環境(エグゼクティブサマリー)

環境マネジメント

気候変動問題への取り組み

循環経済への移行の取り組み

生物多様性の保全・自然再興

JFEグループは、環境と調和した事業活動を推進することにより、豊かな社会づくりを目指します。気候変動問題を極めて重要な経営課題ととらえ、2035年カーボンニュートラル技術のトップランナー、2050年カーボンニュートラル実現を目指し、鉄鋼事業における温室効果ガス排出量削減やエンジニアリング事業を中心とした社会全体の温室効果ガス削減への貢献拡大を推進しています。グループ一体で環境マネジメント体制を構築し、気候変動問題をはじめ、循環経済への移行、生物多様性の保全を第8次中期経営計画(2025~2027年度)における重要課題とし、地球環境課題の解決に取り組んでいきます。


JFEグループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の理念を経営戦略に反映し、気候変動問題の解決に向けて体系的な取り組みを進めています。鉄鋼事業では、2050年カーボンニュートラル(CN)の実現に向けたロードマップを策定し、短期・中期・長期の目標を設定して温室効果ガス(GHG)排出量の削減を推進しています。2024年度には、GHG排出量を2013年度比で18%削減する目標に対し、23%の削減を達成しました。2030年度には30%以上削減を目標に、革新電気炉の導入や還元鉄の活用などの取り組みを進めていきます。さらに、2050年のCN実現に向けては、カーボンリサイクル高炉をはじめとする超革新技術の開発を複線的に推進し、2035年頃の技術確立を目指していきます。しかし、CNを実現する鉄鋼製造プロセスへの転換には多額の費用が必要であり、グリーン鋼材など環境価値のある製品(GX製品)の市場創出や政府などの支援が不可欠です。その一環として、鉄鋼製造プロセスにおけるGHG排出量を従来の製品より大幅に削減したマスバランス方式を適用したグリーン鋼材JGreeX®の供給を2023年度より開始し、さまざまな分野への販売を拡大しています。また、設備投資支援として、経済産業省の支援事業に応募し、西日本製鉄所倉敷地区への革新電気炉の導入に対する支援を獲得しました。エンジニアリング事業では、洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギー発電施設の建設等を通じて、社会全体のGHG削減貢献量の拡大に取り組んでいます。2024年度には、目標である1,200万トンのGHG削減貢献量を達成し、2030年度には2,000万トン、2035年度には3,000万トンの達成を目指して取り組みを拡大していきます。


循環経済への移行についても、重要なテーマと位置付け、鉄鋼事業・エンジニアリング事業・商社事業およびバリューチェーンと連携し、再生資源の利用拡大、廃棄物の資源効率の向上、廃棄物の資源への転換の取り組みを進めていきます。


加えて、生物多様性の保全・自然再興に関する取り組みも推進しており、事業活動と自然資本との依存・影響関係を評価し、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に沿った情報開示を進めています。主に、製造拠点周辺のモニタリングや保全活動、鉄鋼スラグ製品を活用した海洋環境の改善などに取り組んでいます。


2023年度に休止したJFEスチール東日本製鉄所京浜地区における高炉などの跡地については、公共・公益性の高い土地利用への転換を図り、次の100年を担う新たな産業の立地や雇用の創出を通じて、地域・社会の持続的発展に貢献していきます。

環境に関する経営上の重要課題(マテリアリティ)に対する目標・実績

主な取り組み