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ニュースリリース


JFEホールディングス株式会社

2015年 JFEホールディングス社長年頭挨拶

代表取締役社長 馬田 一

代表取締役社長 馬田 一

皆さん、あけましておめでとうございます。

新年にあたり、JFEグループの皆さんに一言ご挨拶を申し上げます。

日本経済は、この約2年間で緩やかに回復してきています。政府・日銀による金融緩和政策や財政政策などの効果もあり、超円高の是正や企業業績および株価の回復など明るい兆しが見られます。このような中、JFEグループの業績も、各事業会社・グループ会社の皆さんの努力のおかげもあり、2年連続で前年度から好転する見込みです。
 しかしながら、個人消費・地方経済の底上げは道半ばの状況であり、景気回復に向けた国及び企業の努力がこれからますます問われてきます。
 また、日本においては「少子高齢化」・「エネルギー問題」・「国の財政問題」など将来に不安を残す問題も深刻化しております。世界においては経済の不透明感が依然として続いていますし、ロシアによるクリミア併合・中東情勢の緊迫化・エボラ熱流行など、私たちの予想外のことが起き、それが国境を越えて他国の政治・経済にも影響を与える状況です。こうした不確実かつ変化の激しい環境下では、的確な状況判断と迅速な行動が必要となります。

1.本年の取り組みについて

昨年は、第4次中期経営計画で掲げた目標のうち「既存事業の収益力強化」に重点的に取り組みました。本年も、国内収益基盤の更なる強化と革新的な技術開発・画期的な新商品開発を推進し、持続的な成長のための企業体質の確立に取り組むという、私たちが目指す方向性は変わりません。継続的な取り組みを行っていきたいと思います。

2.重点課題

一つ目の課題は、「既存事業の収益力強化」・「持続的な成長」への継続的な取り組みです。各事業会社では昨年の取り組みによる成果が発現してきており、この得られた手応えを揺るぎない形にすることが必要です。
  JFEスチールは、これまで自動車向け薄板を中心に中国・東南アジア・インドへ拡大してきました。これからは、私たちがこれまでに培った技術力を高めながら、注力する地域や品種を新たに拡げ、海外での収益向上を目指してください。また、国内で着手している投資案件を着実に立ち上げて、計画通りの効果を実現することに努めてください。そして、目標であるROS10%の早期達成に向けて取り組んでください。
 JFEエンジニアリングは、昨年行ったM&A投資による海外での事業拡大と、復興再生・東京オリンピック特需後の将来を見据えた新規分野への事業拡大を精力的に行ってください。
 JFE商事は、特に海外における商社機能を最大限発揮し、JFEグループの先駆けとなって市場開拓に努めてください。

二つ目の課題は、ガバナンス強化への取り組みです。
 JFE発足以来取り組んでいるガバナンス強化の一つであるコンプライアンスに関し、JFEグループのコンプライアンス委員会での報告案件数は、2003年度には78件ありましたが、2014年度上期では2件と大幅に減ってきました。
 しかしながら、お客様、株主、取引先、地域社会からの目はますます厳しくなっており、また人々の働き方の多様化に見られるように、世の中の環境は次々と変化しています。様々な変化に対応しガバナンスを一層強化していくという不断の努力が必要です。一人ひとりがCSRを徹底し、全てのステークホルダーの皆様に対する責任を果たすことにより、信頼関係を更に深めていくようお願いします。

三つ目の課題は、人材確保と育成に繋がる取り組みです。
 JFEグループの事業会社・グループ会社の多くは、これから10年後には約4割の人材が入れ替わります。また、日本においては「少子高齢化」が進み、人口、とりわけ労働人口が減ることが見込まれています。こういった環境下で事業を継続していくためには、広く人材を集め、効果的な教育や技能の伝承を行っていくことが不可欠になります。シニア雇用の促進、中途採用の拡大や女性が活躍しやすい環境作りなどダイバーシティの推進を常に意識した取り組みの継続が必要です。そのためには、現行の会社の仕組みを変更するなど柔軟な対応も求められます。
 また、広く人材を集めるためには魅力的な企業であり続けることも必要です。
 JFEグループの魅力は、企業理念である「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」を実践し、社会の課題解決へ取り組んでいるということです。例えば、JFEスチールは、省エネルギーに寄与する鉄鋼製品を提供しています。JFEエンジニアリングは、バイオマス発電など再生可能エネルギーの利用促進により社会・地域に貢献しています。また多くのグループ会社の製品やサービスもそれぞれの分野で社会に大いに貢献しています。会社を通して社員一人ひとりが社会に貢献しているという自覚を持ち、JFEグループが10年・20年先も魅力ある企業であり続けられるように取り組んでいきましょう。

以上の課題は、第4次中期経営計画においても取り組んできた課題です。今年度は、第5次中期経営計画の初年度となりますが、私たちが中長期的に目指していく方向性は今までと変わりません。第4次中期経営計画の成果を反省した上で計画を策定し、4月から着実にスタートさせて下さい。

3.最後に

以上、年頭に当たり私の思いの一端を述べました。
 社員一人ひとりが健康であり健全な精神を持ち続けることが大切であり、全ての大前提です。それぞれに留意しながら、一年間頑張っていきましょう。
 本年が皆さんとご家族にとり、健康で実り多い年となることを祈念し、新年の挨拶といたします。