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ニュースリリース


JFEホールディングス株式会社

2021年 JFEホールディングス社長年頭挨拶

代表取締役社長  柿木 厚司

代表取締役社長 柿木 厚司

 

皆さん、明けましておめでとうございます。

新年にあたり、JFEグループで働く皆さんに一言ご挨拶を申し上げます。

 

JFEグループを取り巻く事業環境は、非常に厳しい状況が続いています。特に、足元では、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により、国内外の経済活動は急速に減速し、これまで経験したことのない甚大な影響を受けています。現在、感染防止策と社会経済活動の両立に向けて世界的な取り組みが進められていますが、私たちは、事業環境がコロナ以前の状態に戻ることを前提に諸施策を考えるべきではありません。また、鉄鋼事業においては、長期的に、国内では少子高齢化などにより、鋼材需要の減少、労働力不足など、海外では新興国の鉄鋼生産能力拡大や中国鉄鋼メーカーの輸出増加などの構造的変化も、コロナ影響とは別に進んでいます。 一方では、世界的なESG投資の拡大などを背景に、ESG課題、特に、気候変動問題への対応は、グループの事業継続の観点で重要な経営課題の一つとなっています。JFEグループは、気候関連の財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に沿ったシナリオ分析やCO2削減目標の開示など、業界をリードする活動を進めてきましたが、国内外では、最終的なカーボンニュートラルの動きが活発化し、より一層の対応が求められています。 このような激しい環境変化の中ではありますが、この難局を新たな挑戦のチャンスと捉え、グループの総合力を最大限に生かし、ポストコロナという新しいステージへの一歩を踏み出して行く必要があります。

本年の取り組みについて

コロナ影響下にあっては、しばらく先のことだと思っていた変化が一気に押し寄せてきて、コロナ前の時間軸で対応していたのでは後手に回りかねません。そうした中、JFEグループは、経営環境の大きな変化に柔軟かつ適切に対応し、「経済的持続性」(経済価値の創出)と「環境的・社会的持続性」(ESG課題の解決)を兼ね備え、長期にわたって価値を提供し続ける強靭な企業グループを目指しています。 まず、グループの安定した収益基盤を構築して行きます。DXの推進により、収益力の向上、成長戦略の実現、ビジネスモデルの高度化につなげることも重要な観点です。また、気候変動問題への対応強化として、CO2削減の取り組みをより一層推進し、ESG課題の解決に向けて取り組んで行きます。 ポストコロナという新しい環境、すなわちニューノーマル(新常態)に向けて、強固なグループ収益体制の構築を徹底的に推し進めて行きます。

重点課題

○収益力の徹底的な強化
JFEグループ全体として収益力の強化が急務です。大胆な「選択と集中」の発想で、事業会社・部門が何を実行すべきかを考え、課題に前向きに取り組んでください。また、ポストコロナにおけるさまざまなシナリオを用意し、強固な収益体制を構築してください。 特に、グループの収益基盤であるJFEスチールは、しかるべき水準の黒字化の達成や構造改革に向けた施策を着実に推し進めてください。 JFEエンジニアリングは、運営型事業で安定した収益基盤を構築し、M&Aを通じた事業拡大と、成長が期待できる海外需要を確実に捕捉してください。 JFE商事は、サプライチェーンの最適化や、コロナ影響の長期化懸念を踏まえた拠点・調達の多元化を図り、次なる飛躍を目指してください。 また、JMUにおいては、今治造船との提携を通じて、両者の強みを最大限に生かし、抜本的な収益改善を推し進めてください。

○持続的な成長に向けたESG課題への対応
グループの持続的な成長、企業体質の強靭化を実現するために、ESG課題、特に、気候変動問題への対応が必要不可欠です。JFEグループは、昨年9月に個社としてのCO2削減目標やカーボンニュートラルに向けたロードマップを策定し、昨年の統合報告書、CSR報告書で開示してきました。これらに対する投資家や社会の関心は高まる一方です。ESG課題への対応を持続的な成長に向けた重要な経営課題と位置づけ、皆さんの事業活動を見つめなおしてください。

○安全
JFEグループにとって、ESG課題への対応が重要であることを述べましたが、その中でも、安全が全てに優先する課題であることに変わりありません。常に安全の意識を研ぎ澄まして、業務に取り組んでください。

結び

JFEグループを取り巻く環境は依然として厳しく、新型コロナウイルス感染症の影響などから将来が極めて見通しにくい状況です。このような環境の下で、企業の経済的価値を創出し、持続的な成長を図るために、私たちの世界最高の技術とJFEグループの総合力をもって、早急に収益を回復し、強固な収益体制を作り上げて行きましょう。そして、「挑戦・柔軟・誠実」という行動規範の下、皆さん一人ひとりが自らの仕事に自信と誇りを持って前進して行きましょう。 最後になりましたが、本年が皆さんとご家族にとり、健康で実り多い年となることを祈念して、新年の挨拶といたします。