化を推進

JFEグループ環境経営ビジョン2050 説明会資料

JFEグループのCO₂排出量

JFEグループのCO₂排出量推移

洋上⾵⼒ JFEグループのCO₂排出量推移

※ 集計範囲:JFEスチール、国内外主要子会社30社
JFEエンジニアリング、国内主要子会社10社
JFE商事、国内外主要子会社33社 総計76社

JFEスチールの非エネルギー起源CO₂排出量を含む

2018年度からJFEスチール子会社およびJFEエンジニアリング子会社の非エネルギー起源CO₂も含む

2013年度から2016年度は、JFE条鋼 仙台製造所のデータを加えて算出

JFEグループのScope3排出量(2020年度)

JFEグループのScope3排出量(2020年度)
集計範囲:

<カテゴリー1,2,3,4,5>JFEスチール、JFEスチール国内連結子会社25社、JFEエンジニアリング、JFE商事

<カテゴリー6,7>JFEスチール、JFEスチール国内連結子会社25社、JFEエンジニアリング、JFEエンジニアリング国内連結子会社10社、JFE商事

<カテゴリー15>ジャパンマリンユナイデッド、JFEスチールの持分法適用会社9社(国内7社、海外2社)
出典:環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム等

CO₂排出関連の定量データは以下をご参照ください。

環境データ
JFEスチール

省エネルギーとCO₂削減への取り組み

JFEスチールでは、従来から高効率設備の導入などを中心に、省エネルギー・CO₂削減に向けた活動を積極的に推進してきました。

2020年度の省エネルギーとCO₂排出量実績

JFEスチールの粗鋼生産量推移

JFEスチールの粗鋼生産量推移

2013年度から2016年度は、JFE条鋼 仙台製造所のデータを加えて算出

JFEスチールのエネルギー消費量・原単位推移

JFEスチールのエネルギー消費量・原単位推移

2013年度から2016年度は、JFE条鋼 仙台製造所のデータを加えて算出

JFEスチールのエネルギー起源CO₂排出量・原単位推移

JFEスチールのエネルギー起源CO₂排出量・原単位推移

※12020年度の購入電力のCO₂排出係数:日本鉄鋼連盟の低炭素社会実行計画における2019年度購入電力のCO₂排出係数

※2日本鉄鋼連盟の低炭素社会実行計画における2019年度購入電力のCO₂排出係数を適用しているため、2019年度数値を更新

※32013年度から2016年度は、JFE条鋼 仙台製造所のデータを加えて算出

JFEエンジニアリング

JFEエンジニアリンググループのエネルギー起源CO₂排出量推移

JFEエンジニアリンググループのエネルギー起源CO₂排出量推移

集計範囲:JFEエンジニアリング、国内連結子会社10社

JFEエンジニアリングのCO₂削減貢献相当量(2020年度)

JFEエンジニアリングのCO₂削減貢献相当量(2020年度)

※1集計範囲:JFEエンジニアリング

※2集計範囲:JFEエンジニアリング、ドイツの子会社スタンダードケッセル・バウムガルテ(SBG)

JFE商事

JFE商事では、2001年に策定した環境方針のもと、エネルギー削減の一環としてオフィスにおける電力使用量の削減、紙使用量の削減、廃棄物の分別管理徹底などの活動を継続的に取り組んでいます。

電力使用量の削減については、定時退社デーの実施、深夜就業の禁止、ピンポイント照明などの取り組みも定着しました。5S活動による執務環境の改善、RPA化等による業務効率化を継続的に推進し、環境負荷の低減に寄与しています。2020年度は、コロナ禍により在宅勤務を実施したため、オフィスでの電力使用量が減少しました。

また、従前より、環境方針・年度目標・オフィスおよび商品取引活動に関連する環境への取り組みを記載したポケットサイズの社員携帯カードを全社員に配布することで、従業員の環境活動への意識向上を図っています。

JFE商事の電力使用量推移

JFE商事の電力使用量推移

JFE商事グループのCO₂排出量(2020年度)

JFE商事グループのCO₂排出量(2020年度)

※ 集計範囲:JFE商事、国内外鋼材加工会社33社の電力使用によるCO₂排出量

外部イニシアチブへの賛同・参画

JFEグループは、気候変動問題や環境保全に関わるさまざまな公共政策、外部イニシアチブについて、日本経済団体連合会や日本鉄鋼連盟などを通じて当社の考え方、意見を表明するとともに、それらの活動に主体的に参画しています。

また、グループとして「チャレンジ・ゼロ」宣言に賛同し、さまざまなイノベーションに挑戦していきます。「チャレンジ・ゼロ」(チャレンジネット・ゼロカーボンイノベーション)は、(一社)日本経済団体連合会が日本政府と連携し、「パリ協定」が長期的なゴールと位置付ける「脱炭素社会」の実現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを、国内外に力強く発信し、後押ししていく新たなイニシアチブです。

日本鉄鋼連盟は、2030年度を目標年次とする低炭素社会実行計画の達成に向けた取組みを進めています。一方、2030年以降を見据えては、2018年11月に策定した「長期温暖化対策ビジョン-ゼロカーボン・スチールへの挑戦-」、および2021年2月に発表した 「我が国の2050年カーボンニュートラルに関する日本鉄鋼業の基本方針」 において、日本鉄鋼業として最終的なCO₂排出ゼロの鉄鋼『ゼロカーボン・スチール』の実現に向けて果敢に挑戦することを宣言しました。JFEスチールも日本鉄鋼連盟の主要加盟会社として、これらの中長期の気候変動の取り組みに積極的に取り組んでいきます。また、グローバルでの協働として、日印鉄鋼官民協力会合、日ASEAN鉄鋼イニシアチブ、日中鉄鋼業環境保全・省エネ先 進技術交流会などに積極的に参加し、さらにISO14404に基づいて計測・算出する世界鉄鋼協会(WSA:World Steel Association)のClimate Action Programのメンバーとしても活動しています。

JFEエンジニアリングは日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)に加盟しています。JCLPは、持続可能な脱炭素社会の実現には産業界が健全な危機感を持ち、積極的な行動を開始すべきであるという認識の下に2009年に発足した、日本独自の企業グループです。脱炭素社会への移行を先導することで、社会から求められる企業となることを目指しています。JFEエンジニアリングは、JCLPとともに、持続可能な脱炭素社会の実現を目指して、企業の枠を超えたさまざまな活動に積極的に取り組んでいきます。

詳細は以下をご参照ください。

鉄鋼業界の取り組み

業界団体としての取り組み等

日本鉄鋼連盟 「地球温暖化対策」
日本鉄鋼連盟 「ゼロカーボン・スチールへの挑戦」
日本経済団体連合会 「チャレンジ・ゼロ」
日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)