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ニュースリリース


JFEホールディングス株式会社

2022年 JFEホールディングス社長年頭挨拶

代表取締役社長  柿木 厚司

代表取締役社長 柿木 厚司

 

皆さん、明けましておめでとうございます。

新年にあたり、JFEグループで働く皆さんに一言ご挨拶を申し上げます。

 

国内外の経済は新型コロナウイルス感染症による落ち込みから持ち直しつつあり、JFEグループを取り巻く足下の事業環境は改善されています。2021年度のJFEグループの収益は堅調な鋼材需要と鋼材市況などにより、コロナ影響の大きかった昨年度と比べて大幅に改善する見通しです。これは外部環境の変化だけではなく、JFEグループで働く皆さん一人一人の日頃の活動の成果によるものだと考えています。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症によって傷んだ社会経済の回復遅れや、鉄鋼事業を中心とする諸物価高騰の影響の長期化など、私達を取り巻く環境は引き続き予断を許さない状況です。 また、長期的に鉄鋼事業においては、国内では少子高齢化などを要因とする鋼材需要の減少や労働力不足、海外では新興国の鉄鋼生産能力拡大と鋼材の地産地消が確実に進んでいます。中国の鉄鋼業界の動向次第で世界の市況が大きく変動する構造も依然として変わってはいません。このような状況の中で、鉄鋼事業における2023年度の構造改革完遂は必須です。 加えて、気候変動に対する危機感が全世界で加速度的に広がっており、鉄鋼事業を主体とする当社グループにとって、気候変動問題は事業継続に係る大きな経営課題となっています。 一方で、気候変動問題は新たな事業機会でもあります。再生可能エネルギーの普及拡大に関心が高まる中、JFEエンジニアリングでは、国内初となる洋上風力発電のモノパイル式基礎製造工場の建設を本年より開始します。鋼板製造から出荷までJFEグループの総合力を活かした取り組みが、社会のカーボンニュートラル実現に貢献することが期待されます。 このように私たちは、ポストコロナや脱炭素化など世の中の急激な変化を見据え、難局でもチャンスを見出し、強靭なグループの構築に尽力していく必要があります。

本年の取り組みについて

本年は、ポストコロナに対応できるよう第7次中期経営計画の施策を確実に実行することが大切です。また、成長への投資を推進しながら、収益貢献度の低い資産や事業の見直しなどの「選択と集中」を図り、強固な財務基盤を確立していく必要があります。 更に、激しい環境変化の中、JFEグループとして「変化への対応力」を高めることも重要です。さまざまな変化に機敏に対応するため、事業会社・部門は常に何を実行すべきかを考え、課題に前向きに取り組んでください。 以下に本年の重点課題を示します。

 

○収益力の追求
グループの収益基盤であるJFEスチールは、2023年度の構造改革完遂に向けた打ち手を着実に実行してください。また、鋼材需要が堅調な今の時期を逃すことなく、販売価格の抜本的な見直しを推し進めてください。カーボンニュートラルへの対応も進めながら、今後の持続的な成長を図るためには、主原料の高騰など外的要因に大きく左右されることなく、安定的に収益を稼げる体制を構築することが不可欠です。 JFEエンジニアリングは、カーボンニュートラルや環境関連分野を中心とした事業拡大を進めると同時に、M&A案件を含め、拡大した事業の進捗管理やフォローをしっかりと行い、収益力を確保してください。 JFE商事は、世界NO.1の電磁鋼板グループ流通加工体制構築など、SCMの拡充を図り、更なる成長を目指してください。 JMUにおいては、黒字化を確実に達成するとともに、今治造船との提携を通じて、両社の強みを最大限に生かし、抜本的な収益改善を推し進めてください。 また、グループ全体で連携しながら、洋上風力発電事業やDXの取り組みを引き続き推進してください。

○カーボンニュートラル実現に向けた取り組み
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、昨年5月に発表した「JFEグループ環境経営ビジョン2050」に基づく施策を着実に実行していく必要があります。施策を実行するためには莫大な投資が必要ですが、国の支援なども積極的に活用しながらロードマップに沿った技術開発の推進を確実に図ってください。 一方で、脱炭素化に向けた世界的な動きは急激に変化し続けています。この動きを常に注視し、JFEグループとして遅れることなく対応するとともに、当社の方針や取り組みについても積極的に外部に発信していくことが重要です。

○安全
以上、本年の主な取り組みについて述べましたが、JFEグループにとって、安全は全てに優先する最重要課題です。「すべての災害は防ぐことが出来る」という信念のもと、積極的な安全投資で設備・作業の本質安全化を推進してください。

結び

JFEホールディングスは本年9月に発足20年を迎えます。足元の環境は変化が激しく将来が見通しにくい状況ですが、発足当時の初心に立ち返って、私たちの世界最高の技術と総合力をもって持続的成長と企業価値向上に取り組んでいきましょう。そして、「挑戦。柔軟。誠実。」という行動規範の下、皆さん一人ひとりが自らの仕事に自信と誇りを持って前進していきましょう。 最後になりましたが、本年が皆さんとご家族にとって、健康で実り多い年となることを祈念して、新年の挨拶といたします。