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環境配慮型プロセス・商品の開発と提供

基本的な考え方

「JFEグループは、常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。」という企業理念のもと、気候変動問題の解決および環境負荷低減に向けたプロセス・商品の開発と提供を行っています。「JFEグループ環境経営ビジョン2050」において公表したJFEグループのCO₂排出量の削減と社会全体のCO₂削減への貢献拡大への取り組みのほか、地球環境の保全に関わるさまざまなプロセス・商品の開発と提供を通じて、企業価値の向上と持続的な社会の実現を目指していきます。

事業別の主な環境配慮型商品・技術

JFEグループでは、事業会社がそれぞれの強みを活かして、環境に配慮したさまざまな商品や技術の開発と提供を行っています。

主な環境配慮型商品・技術

商品/技術名 環境配慮の内容 対象事業会社 ステータス
フェロコークス 省エネルギー・CO2排出削減 JFEスチール 試験操業
バーナーランス 省エネルギー・CO2排出削減 操業
燃料・蒸気・電力運用
ガイダンスシステム
省エネルギー 一部運用
CCU/CCS
船舶のゼロエミッション燃料
CO2排出削減 開発
樹脂を活用した超高強度スチール 燃費向上・CO₂排出削減 開発
冷間プレス用1.5GPa級ハイテン 燃費向上・CO₂排出削減 販売
水素ステーション用Type1, 2蓄圧器 水素供給 販売
カルシア改質材 資源循環・生物多様性保全 JFEスチール 販売
鉄鋼スラグ水和固化体 資源循環・CO₂排出削減 販売
高炉スラグ細骨材を用いたプレキャストコンクリート製品 資源循環・CO₂排出削減 販売
高炉水砕スラグ製品 資源循環・生物多様性保全・CO₂排出削減 販売
マリンストーン® 資源循環・生物多様性保全 販売
フロンティアロック® 資源循環・生物多様性保全・CO₂排出削減 販売
マリンブロック® 資源循環・生物多様性保全・CO₂排出削減 販売
食品廃棄物リサイクル事業 資源循環・再生可能エネルギー J&T環境 事業拡大
地域新電力事業 資源循環・再生可能エネルギー JFEエンジニアリング 事業拡大
プラント統合運営システム
「J-Answer」
省エネルギー・効率化 運用開始
カーボンリサイクルの取組
(CO₂分離回収・Waste to Chemical)
CO₂排出削減 開発・実証
試験
好気グラニュールシステム 水質改善 開発
サーキュラーエコノミーへの取り組み 資源循環・省エネルギー 事業拡大
電磁鋼板におけるグローバルサプライチェーンの更なる拡大 省エネルギー・CO₂排出削減 JFE商事 販売拡大
洋上風力発電向け鋼材・基礎設備サプライチェーンの構築 再生可能エネルギー 事業拡大
バイオマス燃料の取扱い拡大 再生可能エネルギー・CO₂排出削減 販売拡大
スクラップ取引拡大による循環型社会発展への貢献 資源循環・CO₂排出削減販 販売拡大

JFEグループ環境経営ビジョン2050の詳細については、以下をご参照ください。

JFEグループ環境経営ビジョン2050
JFEグループ環境経営ビジョン2050 説明会資料[2021年5月25日]

JFEスチール

フェロコークス

フェロコークスは、低品位の石炭や鉄鉱石から製造される画期的な高炉用原料です。フェロコークス内部の金属鉄の触媒作用により、高炉で使用するコークス量を大幅に削減する省エネルギー技術です。

JFEスチールは、2017年度より(国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「環境調和型プロセス技術の開発/フェロコークス技術の開発」プロジェクトを推進しています。技術開発の一環として、敷地面積12,600m²、フェロコークス製造量300トン/日の中規模設備を西日本製鉄所(福山地区)に完成させ、2020年10月より実証試験を開始しました。この設備は、商用化した際の想定規模である日産1,500トンの5分の1の規模であり、原料の粉砕、乾燥から、成型、乾留(加熱して蒸し焼きにすること)までを一貫して行うことができます。またフェロコークス製造中に副産物として得られるフェロコークスタールを成型用の粘結材としてリサイクル使用する設備も備えています。

2021年度は、製造したフェロコークスを高炉で長期間使用する実証研究の準備を進めています。これを経て、2023年ごろまでに製銑プロセスにおけるCO₂排出量とエネルギー消費量を約10%削減する技術の確立を目指します。

フェロコークス中規模設備プロセスフロー

フェロコークス中規模設備プロセスフロー

フェロコークス中規模設備の外観
フェロコークス中規模設備の外観

バーナーランス

JFEスチールの溶融還元炉は、クロム鉱石(Cr₂O₃)をスラグ内で溶融し、炭材(コークス、石炭)で還元して、ステンレス鋼の原料である金属クロム(Cr)を回収する当社オンリーワン技術を導入した設備です。一般的なステンレス鋼製造プロセスと異なり、製造時にエネルギーを大量に消費するフェロクロム(FeCr)合金の使用量を大幅に削減することができるため、極めて高いエネルギー効率を実現しています。

今回開発した技術は、従来のクロム鉱石供給装置(クロム鉱石添加ランス)に、バーナー単体としては世界最大クラスの炭化水素ガスを燃料とする純酸素バーナー機能を付与し、高温火炎を介してクロム鉱石を加熱添加し、溶融還元に必要な熱を従来よりも高効率で与えるものです。またこれ以外にも、バーナーランスからの熱供給により、普通鋼転炉でのスクラップ溶解を促進させるといった利用方法も期待されています。

本技術の導入により、従来法と比較して、エネルギー効率が約20%向上し、CO₂排出量を約10%削減することが可能となりました。なお、本技術は第53回(令和2年度)市村産業賞本賞を受賞しています。

今後、本技術を転炉スクラップ溶解に展開し、スクラップ使用量の増加を通してCO₂排出量削減に寄与していくことで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

JFEスチール クロム系ステンレスとは

炭化水素燃料バーナーを利用したクロム鉱石溶融還元プロセス

炭化水素燃料バーナーを利用したクロム鉱石溶融還元プロセス

製鉄所における燃料・蒸気・電力運用ガイダンスシステム
~サイバーフィジカルシステムに基づく運用最適化による省エネルギー実現~

JFEスチールは、国内の製鉄所の燃料・電力運用における省エネルギー・CO₂削減を目的に、オペレーターによる運用を支援するガイダンスシステムを開発、運用を開始しました。これまでに西日本製鉄所(倉敷地区、福山地区)への導入を完了し、今後は他事業所への導入を進め、さらなる省エネルギー・CO₂削減を実現していきます。

製鉄所では、上工程で発生する副生ガス、ならびに電力および蒸気を所内の工場で有効利用し、不足分を外部からの購入で補っています。燃料・電力の運用にあたっては、コストやエネルギー損失が極力少なくなるように、各プロセスへの副生ガス配分、電力・燃料購入量、副生ガス貯蔵量などのさまざまな要素を決定することが求められます。

今回開発したガイダンスシステムは、CPSの概念に基づきリアルタイムに得られる膨大な測定データ(①)および各工場の詳細な生産計画を使用して、将来にわたる需給状況を高精度に予測し(②)、各種の操業制約、契約情報を考慮したうえで(③)、外部からの購入量が最小となる最適な運用条件をシミュレーションで求め(④)、オペレーターにガイダンスを行うものです(⑤)。

製鉄所のエネルギーフロー

製鉄所のエネルギーフロー

ガイダンスシステムの概要

ガイダンスシステムの概要
製鉄所における燃料・電力運用ガイダンスシステム

CCS/CCU
~メタネーション技術による船舶のゼロ・エミッション燃料を目指す業界横断の取り組み~

原材料および製品の輸送のほとんどを船舶で運搬する鉄鋼業にとって、鉄鋼サプライチェーン全体でのCO₂排出量削減に貢献することは重要です。そこで2019年8月に設置された「CCR研究会 船舶カーボンリサイクルWG」(WG=ワーキンググループ、以下「WG」)に参画し、メタネーション技術を船舶のゼロ・エミッション燃料に活用する構想の実現可能性を探る活動を行っています。本WGは株式会社エックス都市研究所、JFEスチール株式会社、株式会社商船三井、株式会社新来島サノヤス造船、日揮グローバル株式会社、一般財団法人日本海事協会、日本シップヤード株式会社、日本製鉄株式会社、日立造船株式会社の計9社が参加するもので、サプライチェーンとして①国内の製鉄所から排出されるCO₂を分離・回収・液化、②液化したCO₂を船舶で水素の供給地へ海上輸送、③メタネーション反応によりCO₂と水素から合成メタンを生成、④合成メタンを液化し、舶用燃料とすることを想定し、CO₂排出量の概算値を求めるとともに技術的課題の洗い出しを行っています。

鉄鋼事業のCO₂排出量削減

CCR研究会 船舶カーボンリサイクルWGの取組み

想定されるサプライチェーン

樹脂を活用した超高強度スチール製のエネルギー吸収構造
~マルチマテリアル化技術による自動車骨格部品のさらなる軽量化と衝突安全性能の向上~

JFEスチールとイイダ産業株式会社は、自動車のスチール製骨格部品に樹脂を活用したマルチマテリアル構造により、超高強度鋼板を自動車のエネルギー吸収部品に適用可能とする構造を開発しました。

近年、自動車の車体には高い衝突安全性能と軽量化の両立が求められており、構造骨格部品への超高強度鋼板(引張強度980MPa以上)の適用が大幅に増加しています。しかし、これらの適用はセンターピラー等の、衝突時の変形抑制が必要なキャビンを構成する部品に限られていました。一方で、衝突エネルギーを部品の変形によって吸収する必要のあるフロント・リアサイドメンバー等では、超高強度鋼板は、衝突時の部品座屈や大きな曲げ変形下では鋼板が破断してしまい、適用が困難でした。

そこで当社は、超高強度鋼板をエネルギー吸収部品に適用するため、イイダ産業株式会社が開発した高延性・高密着性樹脂を、超高強度鋼板製の部品本体と薄肉鋼板製の部品でサンドイッチした構造を開発しました。その結果、車両衝突時にエネルギー吸収部品が座屈・曲げ変形する際の、変形部の曲げRが大幅に拡大し、超高強度鋼板部品が破断しなくなるため、同一重量の比較で53%のエネルギー吸収性能の向上、同一エネルギー吸収性能の比較で25%の軽量化が可能となります。

開発したマルチマテリアル構造

開発したマルチマテリアル構造

マルチマテリアル化によるエネルギー吸収性能向上と軽量化

マルチマテリアル化によるエネルギー吸収性能向上と軽量化
樹脂を活用した超高強度スチール製のエネルギー吸収構造

冷間プレス用1.5GPa級高張力冷延鋼板(ハイテン)

2020年、JFEスチールが開発した1.5GPa(1470MPa)級高張力冷延鋼板が、冷間プレス用途として世界で初めて※1、自動車の骨格部品に採用されました。冷間プレスによる車体骨格部品の強度としては、世界最高レベルとなります。

車体骨格部品は、衝突時の乗員保護と軽量化による燃費改善のため、高強度化が進められています。1.5GPa級高張力冷延鋼板は、バンパーやドアインパクトビームをはじめとする単純な形状の部品には、既に適用されていました。形状が複雑な車体骨格部品への適用は、鋼板の高強度化による冷間プレス性や耐遅れ破壊特性※2の低下などから、これまで1.3GPa(1310MPa)級までにとどまり、熱間プレス工法※3による1.5GPa級高張力鋼板の適用が進んでいました。

JFEスチールは西日本製鉄所(福山地区)にある独自のWQ方式※4連続焼鈍プロセスの高い冷却能力を活用して、合金の添加と鋼板の微視組織の不均一性を極限まで低減することより、1.3GPa級高張力鋼板と同等の冷間プレス性を有しながら、1.5GPa級高張力鋼板でも特に高い降伏強度※5と耐遅れ破壊特性を両立させることで、環境負荷が小さく低コストな冷間プレス工法によって、車体骨格部品に1.5GPa級高張力鋼板を適用することが可能となりました。JFEスチールは、本製品の自動車部品としての利用を通して、社会でのCO2排出削減に貢献していきます。

※1当社調べ

※2耐遅れ破壊特性:水素に起因するプレス成形後の静的な脆性割れを発生しにくくする性質。

※3熱間プレス工法:素材を高温に加熱して軟質にした後、プレス金型で成形と焼入れを同時に行い、高強度な部品を得る工法。

※4WQ方式:水焼入れ。Water Quenchの略。

※5降伏強度:鋼板が変形し始める強度。部品強度に直接的に影響する。

WQ方式連続焼鈍設備の模式図

WQ方式連続焼鈍設備の模式図
冷間プレス用1.5GPa級高張力冷延鋼板

水素ステーション用Type1, 2蓄圧器の実用化

JFEスチール株式会社とJFEコンテイナー株式会社は、2018年度に国産初の水素ステーション用Type2蓄圧器※1の商品化を完了し、愛知県の豊田豊栄水素ステーションで採用されました。2020年度には大容量普及型Type1蓄圧器※2を商品化し、販売を開始しました。容器はストレート形状とすることで、高耐水素脆化特性※3を有するミクロ組織を作りこみ、業界最高水準の高圧力範囲・長寿命を実現しました。

Type1蓄圧器は業界標準容量の300Lに対し、100~400L程度までの容量の製品を製造可能であり、蓄圧器の最適な構成が容易になり、お客様の事情に即したステーション建設に貢献するとともに、建設コストの低減にも大きく寄与します。Type2蓄圧器は使用可能圧力範囲が広く、一度に多量の水素供給ができる特長があります。そのため、環境に配慮した移動手段である燃料電池バスや給水素台数が多いステーションでの採用が期待され、今後ニーズが高まっていくと予想されます。

※1Type2蓄圧器:鋼製ライナの胴部に炭素繊維強化型樹脂(Carbon Fiber Reinforced Plastics : CFRP)を巻き付けて高い特性を発現させた複合容器蓄圧器です。JFEグループで取り組んだType2蓄圧器研究開発の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の水素利用技術研究開発事業(2013~2017年度)の一環として行われました。

※2Type1蓄圧器:極厚シームレス鋼管を用いて製造した蓄圧器です。Type2と比較して、圧力範囲は狭くなる一方で、大容量かつ低コスト化が可能です。

※3水素脆化:水素により特性が劣化する現象

水素ステーション向け 大容量普及型 Type1 蓄圧器

水素ステーション向け 大容量普及型 Type1 蓄圧器

水素ステーション向け 高圧力範囲型 Type2 蓄圧器

水素ステーション向け 高圧力範囲型 Type2 蓄圧器

豊栄水素ステーション外観
豊栄水素ステーション外観

カルシア改質材

カルシア改質材は、転炉系製鋼スラグを原料として成分管理と粒度調整したスラグ製品で、浚渫土(しゅんせつど)にカルシア改質材を混合したものをカルシア改質土と呼びます。カルシア改質土は、混合前の軟弱な浚渫土に比べ強度が高いため、水中投入時に浚渫土が周囲に散逸して環境を悪化させることを抑制することが可能です。

埋立て材、浅場・干潟造成材、埋戻し材などに適用可能であり、浚渫土の有効活用が可能です。横浜港の新本牧ふ頭建設工事では、中仕切潜堤の築堤材に利用されました。

区画して埋立するために、外周護岸内側の水面下に設けられる堤防

カルシア改質材とカルシア改質土

カルシア改質材とカルシア改質土
カルシア改質土の適用用途例(浅場・干潟造成材)
カルシア改質土の適用例(浅場・干潟造成材)

鉄鋼スラグ水和固化体

鉄鋼スラグ水和固化体は、セメントコンクリートの代替として、セメントの代わりに高炉スラグ微粉末、骨材である天然石砂の代わりに製鋼スラグなどを混合したスラグ製品です。主な原材料に鉄鋼スラグを有効活用しているため、天然材採取による環境影響の抑制やセメント使用量削減によるCO₂抑制効果が期待できます。

鉄鋼スラグ水和固化体製ブロックや人工石材は、港湾工事におけるコンクリートブロックや天然石材の代替材として、国土交通省の羽田D滑走路工事、東日本大震災後の護岸復興工事などの適用実績があります。また、千葉港葛南中央地区港内においては地元漁業協同組合の協力を得て、現地モニタリングにより生物多様性への効果も調査しています。

消波根固ブロック
消波根固ブロック
鉄鋼スラグ水和固化体製人工石材を用いた港湾修繕工事
鉄鋼スラグ水和固化体製人工石材

高炉スラグ細骨材を用いたプレキャストコンクリート製品

セメントのように固まる性質がある高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートは、凍結防止剤や下水道などの劣悪環境下での耐久性を飛躍的に向上させる新技術です。従来から環境負荷低減効果が評価されてきましたが、高耐久性を有するコンクリート構造物としても期待されています。

2019年3月に、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の成果の一つとして、土木学会から高炉スラグ細骨材をプレキャストコンクリート製品に適用するための指針(案)が発刊され、高速道路や桟橋のプレキャスト床版でも使用されています。高炉スラグ細骨材による高耐久化とプレキャスト製品の品質の安定化が相まって、国土強靭化への貢献が期待できます。

高炉スラグ細骨材を用いた桟橋のプレキャスト床
高炉スラグ細骨材を用いた桟橋のプレキャスト床版

CO₂削減に貢献する高炉水砕スラグ

高炉水砕スラグは、粉末状に粉砕してセメントと混合すると、セメントと同様にコンクリートの結合材となり、セメント製造時のCO₂を削減します。例えば、高炉水砕スラグをセメントと45%置換した高炉セメントは、セメント製造1トン当たりのCO₂排出量を41% 削減できます。JFEスチールは、2020年度に約640万トンの高炉水砕スラグをセメント向けに提供し、約455万トンのCO₂削減に貢献しています。

1トンのセメント製造に伴うCO₂排出量(㎏ -CO₂/ton)

CO₂排出源 普通セメント 高炉セメント
石灰石 473 272
電力・エネルギー 311 190
合計 784 463

鉄鋼スラグ製品による海洋環境再生とブルーカーボンへの取り組み

粒度調整した鉄鋼スラグである「マリンストーン®」は、閉鎖性海域のヘドロ状底質からの硫化水素の発生を抑制し、生物が生息できる環境に改善するなど海の豊かさを守る機能があります。その優れた効果が評価され、第12回エコプロダクツ大賞の農林水産大臣賞および第26回日経地球環境賞優秀賞を広島大学と連名で受賞しました。

一方、鉄鋼スラグ水和固化体製人工石材の「フロンティアロック®」は藻場や漁礁としても高い機能が認められています。静岡県南伊豆町沖の海底に造成された潜堤には、多年生大型海藻のアンクトメやノコギリモクなどのほかイセエビ、サザエ、多種の魚類などが集まるなど、水産資源が回復していました。

さらに、近年研究が進んでいるブルーカーボン(海洋で生息する生物によって吸収・固定される炭素)に注目して、鉄鋼スラグ製品による藻場の造成、藻場全体の炭素吸収量の測定にも取り組んでいます。さらに「マリンブロック®」によるサンゴの着生効果試験も実施しています。

「フロンティアロック®」潜堤に集まった魚群
「フロンティアロック®」潜堤に集まった魚群
「マリンブロック®」上で成長するサンゴ
「マリンブロック®」上で成長するサンゴ

鉄鋼スラグ製品による海辺の賑わうまちづくりへの貢献(横浜市との連携協定)

JFEスチールは、横浜市との共同研究により、炭酸ガスを製鋼スラグに吸収させた「マリンブロック®」などの鉄鋼スラグ製品が、生物付着基盤や海域環境改善材として有効に機能することを明らかにしました。この成果を横浜市での豊かな海づくり事業に活かすべく、2020年3月に協定を締結しました。協定に基づいた海の環境改善に向け、連携した取り組みを計画中です。

「横浜の海の生物生息環境改善による豊かな海づくりに関する連携協定」

二枚貝がびっしり着生したマリンブロック®(山下公園前海域)
二枚貝がびっしり着生したマリンブロック®(山下公園前海域)
JFEエンジニアリング

食品廃棄物リサイクル事業の取り組み

JFEエンジニアリンググループ会社のJ&T環境(株)は、食品廃棄物を回収、発酵させて発生したメタンガスを燃料に発電を行う、食品廃棄物リサイクル事業に取り組んでいます。

2018年に設立した(株)Jバイオフードリサイクルをはじめ、札幌バイオフードリサイクル(株)(北海道札幌市・2019年株式取得)、(株)東北バイオフードリサイクル(宮城県仙台市・JR東日本(株)、東京ガス(株)、東北鉄道運輸(株)と共同で2019年設立2022年稼働開始予定)、(株)バイオス小牧(愛知県小牧市・2020年株式取得)により食品廃棄物リサイクル事業を推進し、再生可能エネルギーの供給拡大に貢献していきます。


社名 食品廃棄物処理量 年間想定発電量 備考
(株)Jバイオフードリサイクル 80ton/日 11,000MWh 稼働中
札幌バイオフードリサイクル(株) 68ton/日 1,470MWh
(2020年実績)
稼働中・配合飼料・肥料
原料へのリサイクル
(株)東北バイオフードリサイクル 40ton/日 6,500MWh 2022年度稼働予定
(株)バイオス小牧 120ton/日 9,200MWh 2022年度稼働予定
食品リサイクル
バイオガス(メタンガス)発電施設

官民連携の地域エネルギー事業への取り組み 地域新電力事業の展開

 JFEエンジニアリングは日本各地において地方自治体と連携した地域新電力会社を設立し、再生可能エネルギーの供給を中心とした地域エネルギー事業に取り組んでいます。

地域に存在する水力や地熱などの再生可能エネルギーを有効利用するための仕組みづくりや、廃棄物発電など、JFEエンジニアリングが建設した再生可能エネルギープラントからの電力を地域の公共施設などに供給するための仕組みづくりを行い、エネルギーの地産地消を推進します。これらの取り組みは再生可能エネルギーの普及促進による地域の脱炭素化への貢献に加え、廃棄物発電等による廃棄物の有効利用を通じて、これらの地域と協業による行政コストの削減、地域の産業インフラの充実などの実現を目指しています。

JFEエンジニアリングが展開するエネルギーの地産地消

JFEエンジニアリングが展開するエネルギーの地産地消

プラント統合運営システム「J-Answer」

JFEエンジニアリングは、これまで以下のような、プラント運営を高度化するシステムを開発し、プラントの安定運営に活用しています。

  • ・「Pla'cello(プラッチェロ)」   : AI・ビッグデータを容易に活用できるデータ解析ツール
  • ・「PAZ(パズー)」         : 環境プラントの運営データを集約・活用し、報告書の自動作成機能なども有したプラント運営管理シ ステム
  • ・「BRA-ING(ブレイング)」    : AI画像解析などを利用することで、これまで廃棄物処理施設の運転員が行っていた介入操 作をAIが行う焼却炉自動運転システム
  • ・グローバルリモートセンター(GRC): 全国の運営プラントのデータを集約・監視・遠隔運転するリモートセンター

自社のプラント運営業務にこれらを適用し、2019年には日本初の廃棄物処理施設での完全無人運転を実現しています。

「J-Answer」は、これまで個別に展開してきた各システムを連携し、データの共有による利便性の向上を図るとともに、連携したデータの解析などにより、運営業務全体の最適解を提供するプラットホームシステムです。当社は生活の上流から下流まで、幅広い環境プラントの建設・運営によって培った知見を活かし、運営における共通要素と各技術分野における個別要素を最適に組み合わせ、廃棄物処理プラント向の「J-Answer for waste」と水処理プラント向の「J-Answer for aqua」を構築しました。

これらを、プラント運営において活用し、循環型社会の形成、およびプラント運転時の環境負荷の低減による環境の保全へ貢献します。

J-Answerシステム構成

プラント統合運営システム「J-Answer」
プラント統合システム「J-Answer」

カーボンリサイクルの取り組み(CO₂分離回収・Waste to Chemical)

JFEエンジニアリンググループは、これまでもペットボトルを再生利用するBottle to Bottleリサイクルなど、プラスチックごみの資源化に取り組んできました。さらに、CO₂のカーボンリサイクルと廃プラスチックのケミカルリサイクルを同時に達成するための技術開発を進めています。焼却炉や発電施設から発生するCO₂の分離回収技術、および回収されたCO₂を利用して化学品を製造する技術等を開発し、事業化することにより、低炭素社会・資源循環型社会の実現に貢献します。

JFEエンジニアリングにおけるカーボンリサイクルの取り組み

カーボンリサイクルの取り組み

好気グラニュール法による下水処理を東南アジアへ展開

JFEエンジニアリングは、東南アジアで急激な人口集中に伴って高まる下水処理ニーズに対して、省スペース・省エネルギーを特長とする“好気グラニュール法”の取組みを進めています。

下水の浄化には、従来、活性汚泥と呼ばれる泥状の微生物群を利用します。活性汚泥は浄化された水との沈降分離に長い時間を要するため、下水処理場の最終沈殿池は広大な敷地面積を必要とします。一方、本技術は、泥状の活性汚泥の代わりに好気グラニュールを用います。好気グラニュールは、粒状になるので、沈降分離が短時間で行えます。そのため、下水中の汚濁物の分解や浄化された水との沈降分離も効率良く行われ、下水処理場の敷地面積や消費エネルギーは削減されます。例えば、従来法に比べて敷地面積で50~75%、消費エネルギーで40~60%削減されています。

当社は、フィリピンでの本技術の有効性の検証を完了し、今後はフィリピン下水市場をはじめ、東南アジアへの展開を目指します。

Royal Haskoning DHV社(蘭国)の保有する“Nereda🄬 technology”。2020年にグローバルな視点で“水処理においてこの10年間で最も大きなブレークスルーがなされた技術”として選出された画期的な技術であり、当社はフィリピン下水処理市場での独占契約を締結。

1分間の沈降分離状況(左;好気グラニュール、右;活性汚泥)。下側が微生物群で上側が浄化された水。
1分間の沈降分離状況(左:好気グラニュール、右:活性汚泥)。下側が微生物群で上側が浄化された水。
オランダ Germarwolde下水処理場本技術と従来技術で、同じ処理量(70,000m3/日)において敷地面積60%削減されている
オランダ Germarwolde下水処理場
本技術と従来技術で、同じ処理量(70,000m3/日)において敷地面積60%削減されている

JFEエンジニアリングの事業を通じたサーキュラーエコノミーへの取組

JFEエンジニアリングは、廃棄物発電や再生可能エネルギー発電、食品やプラスチックなどのリサイクルを行う環境プラント、上下水道、橋梁など社会を支えるインフラについて、設計・施工から運営、メンテナンス、改築等、ライフサイクルに合わせた多様な商品・サービスを提供しています。

廃棄物発電プラントや各種リサイクルプラントの建設・運営事業においては「廃棄物を徹底的に利用する」取り組みを推進します。さらに、これらのプラントを含む社会インフラ施設について、省資源・長寿命設計、省エネ・省力施工、および効率的な運用、効果的なメンテナンスや改築を統合的に実施することにより「インフラを最大限使い切る」取り組みを推進します。

JFEエンジニアリングの複合的な事業を通したこれらの取り組みにより、サーキュラーエコノミーを推進し、持続可能な社会の実現に向けて貢献します。

JFEエンジニアリングにおけるサーキュラーエコノミー

JFEエンジニアリングの事業を通じたサーキュラーエコノミーへの取組
JFE商事

電磁鋼板におけるグローバルサプライチェーンの更なる拡大

CO₂排出の削減をはじめとした気候変動問題への取り組みにおいては、発電された電力をいかにロスなく利用するかが重要なポイントとなります。全世界の電力消費量のうち、発電所や工場、家庭など様々な場所で使用されているモーターによる電力消費量は全世界で40~50%、日本においては約60%を占めています。仮に日本において、モーターの効率を1%改善すると、50万kWクラスの大型発電1基分に相当する省エネルギーになるといわれています。

脱炭素社会実現へ向けて今後普及が見込まれる電気自動車(EV)の主機モーターや、車1台に50~100個搭載されているといわれている各種車載モーターは、さらなる高効率化および小型化による軽量化が期待されています。

また、発電した電力を工場や家庭に届ける際のエネルギーロスを最小にするため、送配電設備における損失のうち、多くを占める変圧器のさらなる高効率化も重要な課題です。

JFE商事は、モーターや変圧器の高効率化に貢献する高品質な電磁鋼板をJFEスチールや他の鉄鋼メーカーから仕入れ、お客様のニーズに合わせ、必要な加工を施したうえで安定的に供給するサプライチェーンの体制を整えています。

高品質な電磁鋼板を必要とするモーターメーカーや変圧器メーカーなどの需要家は、グローバルに製造拠点を展開していることから、これまで当社も「日本・米州・中国・アセアンにおけるグローバル4極体制」の中で電磁鋼板のサプライチェーンを拡大して参りました。第7次中期経営計画においては、さらなるサプライチェーンの拡大や加工機能の深化、アライアンス企業との協業拡大などを通じて、お客様のニーズにきめ細やかに対応し、電磁鋼板加工流通分野における体制構築を充実させていきます。

洋上風力発電向け鋼材・基礎設備サプライチェーンの構築

カーボンニュートラルに向けた各国の取り組みが拡大しており、風力発電を含めた再生可能エネルギーの活用は重要な課題となっています。

日本における洋上風力発電は2019年に再エネ海域利用法が制定され、事業化の制度が整いつつあります。日本政府は電源構成における洋上風力発電比率を2019年度の0.7%を2030年度に1.7%へと上昇する計画を発表し、今後洋上風力の建設案件が増加する見込みです。また他のアジア各国も洋上風力発電プロジェクトを相次いで発表しています。

JFEグループでは、洋上風力発電分野における先行者となり、風力タワーの基礎設備や設備の運用管理・保守点検等において、グループの総合力を活かしたサプライチェーンの構築に取り組んでいきます。

JFE商事では洋上風力のタワー基礎設備におけるサプライチェーン構築を進めています。洋上風力の取り組みが先行する台湾において、設備を製造する現地企業と協業しており、洋上風力向け鋼材サプライチェーンでの経験を積み重ねています。更に今後は、日本近海の洋上風力発電ビジネスにおいても鋼材や基礎設備のサプライチェーンにおいて、お客様の需要に対応することで、再生可能エネルギーの普及に貢献していきます。

バイオマス燃料の取扱い拡大

JFE商事は、バイオマス発電事業者による燃料需要に対応し、パームヤシガラ(Palm Kernel Shell:以下PKS)をマレーシア・インドネシアから日本へ輸入しています。さらに昨今、脱CO₂ニーズのさらなる高まりから、再生可能エネルギーのなかでも、天候に左右されないバイオマス発電の需要が拡大しており、その燃料としてPKSだけではなく、木質ペレットにも着目し、バイオマス燃料の安定供給に対応していきます。木質ペレットは、育林の育成過程で生じる間伐材・剪定材や、製材工場で発生する端材などの廃材を有効活用した木質バイオマス燃料です。

JFEエンジニアリングをはじめ、バイオマス発電事業者への燃料供給を通じて、JFEグループで「環境に優しい社会」へ貢献していきます。

PKS
PKS
木材ペレット
木材ペレット

スクラップ取引拡大による循環型社会発展への貢献

JFE商事はリサイクル事業として、鉄スクラップ、アルミスクラップを扱っており、特に鉄スクラップは国内取引だけでなく、アジア各国への輸出、外国間取引も行っています。一般的に日本からの鉄スクラップ輸出はバルク船が主体ですが、JFE商事が導入したコンテナ積込システムによって、小ロットからのタイムリーな出荷が可能となり、アジア地域における循環型社会の拡大に寄与しています。

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