コミュニティ
基本的な考え方
企業活動をグローバルに行っていく上で、生産活動を行う製鉄所等の製造拠点はもちろんのこと、企業活動を行う各地域の発展に貢献し、地域の皆様と信頼関係を築きながら、ともに持続可能な成長を実現することが、事業継続のためには必要不可欠です。そのため、JFEグループでは、行動指針に「社会との連携と協調」を掲げ、地域貢献活動を推進しています。
また、巨大な設備を有し生産活動を行う製鉄所は、地域の雇用・経済活動や大気・水環境へ及ぼす影響は少なくありません。鉄鋼事業においては「地域コミュニティの活性化」を通じて、地域のより多くの人々に当社グループ事業への理解を深めていただき、地域振興をともに推進していくことが重要であると考えています。
JFEグループ企業行動指針
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社会との連携と協調
良き企業市民として、社会との連携と協調を図り、積極的な社会貢献に努める。
取り組み
地域貢献活動
企業活動における安全確保や環境負荷低減に向けた継続的な取り組みに加え、地域の発展に資する「環境保全」、「次世代育成」、「スポーツ振興・文化の促進」、「地域コミュニティの活性化」を中心とした社会貢献活動を推進しています。
加えて、ボランティア活動の推進のために活用できる休暇制度を整えており、従業員の積極的な参加を支援しています。
製造拠点等の開放
JFEグループでは、毎年、各製造拠点を開放してショーや工場見学会などのイベントを実施し、近隣地域の皆様にご参加いただいています。
拠点イベント開催実績(2023年度)
地区 | 名称 | 開催日 | 入場者数 | |
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JFEスチール | 東日本製鉄所京浜地区 | 京浜ふれあい祭り | 3.5万名 | |
東日本製鉄所千葉地区 | JFEちばまつり | 3万名 | ||
西日本製鉄所福山地区 | JFE西日本フェスタinふくやま | 6万名 | ||
西日本製鉄所倉敷地区 | JFE西日本フェスタinくらしき | 2万名 | ||
知多製造所 | はんだふれあい産業まつり | 2万名 | ||
仙台製造所 | JFEスチールせんだいフェスタ | 0.1万名 | ||
JFEエンジニアリング | 津製作所 | 秋まつり | 0.4万名 |
また、各社の福利厚生施設を地域に開放して、サッカー、野球、バレーボール、バスケットボールなどのスポーツ大会を開催するほか、全国レベルで活躍している硬式野球部と競走部による指導教室なども開催しており、それぞれの地域におけるスポーツの振興と発展に寄与しています。
ST 製鉄所・製造所における工場見学
JFEスチールでは各製鉄所・製造所において、祭りイベント開催時に限らず、地域の小・中学校の子どもたちを中心に毎年10万名程度の方々を受け入れ、鉄の製造現場を見学していただいています。
ST 出前授業
JFEスチールでは、地域貢献活動の一環として、近隣の小学生や中学生を対象として、工場見学のほか、従業員が学校を訪問し、鉄の製造プロセスや製鉄所の特徴、環境への取り組みなどを解説して鉄鋼業への理解を深めてもらったり、キャリアへの理解を深めてもらったりする出前授業を実施しています。この取り組みは2012年度から開始し、2023年度は400人(16クラス)の子どもたちを対象に実施しました(累計では約325クラスに実施)。
EN 社会共生活動推進体制の整備
JFEエンジニアリングでは、JFEグループ企業行動指針に則り、社会領域の取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に向けた貢献度を高めていくため、2022年度に社長を委員長とする社会共生委員会を立ち上げました。同社の事業を通じた取り組みと、事業活動では対応しきれない社会課題解決への取り組みの両方をスコープとし、環境・防災・地域社会・次世代育成の4テーマを重点領域として設定するなどの方針を定めました。環境・防災は同社の事業内容と密接に関わります。地域社会との連携は、各地で事業を展開する同社にとって不可欠となっています。次世代育成は、人々の“くらし”を力強く支え、それを次世代につなげるという同社のパーパスに適うものです。各組織に推進リーダーを設置し、全社で取り組む体制を整え、社内制度に関するガイドラインも策定して活動しやすい環境を整備しました。さらに、その他、社内意識の浸透と従業員参画の促進のため、オリジナルロゴおよび社内公募によるキャッチコピーを制定しました。
活動においては、従業員参画を重視しています。当年度は、横浜未来機構が主催する「YOXO FESTIVAL 2024」において「未来」「STEAM教育」をテーマとした子ども向けプログラム等を出展し、全社で公募したスタッフ約30名が運営を担当しました。
教育と広報・PRにも取り組んでいます。当年度は経営層向け講演会を開催したほか、同社のホームページに特設ページを設けて取り組みを対外的に発信しました。今後も引き続き、持続可能な社会への貢献を目指し、社会共生活動に取り組んでいきます。
詳細は以下をご参照ください。
EN 「JFEの森」における森林整備
JFEエンジニアリングは、北海道庁の「ほっかいどう企業の森林づくり」の制度を活用して北海道由仁町との間で森林整備に関する協定を締結し、同町の町有林約7haを対象とした森林整備を行っています。この取り組みは、地域の森林を適切に維持・管理していくことにより、森林保全や地域の活性化につなげていくことを目的としています。取り組みを進める森林は「JFEの森」と命名し、当年度は最初のステップとして、樹齢50年を経てCO₂の吸収効果が下がった木を伐採した上で、CO₂吸収効率の高い樹種(クリーンラーチ)の苗を植林しました。また、植林活動に参加した従業員向けに有識者による講演を行い、森林への理解を深める機会としました。
2024年度以降、引き続き従業員公募による植林活動を実施するとともに、下草刈りを実施する予定です。
EN 三重県・雲出川流域での環境保全活動への参加
JFEエンジニアリングは、同社製造拠点の津製作所が立地する三重県津市を含む雲出川流域の環境保全を目的とする「新雲出川物語推進委員会」に2008年の設立当初より参画しています。同団体を構成する地域の森林組合・漁業協同組合とともに、津市の支援も受けながら、流域での河川清掃や植樹活動のほか、河口等での海岸清掃、市民向け環境教育を実施しており、従業員およびその家族が参加しています。
EN 施設見学および出前授業の実施
JFEエンジニアリングでは、各製作所および建設現場、運営受託している清掃工場等において、近隣地域の子どもたちを中心に見学を受け入れています。また、従業員を派遣し、環境等をテーマとした出前授業も実施しています。
例えば、横浜本社近隣の横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校では、中学2年生約80名を対象に環境・リサイクルをテーマとした講演を実施した後、横浜本社を訪問してもらい、グループ会社が運営する食品リサイクル工場や、国内外の清掃工場等80拠点以上を監視するグローバルリモートセンター等の見学を通じて座学と実地の両輪での学びを図っています。この取り組みは2018年より開始され、6年連続で実施しています。
外部団体への支援
JFEグループは「持続可能な社会の実現」への貢献を重要な経営課題と位置付け、SDGs(持続可能な開発目標)の17のゴールに関連する社外団体やNGOとの連携を通じて、課題解決への取り組みを行っています。
国連WFP協会への支援
JFEグループは、国際連合世界食糧計画WFP協会※の活動趣旨に賛同し、支援することを通じて世界の飢餓問題解決に取り組んでいます。
- ※飢餓と貧困の撲滅を使命とする国連世界食糧計画(WFP)を支援する認定NPO法人
海外医療人材育成への支援
JFEグループは、虎の門病院を母体として進められているJCMT(海外医師研修事業)の趣旨に賛同し、支援しています。同事業は東南アジアなど開発途上国の医師を日本に招き、日本の先進医療の研修を行い、その成果を派遣元の国々の医療水準向上に役立ててもらう国際貢献および研修を通じた日本との友好関係を促進することを目的としています。派遣元の国々の医療水準の向上を通じて、コミュニティにおける健康問題への課題解決に貢献しています。
詳細は以下をご参照ください。
がん研究会への支援
がん研究会は、1908年の創立以来「がん克服をもって人類の福祉に貢献する」ことを基本理念に掲げ、研究・診療、人材育成に努め、わが国のがん研究・診療を牽引する公益財団法人です。JFEグループはその活動趣旨に賛同し、支援を行っています。
子供の未来応援基金への支援
JFEグループは、すべての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指す「子供の未来応援国民運動」に賛同し、日本各地で子どもの貧困対策に取り組むNPO等の活動支援を行う「子供の未来応援基金」に対し支援を行っています。
青少年育成支援
日本語スピーチコンテストへの支援
JFEグループは、国際交流および社会貢献の観点から「全中国選抜日本語スピーチコンテスト」を支援しています。同コンテストは中国の大学生を対象に「言葉・コミュニケーション」を通じた日中関係の発展を目的に、2006年から開催されており、当社グループは第1回から支援を継続しています。第17回となる2023年度は、コロナ禍で2019年以来途絶えていた日本での本選が5年ぶりに開催されました。この活動を通じて中国における日本語教育の発展および日中交流推進に寄与しています。
学生向けキャリア教育
JFEスチールおよびJFEエンジニアリングでは、女子学生の理工系分野への進路選択(理工チャレンジ)を応援する取り組みとして、女子中高生・女子大生を対象とした工場見学会を開催しています。
JFEスチールでは、2006年から(一財)経済広報センターの「教員の民間企業研修」に協力しています。この研修は、小・中・高校の教員の方に企業活動や人材育成、安全・環境への取り組みなどについて理解を深めていただき、その体験を子どもたちに伝えていただくとともに今後の学校運営に活かしていただくことを目的に実施しています。また、事業所では地元の中学生を受け入れ職場体験学習なども行っています。
JFE商事グループの川商フーズは、NPO法人学校サポートセンターと連携し、中高生向けキャリア教育として仕事の社会的役割や製品・サービスの特徴などについて理解を深めてもらう研修を企画し、受け入れを行っています。
2023年度インターンシップ実績
海外からの研修生を含め毎年多くの学生を受け入れ、工場や設計・建設現場での職場実習、グループワークなどを行っています。
JFEグループのインターンシップ実績(2023年度)
JFEスチール | JFEエンジニアリング | JFE商事 |
---|---|---|
659名 (事務系:378名、技術系:281名) |
688名 (事務系:239名、技術系:449名) |
360名 |
ST 高校生、高専生の科学技術コンテストに協賛
「高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC)」は、朝日新聞社とテレビ朝日が主催する全国の高等学校と高等専門学校の生徒を対象とする科学技術分野の自由研究コンテストです。JFEスチールは、科学技術分野で活躍する人材の育成を願い、2006年から当コンテストに協賛しています。
SH ガーナ、ナイジェリアの小学校への支援
JFE商事グループは、2011年より西アフリカのガーナ、ナイジェリアにおいて社会貢献活動を毎年継続して実施しています。現地の教育省や学校の要望を確認しながら、両国の経済活動の一助となるような製品を選定しています。13回目となった今回は当社グループ製品である“GEISHA”ブランドのサバトマト漬缶詰12,500缶、学習机・椅子435セット、ノート17,000冊を両国の計15校へ寄贈しました。学校関係者ならびに現地政府機関より多くの喜びのお言葉をいただくことができました。
本支援は、JFE商事グループの象徴的な活動として位置付け、今後も「食」と「教育」の支援を続けていきます。
SH 特別支援学校への現場実習の機会提供
JFE商事グループでは、2017年度より特別支援学校に学校外実習の機会を提供しています。主な内容は、インターン生を受け入れ、清掃・給茶機のメンテナンスや帳票仕分け等の業務を体験して頂いています。また、パン販売実習も定期的に社内で実施しています。
これからも社会に開かれた企業として、さまざまな障がいを持つ方々が、自分らしくいきいきとした生活を送れるよう自立と社会参加を応援していきます。
「JFE21世紀財団」による社会貢献活動
(公財)JFE21世紀財団は、JFEグループ(旧川崎製鉄)の出捐により1990年に設立され、社会貢献を担う公益法人として、大学研究助成や地域の文化振興などさまざまな公益事業を展開しています。
- 技術研究助成(鉄鋼技術研究・地球環境・地球温暖化防止技術研究)
- アジア歴史研究助成
- 大学教材・鉄鋼関連出版物の作成・寄贈
- 鉄鋼に縁のある地域社会の文化振興活動への協賛
- 海外子女文芸作品コンクールへの協賛と文集の寄贈
「JFE21世紀財団」に関しては、以下をご参照ください。
技術研究助成
大学の技術研究振興を目的に、1991年度から研究助成を実施し、各大学から高い評価を得ています。
2023年度は137件の応募を受け、鉄鋼技術研究13件、地球環境・地球温暖化防止技術研究15件に各200万円、計5,600万円を助成しました。
アジア歴史研究助成
日本の大学におけるアジア歴史研究の振興を支援するため、2005年度から研究助成事業を実施しています。2023年度は73件の応募を受け、12件に各150万円、計1,800万円を助成しました。
鉄鋼に縁のある地域活動支援
音楽、美術、伝統継承、町おこし、コミュニティ活動、文化財保存の活動など地域社会の文化活動に協賛金を提供し、支援しています。
2023年度も千葉市、川崎市、福山市など国内のさまざまな鉄鋼に縁のある地域のイベント13件に協賛しました。
海外子女文芸作品コンクールへの協賛と文集の寄贈
(公財)海外子女教育振興財団が、海外で学ぶ小・中学生を対象に実施している作文・詩・短歌・俳句の作品コンクールに、1991年度から「JFE21世紀財団賞」を設けて協賛しています。また、優秀作品文集「地球に学ぶ」を2023年度も鉄鋼に縁のある地域の小・中学校や図書館等約700カ所に2,200部を寄贈しました。
社会貢献活動一覧
地域・社会とともに
- 国際連合世界食糧計画WFP協会への支援
- 公益財団法人がん研究会への支援
- 工場見学会の開催
- まつり・フェスタの開催
- 社会福祉協議会への寄付
- フードバンクへの災害用備蓄品(食品)の寄贈
- 小学校での出前授業の実施
- 地域清掃活動の実施
- 自治体と連携した災害対応・防災対策
- 「アクティブ体操®」の実施と普及活動
- 地域開放型の事業所内保育所を開設
- 構内での献血活動
- 伝統行事「さし石さんが大会」に協力
- 地域イベント「まちたびにしのみや」に参画
- ものづくり教室の開催
- 福山城築城400年記念事業への寄付
- 国連WFP協会「こども『エコ活。』大作戦!」協賛
- 各拠点の近隣地域のまつりへの協賛
- JFEトンボみち・駅前広場(ゲートプラザ)の一般開放
- トンボはドコまで飛ぶかフォーラム参加
- 鶴見線スタンプラリー協力
- かすみがうらマラソンボランティア
- 被災地復興支援ボランティア
- 社内で福島復興支援フェアの実施(食堂での復興支援メニューの提供等)
- フィリピンでの熱帯雨林強化植樹活動への参加
- 運営受託している清掃工場での環境イベントの開催
- 災害発生時に運営受託している清掃工場を避難場所として開放するとともに防災備蓄品を提供する協定を自治体と締結
- 千葉市と東日本製鉄所との包括連携協定
- 2024年川崎市市制100周年記念事業への協賛
次世代育成
- 全中国選抜日本語スピーチコンテストへの支援
- 海外医師研修事業(JCMT)への支援
- 子供の未来応援基金への支援
- ベトナム・ミャンマーの大学へ技術者育成の支援
- 国内外からのインターン生の受け入れ
- 高校生科学技術チャレンジ「JSEC」への協賛
- キャリア教育支援
- 教員の民間企業研修受け入れ
- リコチャレ職場見学会開催
- 子育て応援企業認定(神奈川県、名古屋市)
- 外国人技能実習生(溶接研修)の受け入れ
- ガーナ・ナイジェリアの小学校への支援
- 特別支援学校への学校外実習の場の提供
- 三重県高等学校ロボット競技会の支援
- 工業高校教員向け溶接講習の実施
- 駒岡丘の上こども食堂への支援
環境保全
- ほたる幼虫放流会・ほたる観賞会を開催
- 環境に関する展示会等に出展
- 鉄鋼スラグの活用による海の水質改善
- 飲料用スチール容器の開発を通じたプラスチックごみ問題の解決
- 「JFEの森」における森林整備
- ペットボトルキャップ寄付活動
- NPOグリーンバード(ゴミ拾いボランティア)への協力
エンジニアリング事業を通じた地域社会への貢献
電力・ガス・水道といったユーティリティーサービスの提供や、ブラスチック・食品リサイクル、再生可能エネルギー発電、廃棄物発電等の事業を組み合わせ、地域のサーキュラーエコノミー実現に貢献します。