DEIの推進

取り組み

変化の激しい経営環境においては、さまざまな価値観や考え方が融合する中でこれまでになかった発想や解決法が生まれ、企業価値の持続的な向上につながると考え、JFEグループではDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の推進を重要な経営課題として位置付けています。一人ひとりの多様な経験・能力・個性などが活かされる環境づくりを着実に推進するため、各事業会社にDEI推進部署を設置しています。また、社長をトップとするDEI推進に関する委員会を設置するなど、経営層と推進組織が一体となり、全社方針の策定・展開を実施しています。特に女性活躍の推進については、女性管理職の候補者を拡大する新卒・キャリアの「採用」、社内外ネットワーキングの充実やロールモデル提示などの「定着」、女性従業員の個別育成計画作成などの「配置・育成」の観点からさまざまな施策を戦略的に推進しています。

ST ダイバーシティ推進の加速・強化

JFEスチールでは、多様な人材がさまざまな領域で活躍できる職場風土の醸成に向けて、経営層や管理職への研修や、ダイバーシティ月間の設定による啓発活動などの取り組みを行っています。役員および部長については、ダイバーシティ目標を設定し自部門の課題に対してリーダーシップを発揮することで、ダイバーシティ推進の加速や強化を図っています。


女性活躍推進については、女性従業員および上司を対象としたキャリア研修の実施、社外研修への積極的派遣のほか、女性従業員の声をもとに、オンラインで全社をつなぐキャリア交流会や、女性の健康セミナーなどを開始しました。また、交替勤務職場の女性従業員については、交替勤務へのスムーズな適応を目的に保健師による健康セミナーの実施や、人事部門の定期面談によるフォローを実施しています。妊娠・出産などのライフイベントに際しては、本人、上司、人事部門の3者で将来のキャリアについて考える「両立支援面談フロー」を整備し、育児と両立しながら長期的に活躍できるよう、きめ細やかにサポートする体制を整えています。育児や介護などとの両立に向けては、男性従業員の育児参画を促すことを目的とした、労使共同の育休取得推奨メッセージの発信や、仕事と介護の両立支援セミナーなども行っており、さまざまなライフステージにある従業員を応援し、働きがいを感じられる職場の実現に向けた取り組みを行っています。


なお、ダイバーシティを推進するにあたり公平性(Equity)の観点をもって行うことを明示し、活動への理解をより高めていくことを目的に、2024年度より推進部署の名称をDEI推進室に改め、一層の活動強化に向けて取り組んでいます。

EN 社内における意識改革活動の推進

JFEエンジニアリングでは、経営層向け講演会やマネジメント層向けダイバーシティ研修、全従業員向けeラーニング、ダイバーシティ月間の設定など、社内の意識改革に向けて活動を推進しています。


女性従業員向けには、社外研修派遣や交流会の機会等を提供し、キャリア形成を支援しています。育児や介護との両立に向けては、育休復帰者向けのワークショップの開催や、育児・介護に関する上司向けの研修等の実施により、ライフイベントを迎えた従業員もいきいきと活躍できる職場づくりに取り組んでいます。


海外からは、グループ会社の現地従業員を国内に36名受け入れ、業務を通じた教育を行っています。外国籍従業員向けの生活相談窓口の開設、ポータルサイトでの情報提供、日本語教育などを進め、在籍中に安心して過ごせる環境づくりに取り組んでいます。国内では、異業種経験者など多様な個性や価値観をもつ人材を積極的に採用し、年間100名規模のキャリア採用を行っています。

SH 社内の意識改革に向けた取り組み

JFE商事では経営層向けのダイバーシティセミナーやグループ会社のマネジメント層まで対象としたダイバーシティ研修、ダイバーシティ月間(毎年11月)の設定、全従業員向けのeラーニングを定期的に実施し、社内の意識改革を推進しています。また、経営陣によるダイバーシティ推進委員会を設置し、全体方針の共有や部門ごとの計画策定・実行に取り組んでいます。さらに、女性活躍においては先輩従業員との座談会の実施等によるネットワーク構築、社外研修や社外活動への積極的な派遣等を通して、女性のキャリア形成も支援しています。


このほか、出産・育児・介護などの後も引き続き活躍できるように育児休業中の従業員同士の情報交換のミーティングや復職後のフォローアップ研修を実施しています。男性従業員の育児参画を促す取り組みとしては、階層別研修での制度説明のほか、本人および上長への制度説明を実施しています。

女性活躍の推進

JFEグループでは、女性従業員の積極的な採用や計画的な育成・管理職登用、法定水準を大きく上回る育児支援制度の充実、研修・啓発活動の展開など、女性の活躍を推進するためのさまざまな施策を展開しています。各社の施策や課題については、事業会社間で共有するとともに、取締役会を含む会議体で議論を進めており、今後も取り組みを推進していきます。なお、当社の取り組みが評価され、JFEホールディングスは、2013年度以降「なでしこ銘柄」に計3回選定されました。

  • 経済産業省と東京証券取引所による共同企画。東証一部上場企業の中から、1業種につき1社、女性が働き続けるための環境整備を含め、女性人材の活用を積極的に進めている企業を選定・発表する

女性活躍推進に関する行動計画

2016年4月1日、女性活躍推進法が施行されました。


JFEグループでは、ダイバーシティ推進を多様な従業員の能力を最大限引き出すための重要な経営戦略の一つと位置付け、女性従業員の積極的な採用や活躍推進にも取り組んでいます。


同法に基づき、女性従業員が活躍できる雇用環境の整備および従業員にとって「働きがいのある職場」を構築するため、下記の通り行動計画を策定しました。

  • 行動計画期間

    2021年4月1日~2026年3月31日までの5年間

  • 行動計画に掲げる目標

    JFEグループ共通の目標として、女性管理職比率について、2030年に課長級以上に占める女性の割合を10%以上(うち、管理・営業部門は20%以上)にするという目標を設定し、女性の管理職登用を積極的に進めています。2025年4月時点で、女性管理職比率は4.3%(うち、管理・営業部門は8.0%)という実績となっています(事業会社合計)。

  • 各社の行動計画

トップメッセージの配信

JFEホールディングス代表取締役社長が、内閣府男女共同参画局が支援する「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言に賛同し、女性従業員のさらなる活躍推進を表明するなど、社内外に「女性がいきいきと活躍できる会社」であることを発信しています。


詳細は以下をご参照ください。

男性の育児休業取得推進

男性従業員が育児休業を取得しやすい環境を整備することで、従業員の男女を問わず「仕事」と「育児」を両立させることが可能となり、ひいては多様な従業員が活力を最大限に発揮できるようになると考えています。各事業会社では、育児休業に関するセミナーの実施、上司からの取得の推奨、好事例の社内展開などの施策を通じて、男性従業員の育児休業取得推進に注力しています。

障がい者の雇用

特例子会社「JFEアップル東日本」「JFEアップル西日本」「三重データクラフト」を設立し、障がい者の雇用の推進と働きやすい職場環境の整備に努めています。


障がい者雇用関連データは以下をご参照ください。

60歳超えの制度

JFEグループではベテラン従業員が持つ技術や経験の伝承を推進するため、定年年齢の65歳への引き上げ、または希望者全員が段階的に65歳まで働ける再雇用制度を導入しています。


2025年3月末時点で事業会社3社合計で973名(従業員全体の約5.0%)のベテラン従業員が活躍しています。

ST 技術・技能の伝承と人材育成の推進

JFEスチールでは、ベテラン従業員のモチベーションを向上させ、技術や技能の伝承、人材育成を着実に推進していくため、2021年4月に定年年齢を65歳に引き上げました。これまでは60歳以降の希望者全員を再雇用してきましたが、定年年齢の引き上げにより入社から65歳まで一貫した人事・賃金制度を構築しました。

EN 競争力の維持・強化と技能伝承

JFEエンジニアリングは、ベテラン人材を事業・技術領域における高度専門家と考え、競争力の維持・強化や現役世代への技能伝承の役割を期待しています。その一層の活躍を促すべく、2023年度より定年年齢を65歳へ引き上げました。

SH 柔軟な働き方の実現

JFE商事では、60歳以上のベテラン人材がモチベーション高く働ける環境づくりを意識するとともに、柔軟な働き方を実現し、健康に働ける環境を整備しています。それぞれのライフスタイルに合わせてフルタイム勤務、短日数勤務および短時間勤務など、多様な勤務形態を選択できるようにしています。

LGBTQ(性的マイノリティ)の尊重

社内の人権啓発研修や階層別研修等を通じて、性別、性的指向、性自認による差別のない職場をつくる取り組みを進めています。また、全従業員に配布するコンプライアンスガイドブックで、LGBTQについても取り上げ、毎年10月のコンプライアンス強化月間における読み合わせ活動資料の一つとすることで、従業員の一層の理解を促しています。JFEスチールでは、2022年度より、同性もくしくは事実婚のパートナーについても福利厚生制度等の適用対象とする制度改定を行い、制度説明会や啓発研修を行っています。またJFEエンジニアリングでは、全従業員を対象としたeラーニング、人事関係者や管理職を中心としたセミナーを実施しています。JFE商事では、経営層を含むマネジメント層へのセミナーおよび全従業員を対象としたeラーニングを実施し、理解促進を図っています。

多様な人材の確保

2025年度新卒・2024年度キャリア入社採用実績
1,080名(事業会社3社合計)
総合職に占める女性採用比率 21.9%(128/590名)
事務系総合職に占める女性採用比率 38.5%(94/244名)
キャリア採用比率 39.7%(429/1,080名)
総合職に占めるキャリア採用比率 39.5%(233/590名)
現業職に占めるキャリア採用比率 40.0%(196/490名)

JFEグループの持続的な成長を図るため、採用ソースを多様化して安定的な人材確保を図るとともに、女性や外国籍社員、キャリア入社者など多様な人材の採用を積極的に実施しています。


また、当社は幅広い地域に海外展開しており、海外拠点においては、従業員を現地採用し、雇用機会の創出を通じた現地社会への貢献も果たしています。


採用の実績(事業会社3社合計)(2025年度新卒・2024年度キャリア入社)
項目 総合職 現業職 総計
事務系 技術系
男性(名) 150 311 461 469 930
女性(名) 94 35 129 21 150
総計(名) 244 346 590 490 1,080
女性比率(%) 38.5 10.1 21.9 4.3 13.9

従業員関連データは以下をご参照ください。