ニュースリリース
公益財団法人JFE21世紀財団
JFEホールディングス株式会社
公益財団法人JFE21世紀財団
2017年度 大学研究助成 交付研究の決定について
公益財団法人JFE21世紀財団(理事長:林田英治 JFEホールディングス(株)代表取締役社長)は、1990年の設立以来、JFEグループとともに、21世紀鉄鋼産業の振興および豊かな生活文化の形成への貢献を目的とする諸活動を続けてきました。
このたび当財団は、主要活動の一つである大学研究助成事業において、2017年度の助成金交付対象となる36件の研究(技術研究26件、アジア歴史研究10件)を選定しました。1件あたりの助成金額は、「技術研究助成」200万円、「アジア歴史研究助成」150万円で、助成金総額は6,700万円となります。当財団では、11月30日に日比谷国際ビル(東京都千代田区)において研究助成金贈呈式を行う予定です。
なお、これにより1991年度から2017年度まで27年間の大学研究助成における累計交付件数および助成金総額は、690件、13億3,330万円となります。
「社会に開かれた存在を目指し、社会との共存共栄をいっそう進める」を設立趣旨とする当財団は、社会貢献の一端を担う公益事業を、これからも一層推進して参ります。
2017年度・大学研究助成の交付研究(一覧)(五十音順、敬称略)
1.技術研究助成 計26件
技術研究助成は、財団創設時からの継続事業で、「鉄鋼技術」と「地球環境・地球温暖化防止技術」を助成対象としています。「鉄鋼技術」は、日本が世界をリードする先端技術を有し、また将来にわたり世界の産業の主要材料であり続けるための、鉄鋼の製造プロセス・材料開発・鉄鋼関連技術を助成対象としています。「地球環境・地球温暖化防止技術」は、地球環境保全と省エネルギーや再生可能エネルギーなどの地球温暖化防止に資する技術開発を助成対象としています。
今年度は76大学等169件(国公立(含高専)56校135件、私立16校24件、国公立研究機関10件)の応募があり、技術研究助成審査委員会での厳正な審査の結果、「鉄鋼技術研究」13件、「地球環境・地球温暖化防止技術研究」13件、合計26件を助成研究として選定しました。
(1)「鉄鋼技術研究」 13件
応募された研究テーマの内訳は、鉄鋼プロセス12件、鉄鋼材料29件、鉄鋼関連技術23件の合計64件でした。このうち鉄鋼プロセス研究2件、鉄鋼材料研究7件、鉄鋼関連研究4件の計13件を選定しました。
飴山 惠 | (立命館大学 理工学部機械工学科・教授) 「特異点制御を活用した鉄鋼材料の新しい加工熱処理プロセスの開発」 |
生嶋 健司 | (東京農工大学 大学院工学研究院 先端物理工学部門・准教授) 「超音波による磁気イメージングを利用した残留応力評価法の開発」 |
上路 林太郎 | (物質・材料研究機構 構造材料研究拠点・主幹研究員) 「界面による塑性拘束効果に着目した日本刀型鋼板の高強度化」 |
太田 光浩 | (徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 機械科学系・教授) 「Moment-of-Fluid法による沸騰熱伝達現象の三次元詳細数値解析」 |
川畑 友弥 | (東京大学 大学院工学系研究科 システム創成学専攻・准教授) 「厚鋼板アレスト特性改善に寄与するき裂分岐制御技術の探索」 |
Chiari Luca | (千葉大学 大学院工学研究院 共生応用化学コース・特任助教) 「オーステナイト系ステンレス鋼における水素脆化支配因子の決定」 |
菊本 統 | (横浜国立大学 都市イノベーション研究院・准教授) 「潜在水硬性による水砕スラグの強度増加過程を反映した土構造物の設計体系の構築」 |
佐々木 秀顕 | (愛媛大学 大学院理工学研究科 物質生命工学専攻・講師) 「アルカリ水溶液中における低純度鉄の腐食の電気化学的評価」 |
鈴木 茂 | (東北大学 多元物質科学研究所・教授) 「弾性率安定性に優れた鉄合金の集合組織と残留応力の解析と制御」 |
陳 中春 | (鳥取大学 大学院工学研究科 機械宇宙工学専攻・教授) 「マルエージング鋼の3D積層造形および組織制御による高性能化」 |
中田 隼矢 | (岡山大学 大学院自然科学研究科 産業創成工学専攻・助教) 「高空間分解能デジタル画像相関法を用いた金属材料の極限変形能評価」 |
中野 博昭 | (九州大学 大学院工学研究院 材料工学部門・教授) 「ポリエチレンイミンと活性金属を共析させた高耐食性電気亜鉛めっき鋼板の開発」 |
長谷部 忠司 | (神戸大学 大学院工学研究科 機械工学専攻・准教授) 「FTMP場の理論に基づく高Crフェライト系耐熱鋼の不均質回復とクリープ強度 劣化過程のマルチスケールシミュレーション」 |
(2)「地球環境・地球温暖化防止技術研究」 13件
応募された研究テーマの内訳は、地球環境保全32件、地球温暖化防止73件の合計105件でした。このうち地球環境保全3件、地球温暖化防止10件の計13件を選定しました。
天野 佳正 | (千葉大学 大学院工学研究院 共生応用化学コース・助教) 「有毒藍藻類の浮揚性能を利用した新たなアオコ除去システム構築に向けた基礎研究」 |
石井 一英 | (北海道大学 大学院工学研究院 環境創生工学部門・准教授) 「農業残渣の燃料利用の飛躍的普及のための半炭化技術の開発」 |
石井 智 | (物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点・主任研究員) 「窒化チタンナノ構造を用いた光触媒の可視活性化」 |
加藤 茂 | (豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 建築・都市システム学系・教授) 「トンボロ干潟の形成・維持過程とその保全に関する基礎的研究」 |
加藤 知道 | (北海道大学 大学院農学研究院 連携研究部門・助教) 「森林によるCO2吸収量計測のためのクロロフィル蛍光センサーの開発」 |
佐藤 勝俊 | (京都大学 学際融合教育研究推進センター 触媒・電池元素戦略ユニット・特定助教) 「原子間マルチインタラクションを利用した高活性なCO2水素化触媒」 |
佐藤 正寛 | (東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻・助教) 「持続可能なエネルギーシステムの基盤となる絶縁技術に関する基礎研究」 |
蜷川 忠三 | (岐阜大学 工学部電気電子・情報工学科・教授) 「ビル空調群ネガワット仮想発電所の均し効果と不確実性の定量評価」 |
根岸 雄一 | (東京理科大学 理学部応用化学科・教授) 「水素社会実現を加速させる高活性水分解光触媒の創製」 |
福井 国博 | (広島大学 大学院工学研究科 化学工学専攻・教授) 「木質バイオマス発電燃焼灰の肥料化・循環利用のためのカリウム濃縮プロセスの開発」 |
堀 彰宏 | (名古屋大学 大学院工学研究科 応用物質化学専攻・助教) 「高効率液体水素貯蔵を実現する多孔性金属錯体の開発」 |
松本 健俊 | (大阪大学 産業科学研究所 第2研究部門・准教授) 「高純度産業廃棄物を有効利用したリチウムイオン電池の創製」 |
百瀬 年彦 | (石川県立大学 生物資源環境学部環境科学科・准教授) 「夏の農業ハウス内に電力なしで冷熱源を作り出す技術の開発」 |
2.アジア歴史研究助成 10件
アジア歴史研究助成は、アジアの全域を研究対象地域とし、各地域の政治、経済、社会、文化等の歴史的経緯を踏まえながら、未来を見据えて考察することで、日本が「21世紀アジアと共存共栄するための日本の産業と文化のVision構築に資する」研究を助成対象としています。
13年目を迎えた今年度は56大学等75件(国公立28大学41件、私立24大学30件、国公立研究機関他4件)の応募があり、アジア歴史研究助成審査委員会での厳正な審査の結果、下記10件を助成研究として選定しました。応募研究の対象地域は、東アジア(中国、韓国等)が今年も62%と多数を占め、東南アジア17%、西アジア10%等が続いています。
青木 敦 | (青山学院大学 文学部史学科・教授) 「電子データ活用による南宋法典の復元とその法治主義的傾向に関する研究」 |
伊藤 隆郎 | (神戸大学 大学院人文学研究科 社会動態専攻・准教授) 「ポスト・モンゴル期アラビア語歴史叙述の地域性と普遍性」 |
片岡 樹 | (京都大学 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・准教授) 「日本宗教史論を参照したタイ仏教論構築の試み」 |
神長 英輔 | (新潟国際情報大学 国際学部国際文化学科・准教授) 「近代東北アジア諸地域におけるコンブ漁業の比較研究」 |
坂口 一成 | (大阪大学 大学院法学研究科 法学・政治学専攻・准教授) 「中国における弱者の権利実現の実状:公的法律扶助制度の展開とその背景」 |
千葉 功 | (学習院大学 文学部史学科・教授) 「未刊行史料にもとづく日本の韓国併合・朝鮮統治の研究」 |
白 佐立 | (東京大学 大学院総合文化研究科 附属教養教育高度化機構・特任准教授) 「戦後台湾公営集合住宅の都市生活史」 |
馬 暁華 | (大阪教育大学 教育学部教育協働学科・准教授) 「グローバル時代に対応する人材育成と歴史教育戦略の構築に関する国際比較研究」 |
三牧 聖子 | (高崎経済大学 経済学部国際学科・准教授) 「東アジアの歴史和解に向けて-国際機関・域外アクターとの協力体制の構築」 |
森平 崇文 | (神戸学院大学 グローバル・コミュニケーション学部・准教授) 「大正昭和前期日本人の中国芸能の受容とその研究-在野研究を中心に-」 |
「(公財)JFE21世紀財団」概要
・名称: | 公益財団法人JFE21世紀財団 | |
・沿革: | 1990年12月 | 川鉄21世紀財団設立(旧川崎製鉄(株)が、創立40周年を記念して設立) |
2003年 4月 | JFE21世紀財団に改称 | |
2012年 4月 | 公益財団法人へ移行 | |
・総資産: | 28億40百万円(内 公益目的保有財産21億08百万円)(2017年3月末) | |
・公益目的事業 | (2017年度公益会計事業費予算:1億29百万円) |
- 大学研究助成(技術研究助成およびアジア歴史研究助成)および大学教材等出版事業
- 文化振興事業:
①鉄鋼に縁のある地域への貢献(地域イベントへの協賛等)
②「海外子女文芸作品コンクール」協賛と優秀作品文集の小中学校への寄贈
・運営/組織(50音順)(2017年9月現在)
理事長 | 林田英治 | JFEホールディングス(株) 代表取締役社長 |
専務理事 | 岡田伸一 | JFEホールディングス(株) 代表取締役副社長 |
理 事 | 岡本圀衞 | 日本生命保険(相) 代表取締役会長 |
小林栄三 | 伊藤忠商事(株) 会長 | |
下村節宏 | 三菱電機(株) 相談役 | |
平田好則 | 大阪大学 名誉教授 | |
福島久哲 | 九州大学 名誉教授 | |
古原 忠 | 東北大学 教授 | |
前田正史 | 東京大学 教授 | |
吉川 洋 | 立正大学 教授 | |
監 事 | 大木哲夫 | JFEホールディングス(株) 常務執行役員 |
谷上和範 | 公認会計士、新日本有限責任監査法人 シニアパートナー | |
評議員 | 浅井滋生 | 名古屋大学 名誉教授 |
井口 学 | 北海道大学 名誉教授 | |
梅村 坦 | 中央大学 名誉教授 | |
柿木厚司 | JFEスチール(株) 代表取締役社長 | |
馬田 一 | JFEホールディングス(株) 相談役 | |
前川弘幸 | 川崎汽船(株) 顧問 | |
三島良直 | 東京工業大学 学長 |
JFEホールディングス(株) IR部広報室 TEL:03-3597-3842