環境(エグゼクティブサマリー)
JFEグループは、環境と調和した事業活動を推進することにより、豊かな社会づくりを目指します。気候変動問題を極めて重要な経営課題ととらえ、2050年カーボンニュートラル実現に向けた「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定し、鉄鋼事業におけるCO2排出量削減や社会全体のCO2削減への貢献拡大を推進しています。グループ一体で環境マネジメント体制を構築し、気候変動問題をはじめ、環境保全、資源有効活用などの環境課題にも取り組んでいきます。
JFEグループは、TCFDの理念を経営戦略に反映し、気候変動問題の解決に向けて体系的に取り組んでいます。鉄鋼事業では、2050年カーボンニュートラル(以下、CN)の実現に向けたロードマップを策定し、短期・中期・長期の目標を設定してCO2削減の取り組みを推進しています。2024年度末のCO2排出量を2013年度比で18%削減し、2030年度には30%以上削減することを目標に設定しています。2030年までは低炭素プロセスへの転換を進め、2050年のCN実現に向けてはカーボンリサイクル高炉を主軸とする超革新技術の開発を複線的に推進していきます。今年度は、各技術の実証試験のための試験炉の建設工事を開始しました。また、鉄鋼製造プロセスにおけるCO2排出量を従来の製品より大幅に削減したグリーン鋼材「JGreeX™(ジェイグリークス)」の供給を2023年度上期より開始しました。
エンジニアリング事業では、再生可能エネルギー発電施設の提供等を通じ、2030年度に社会全体のCO2削減貢献量2,500万トンを目指しています。またグループの総合力を活かして洋上風力発電ビジネスを推進し、再生可能エネルギー事業の拡大を目指しています。今年度は、国内初となるモノパイル製造工場の建設を開始し、2024年4月からの生産開始に向けて準備を進めています。
環境方針にも掲げている環境負荷低減などの事業を通じた環境への貢献として、環境に配慮したプロセスや商品を開発、提供するとともに、中核事業である鉄鋼の製造プロセスを中心に資源有効活用、大気や水質の汚染防止、水資源の効率利用などに対して高い目標を設定し、これらの環境課題に積極的に取り組んでいます。また、事業周辺地域の生態系への影響を最小化することや鉄鋼スラグ製品を通じた生物多様性の検証にも取り組んでいます。
環境に関する経営上の重要課題(マテリアリティ)に対する目標・実績
- 環境マネジメントシステム認証取得の推進、独自・独立部門による環境監査の実施
- 「JFEグループ環境経営ビジョン2050」およびCN実現に向けたロードマップを策定
- グリーン鋼材「JGreeX™」の供給開始
- 「カーボンリサイクル高炉」を主軸とする超革新技術の開発
- グループ一体での洋上風力発電ビジネスの事業化推進
- 環境に配慮したさまざまなプロセスや商品の開発と提供
- 鉄の高いリサイクル性を活かした商品開発とプラスチックごみ問題への貢献
- 鉄鋼事業における水資源の有効利用(高い循環利用率)
- 事業所および周辺の環境整備・評価、鉄鋼スラグ製品による生物多様性への貢献