公益財団法人JFE21世紀財団
2024年度 大学研究助成 交付研究の決定について
公益財団法人JFE21世紀財団
JFEホールディングス株式会社
公益財団法人JFE21世紀財団(理事長:北野嘉久 JFEホールディングス㈱代表取締役社長)は、1990年の財団設立以来、JFEグループとともに、21世紀鉄鋼産業の振興および豊かな生活文化の形成への貢献を目的とする活動を続けてきました。
このたび当財団は、主要活動の一つである大学研究助成事業において、2024年度の助成金交付対象となる40件の研究(技術研究28件、アジア歴史研究12件)を選定しました。1件あたりの助成金額は、「技術研究助成」200万円、「アジア歴史研究助成」150万円で、助成金合計は7,400万円となります。この40件に対して12月2日に日比谷国際ビル(東京都千代田区)において研究助成金贈呈式を行う予定です。
なお、1991年度から2024年度まで34年間の大学研究助成における累計交付件数および助成金総額は、952件、18億1,880万円となります。
当財団は、「社会に開かれた存在を目指し、社会との共存共栄をいっそう進める」の設立趣旨のもと、社会貢献の一端を担う公益事業をこれからも一層推進して参ります。
2024年度・大学研究助成の交付研究(一覧)(五十音順、敬称略)
1.技術研究助成 計28件
財団創設時からの継続事業である技術研究助成では、「鉄鋼技術」と「地球環境・地球温暖化防止技術」を助成対象としています。「鉄鋼技術」は、日本が世界をリードする先端技術を有し、また将来にわたり世界の産業の主要材料であり続けるための、鉄鋼の製造プロセス・材料開発・鉄鋼関連技術を助成対象としています。「地球環境・地球温暖化防止技術」は、地球環境保全と省エネルギーや再生可能エネルギーなどの地球温暖化防止に資する技術開発を助成対象としています。
今年度は81大学等から179件(国公立(含高専)59校135件、私立18校31件、国公立研究機関4機関13件)の応募があり、技術研究助成審査委員会での審査の結果、「鉄鋼技術研究」9件、「地球環境・地球温暖化防止技術研究」19件、合計28件を助成研究として選定しました。
(1)「鉄鋼技術研究」 9件
鉄鋼製造プロセス、鉄鋼材料開発、鉄鋼関連技術に関して57件の応募があり、その中から次の9件を助成対象研究に選定しました。
池田 倫正 | (大阪大学接合科学研究所接合評価研究部門) 「薄鋼板の固相接合活用型抵抗スポット溶接法の開発」 |
井上 智博 | (九州大学大学院工学研究院航空宇宙工学部門) 「液体金属の大変形挙動に与える熱・物質拡散の動的影響評価」 |
大参 宏昌 | (大阪大学大学院工学研究科物理学系専攻) 「非平衡水素プラズマを用いた微粒子状酸化鉄還元プロセスの開発」 |
小川 竣 | (東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻) 「時刻歴応答に伴う疲労強度を最大化する最適設計法の構築」 |
小貫 祐介 | (東京電機大学工学部先端機械工学科) 「高炭素TRIP鋼の変態前組織がベイナイト変態挙動と機械的特性に及ぼす影響の解明」 |
佐藤 公亮 | (三重大学大学院工学研究科建築学専攻) 「連続巨大地震を受ける冷間成形角形鋼管柱の繰返し局部座屈挙動と耐震性能」 |
夏井 俊悟 | (東北大学多元物質科学研究所) 「X線CT利用リバースエンジニアリングによる鉄鉱石高温還元変形モデルの深化」 |
鳴海 大翔 | (京都大学大学院工学研究科材料工学専攻) 「準安定凝固現象を活用した鉄鋼材料の凝固組織制御原理の基礎的検討」 |
米津 明生 | (中央大学理工学部精密機械工学科) 「レーザー誘起ナノ粒子衝突試験法の開発と極薄圧延鋼板の疲労強度改善」 |
(2)「地球環境・地球温暖化防止技術研究」 19件
地球環境保全、地球温暖化防止技術に関して122件の応募があり、この中から次の19件を助成対象研究に選定しました。
石井 大佑 | (名古屋工業大学大学院工学研究科工学専攻) 「生物模倣によるポテンシャルエネルギー駆動ヒートポンプの開発」 |
石部 貴史 | (大阪大学大学院基礎工学研究科) 「結晶の副格子操作による高性能透明熱電材料の創製」 |
伊藤 茜 | (九州大学大学院工学研究院地球資源システム工学部門) 「ERWによるCO2固定および重金属溶出リスク評価に関するナチュラルアナログ研究」 |
稲垣 怜史 | (横浜国立大学大学院工学研究院機能の創生部門) 「プロパンの選択的吸着を実現するゼオライト吸着剤の開発とその原理解明」 |
稲田 亮史 | (豊橋技術科学大学大学院工学研究科電気・電子情報工学系) 「コールドシンタリングを利用した酸化物型全固体電池部材の開発」 |
植木 保昭 | (名古屋大学未来材料・システム研究所) 「カルシウムフェライト系化合物による燃焼排ガス中窒素酸化物の低減技術の開発」 |
内田 紀之 | (東京農工大学工学部応用化学科) 「土壌浄化微生物のスクリーニングに向けたアクアリアクターの開発」 |
北野 翔 | (北海道大学大学院工学研究院応用化学部門) 「X線回折とXAFSの融合技術を駆使した電極触媒の先進的挙動解析」 |
Fiona Spirrett | (大阪大学接合科学研究所) 「脱炭素型アルミニウム製錬をめざした固体電解質電極の積層造形」 |
関根 由莉奈 | (日本原子力研究開発機構原子力科学研究所プロモーション・オフィス) 「有機フッ素選択的吸着特性を持つ配位高分子スポンジ材料の開発」 |
塚本 孝政 | (東京大学生産技術研究所) 「温室効果ガスの高効率変換に向けた新規クラスター触媒の開発」 |
辻 流輝 | (筑波大学数理物質系・物質工学域ナノ物質化学研究室) 「ゲームチェンジャーになり得る炭素電極を基軸とした完全非真空・超高耐久ペロブスカイト太陽電池の開発」 |
土井 俊哉 | (京都大学大学院エネルギー科学研究科) 「イオンビーム援用による新しい物質合成法およびそれを使った新規蓄電材料開発」 |
戸田 勝善 | (東京海洋大学海洋資源エネルギー学部門) 「浮体式洋上風力発電における浮体の動揺を考慮した電力制御に関する研究」 |
羽柴 公博 | (東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻) 「岩石の長期クリープ特性にもとづく高精度非線形粘弾性モデルの構築」 |
堀毛 悟史 | (京都大学大学院理学研究科化学専攻) 「錯体溶液反応を利用したCO2化学吸収技術の開発」 |
馬 廷麗 | (九州工業大学大学院生命体工学研究科) 「新規な固体電解質の開発及び次世代全固体ナトリウムイオン電池への応用」 |
溝口 拓 | (物質・材料研究機構ナノアーキテクトニクス研究センター電子活性材料チーム) 「核スピンを制御する触媒の探索:ボイルオフ問題の解決に向けて」 |
山本 雅納 | (東京工業大学物質理工学院応用化学系) 「メタン有効利用のための多孔性グラフェン材料合成制御」 |
2.アジア歴史研究助成 12件
アジア歴史研究助成は、アジア全域を研究対象地域とし、各地域の政治、経済、社会、文化等の歴史的経緯を踏まえながら、未来を見据えて考察することで、日本が「21世紀アジアと共存共栄するための日本の産業と文化のVision構築に資する」研究を助成対象として2005年度から続けています。今年度は56大学等76件(国公立22校36件、私立32校38件、国公立研究機関2機関2件)の応募があり、アジア歴史研究助成審査委員会での厳正な審査の結果、次の12件を助成研究として選定しました。
神田 惟 | (東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所) 「近世インド亜大陸におけるペルシア語及びチャガタイ・トルコ語文学と物質文化」 |
小林 篤史 | (名古屋大学経済学部・経済学研究科) 「19世紀中葉における東南アジア貨幣経済の発達:銀銭流通システムに注目して」 |
佐々 充昭 | (立命館大学文学部東アジア研究学域) 「戦前期中国における大韓民国臨時政府と中国国民党との提携-大倧教の活動を媒介として」 |
篠崎 香織 | (北九州市立大学外国語学部国際関係学科) 「東・東南アジアを結ぶ華語出版ネットワーク(1940年代~60年代):シンガポール上海書局の事例から」 |
蔣 允杰 | (学習院大学東洋文化研究所) 「近代東アジアにおける獣医学知識の移動と朝鮮牛-国立伝染病研究所の朝鮮活動を中心に-」 |
田中 あき | (東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門) 「南ベトナム文学に描かれた国家間戦争下の苦悶(ナショナルな苦悶)」 |
Pattajit Tangsinmunkong | (東京大学東洋文化研究所・大学院情報学環) 「第二次世界大戦をめぐるタイの歴史記憶に見る日本表象」 |
陳 來幸 | (ノートルダム清心女子大学国際文化学部) 「ベトナムの法制度の変遷からみる在越華僑華人」 |
西川 慧 | (石巻専修大学人間学部人間文化学科) 「東アジアにおけるイスラモフォビアと多文化共生の未来」 |
松永 泰行 | (東京外国語大学大学院総合国際学研究院) 「南クルディスタン東部の地政学的位置と社会的宗教性の変遷」 |
三好 恵真子 | (大阪大学大学院人間科学研究科) 「ポスト体験時代の記憶の継承:アジア地域史の視座からの共振する戦争・戦後体験」 |
森 万佑子 | (東京女子大学現代教養学部国際社会学科) 「駐津朝鮮公館の外交政策-天津からみた朝鮮・大韓帝国の外交-」 |
「(公財)JFE21世紀財団」概要
・名称: | 公益財団法人JFE21世紀財団 | |
・沿革: | 1990年12月 | 川鉄21世紀財団設立(旧川崎製鉄(株)が、創立40周年を記念して設立) |
2003年 4月 | JFE21世紀財団に改称 | |
2012年 4月 | 公益財団法人へ移行 | |
・総資産: | 28億24百万円(内 公益目的保有財産21億10百万円)(2024年3月末) | |
・公益目的事業 | (2024年度公益会計事業費予算:124百万円) |
- 大学研究助成(技術研究助成、アジア歴史研究助成)および大学教材等出版事業
- 文化振興事業
①鉄鋼に縁のある地域への貢献(地域イベントへの協賛等)
②「海外子女文芸作品コンクール」協賛と優秀作品文集の小中学校への寄贈
・運営/組織(50音順)(2024年9月現在)
理事長 | 北野嘉久 | JFEホールディングス(株) 代表取締役社長 |
専務理事 | 寺畑雅史 | JFEホールディングス(株) 代表取締役副社長 |
理 事 | 小橋 眞 | 名古屋大学 教授 |
鈴木善久 | 伊藤忠商事(株) 理事 | |
筒井義信 | 日本生命保険(相) 代表取締役会長 | |
平田好則 | 大阪大学 名誉教授 | |
古原 忠 | 東北大学 教授 | |
前田正史 | 京都先端科学大学 学長 | |
𠮷田政雄 | 古河電気工業(株) 名誉顧問 | |
監 事 | 田中利弘 | JFEホールディングス(株) 専務執行役員 |
谷上和範 | 公認会計士 | |
評議員 | 安住和久 | 北海道大学 名誉教授 |
梅村 坦 | 中央大学 名誉教授 | |
柿木厚司 | JFEホールディングス(株) 特別顧問 | |
須佐匡裕 | 東京工業大学 特命教授 | |
中島邦彦 | 九州大学大学院 教授 | |
広瀬政之 | JFEスチール(株) 代表取締役社長 | |
明珍幸一 | 川崎汽船(株) 代表取締役社長 |
- 本件に関するお問い合わせは、下記にお願い致します。
-