環境マネジメント

基本的な考え方

JFEグループ各社は、環境理念と環境方針に基づき、「地球環境との調和」と「地球環境の向上」を企業活動の中で実現することを目指し、地球環境保全に向けた革新的な技術開発、国際協力を積極的に推進します。

環境理念

JFEグループは、地球環境の向上を経営の重要課題と位置付け、環境と調和した事業活動を推進することにより、豊かな社会づくりをめざします。

環境方針

  1. すべての事業活動における環境負荷低減
  2. 技術、製品による貢献
  3. 省資源、省エネルギー事業による貢献
  4. 社会とのコミュニケーションの促進
  5. 国際協力の推進

体制

環境マネジメント体制

JFEグループは「グループサステナビリティ会議」のもと、JFEホールディングス社長を議長とする「グループ環境委員会」を設置し、環境目標の設定、達成状況のチェック、グループ全体の環境パフォーマンスの向上、その他環境に関する諸問題の解決に取り組んでいます。特に気候変動問題など、経営にとって重要な課題については、グループ経営戦略会議でも審議し、さらに取締役会への報告を行っています。取締役会は報告を受けた環境課題について議論することを通じ、監督しています。また、それぞれの事業会社・グループ会社でも専門委員会を設置し、企業単位の活動を進めています。


第7次中期経営計画では、気候変動問題への取り組みを経営の最重要課題と位置付け、「JFEグループ環境経営ビジョン2050」に基づき、CO₂排出量削減目標の達成や2050年カーボンニュートラルの実現に向けて強力に推進しています。


詳細は以下をご参照ください。

環境マネジメント組織体制

取り組み

環境マネジメントシステムの推進

JFEグループ各社は、自主的かつ継続的な環境活動の強化に向け環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の認証取得を推進しています。JFEスチールとJFEエンジニアリングのすべての生産拠点とJFE商事の主要な国内外の事業所でISO14001を取得しており、本報告書の報告対象範囲82社の総従業員数43,994名に対するカバー率は67%、全拠点に対するカバー率は52%となりました。また、2023年度の各社における罰金を伴うような重大な環境法令違反(大気、水、土壌等)は0件、罰金・違約金の総額は0円でした。


各事業会社のISO14001関連の定量データは別紙ご確認ください。

ST 地球環境委員会や環境管理委員会による適切な活動管理

JFEスチールでは、本社および各事業所に環境管理部門を設置するとともに、活動を適切にマネジメントするため、社長を委員長とする「地球環境委員会」や事業所単位の「環境管理委員会」を設置、監督を行っています。

EN 環境委員会による環境マネジメントの統括

JFEエンジニアリングでは、製作所、支店等の主要な拠点および商品を所掌する本部ごとに環境管理部門を設置し、社長を委員長とする「環境委員会」により全社の環境マネジメントを統括しています。環境マネジメントシステムを運用し、製作所、支店等の各拠点、建設工事現場における環境管理の実施、およびすべての商品、サービスによる環境貢献に向けた取り組みを実施しています。2023年度は、①地球温暖化防止と気候変動対策などに寄与する商品による環境貢献を推進、②事業活動における環境保全推進・実効的な省エネルギーおよび資源循環の推進、③環境法令遵守の徹底、の3項目を重点課題として取り組んでいます。

SH ISO14001の取得範囲拡大

JFE商事は、2000年に本社・大阪支社・名古屋支社でISO14001を取得し、その後全国に認証範囲を拡大しました。国内グループ会社においても同じ環境マネジメントシステムのもと、認証取得と環境管理活動を推進しています。また、海外のコイルセンターについてもISO14001の認証取得を進めています。

環境監査

JFEグループは、ISO14001取得事業所の外部監査・内部監査に加えて、各製造拠点への本社の監査部門や環境部門による独自かつ独立した部門による環境監査を実施しています。

ST きめ細かな環境監査の実施

JFEスチールでは、本社監査部と環境防災・リサイクル部により、各拠点に対して年1 回の監査を実施しています。グループ会社については、設備保有状況などを勘案したリスク評価結果をもとにグループ分けした上で、1~5年に1回、チェックシートを活用したきめ細かな監査を実施しています。

国内グループ会社の書類監査状況
国内グループ会社の現場監査状況

EN 環境法令遵守状況の評価

JFEエンジニアリングは、環境法令遵守を最も重要な課題の一つとして取り組みを行っています。


国内の建設工事と製造拠点、およびグループ会社の拠点より年間50カ所程度を抽出し、安全環境部による環境法令監査を実施して遵守状況を評価しています。また、環境マネジメントシステム内部監査により、環境パフォーマンス向上に向けた取り組みの有効性を評価し、改善に取り組んでいます。さらに、環境法令の遵守状況を確認するために、工事所掌部署によるすべての建設工事に対する環境巡視、および製造拠点(鶴見・津・笠岡)における法令適合状況のセルフチェックを毎年実施しています。

SH 内部環境監査と法令遵守状況の確認

JFE商事グループは、ISO14001の認証取得グループ会社に対し、年に1回、内部環境監査を実施し、未取得グループ会社については、3年に1回の環境監査実施することで、現場の法令遵守状況を確認しています。


環境監査関連の定量データは以下をご参照ください。

環境教育

すべての従業員が積極的に環境保全に取り組む企業風土の醸成を目指し、JFEグループの各事業会社では入社時研修を皮切りに、階層別、職種別の教育研修など、さまざまな環境教育を実施しています。


グループ横断での環境教育として、環境関連法を専門とする弁護士を講師に招き、環境関連の法律制定や改訂の最新情報、環境法令違反や判決の事例などを講義していただく「環境関連法令グループ検討会」を年1回開催しています。本検討会は、事業会社およびそのグループ会社の環境防災部門、法務、総務から製造部門まで環境に関連する多くの従業員が参加し、グループの環境法令に関する知識向上、啓発など環境関連活動の基盤として役立てられています。

ST 公害防止管理者資格の取得推進

JFEスチールでは、公害防止管理者資格の取得を励行しています。2011年度からは、グループ各社の環境管理者への環境管理研修を実施しています。また、環境法令の遵守に向けた研修、グループ環境エネルギー連絡会で法改正を周知する研修、実務者向けの廃棄物管理スキルアップ研修を実施しました。

EN 環境一般教育の実施

JFEエンジニアリングでは、環境への取り組みの方針を周知するために、グループ会社を含めた全従業員に対して環境一般教育を実施しています。また、事業拠点および建設工事における環境管理を確実に実施するために、従業員の業務に応じた教育を行い、レベルアップを図っています。2022年度はリモートによる教育機会の拡大と、法令改正への対応など実務に即した教育ニーズへの対応の充実に向けた取り組みを行っています。

SH 一般環境教育と内部環境監査員養成研修の実施

JFE商事グループでは環境教育として、ISO14001活動に基づいた全従業員対象の一般環境教育と内部環境監査員養成の研修を実施しています。認証取得範囲の全従業員には「ISO社員携帯カード」を配付し、ISO14001活動の内容が確認できるようになっています。このほか、グループ各社に対しては環境関連法遵守チェックリストを活用した法令遵守の周知徹底、新任役員研修の中での環境研修および環境担当者への法改正等の情報展開を行っています。


環境教育関連の定量データは以下をご参照ください。

環境負荷低減への取り組み

JFEグループにとって、地域社会の皆様はもとより、地球環境・社会との共存・共栄を事業継続のための重要な経営課題と位置付けており、大気・水環境への汚染物質排出抑制、環境保全設備への積極的な投資や内部統制・環境教育の充実などに継続的に取り組んでいます。また、保有する環境保全技術を途上国を中心に移転・普及させることで、地球規模での汚染の防止に貢献していきます。


環境負荷低減に関する定量データは以下をご参照ください。

大気への排出抑制

ST SOx・NOxのさらなる排出量抑制に向けた取り組み

JFEスチールでは、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)の主要排出源である焼結工場への脱硫・脱硝装置の設置をはじめ、加熱炉への低NOxバーナ導入、低硫黄燃料などへの転換を進めています。大気汚染防止法で定められた総量規制基準よりも厳しい内容を含む協定を各地域の行政と締結しています。協定よりも排出量をさらに低位に抑制すべく、継続して排出抑制に取り組んでいます。また、構内清掃の強化、原料ヤードへの散水設備・防風フェンスの設置、集塵機の増強・能力向上などにより、粉塵飛散の抑制を推進しています。

EN SOx・NOx排出量抑制に向けた適正管理

JFEエンジニアリングでは、大気汚染防止法や関連する地方条例にしたがい、横浜本社(鶴見製作所を含む)と津製作所における、ばい煙発生施設によるNOx、SOx排出量が、年間総量規制相当値(NOx:18,000N㎥、SOx:100N㎥)に対して十分低いレベルを維持するべく適正な管理を実施しています。また、建設工事現場においてはNOx・PM法およびオフロード法(特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律)に適合した建設機械、工事連絡車を使用して環境の保全を行っています。

化学物質の管理・排出抑制

ST VOC排出量削減に向けた取り組み

JFEスチールは、化学物質の自主的な削減を進め、環境負荷低減に取り組んでいます。PRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)の届出物質については、法令にしたがって排出・移動量を報告しています。


VOCについても、日本鉄鋼連盟の策定したVOC排出量削減に向けた自主行動計画(2010年度に2000年度比30%減)をもとに、排出量1,078トン以下を目標と定めて削減に取り組んできました。その結果、2010年度に目標の30%を大幅に上回る削減を達成し、その後も50%を超える削減を継続しています。今後も排出量1,078トン以下を維持するとともに、排出量が増加しないように継続的に取り組んでいきます。


また、ベンゼン、ジクロロメタンに関しても低排出量となっていますが、今後もベンゼンおよびジクロロメタンは目標を設定し、低水準を維持していきます。

EN PRTR制度に基づく化学物質の管理

JFEエンジニアリングの製造拠点(鶴見・津)において、PRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)の対象となる化学物質の主要なものは、製品の塗装に使用されるキシレンなどの有機溶剤や溶接時に発生するマンガンおよびその化合物などです。これらの化学物質は、法令にしたがって排出・移動量を報告しています。

JFEグループにおけるPCB廃棄物の適正管理

PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物は、各事業所において適正に保管・管理しています。高濃度PCB廃棄物については、中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)の計画にしたがって処理を進めています。J&T環境(株)の横浜エコクリーンでは、微量PCB汚染絶縁油の処理を行っており、JFEグループ内外の微量PCB絶縁油の削減にも貢献しています。

環境会計

環境会計の考え方

JFEグループは、生産設備の高効率化や環境対策設備の導入によって、省エネルギーと環境負荷低減を実現してきました。これらの取り組み費用に関して、省エネルギー対策設備・環境対策設備については投資額として、環境保全・環境負荷低減に要する費用については環境活動推進費用額として把握しています。


環境設備投資と環境活動推進費用の効果としては、地球温暖化防止に関してはCO₂排出原単位の改善、資源の有効活用に関しては再資源化率の高位維持による最終処分量の削減を図っています。環境保全に関しても、水域環境や大気環境への汚染負荷物質排出の削減に取り組み、排ガス・排水の法基準値の安定達成によるコンプライアンスの徹底にも寄与しています。

環境会計関連の定量データは以下をご参照ください。

関連リンク